生理の出血が多い女性のうち8割は貧血かも! 疲れやすい、だるい人は要注意

2020.05.26

過多月経(生理時の出血が多い)症状がある女性のうち、約8割もの人が貧血症状があるとも言われています。

気づかないうちに貧血が進んでいたら、大変! 要注意のポイントをまとめました。

今回は、「生理のある女性に多い貧血」についてお伝えします。

文/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

 

生理があると、貧血の可能性があることを知っていますか?

生理(月経)は女性にとって、大切な体のサイクルです。けれども、生理関連の情報は、意外と知らない自分の体の情報ですね。

たとえば、貧血の原因が生理にあることを知っていますか?

約3割の女性が貧血の原因が生理の可能性が高いことを知らない、という調査結果があります*。

「婦人科の病気が原因で、貧血になることがあることを知っていますか?」との質問に、「知っている」と答えた人は約34%。「見聞きしたことがある」と答えた人は約38%。「知らない」と答えた人は約28%でした。

このように、婦人科の病気や生理の出血が、鉄欠乏性貧血の原因になっていることを知らない女性が約3割。

特に、生理(月経)時の出血が多い人は、要注意です。症状に気づかないうちに、貧血が進んでいる可能性があります。

*生理のミカタ/「女性のカラダと意識調査レポート」より 

 

生理の出血量が多い人は、貧血の可能性大です

出血量の多い、過多月経症状のある女性は、貧血症状にも悩んでいるという調査があります*。

この調査では、「生理期間中かどうかにかかわらず、貧血に関連した症状はありますか?」と聞いたところ、次のような結果でした。

 

  • 疲れやすい、体のだるさを感じる   61.2%
  • めまいや立ちくらみ、動悸・息切れがする   52.8%
  • 頭痛や頭が重い感じがする   51.5%
  • 血液中の鉄が少ないと言われた    19.8%
  • 爪が弱い、割れやすいなど    19.6%
  • 脱毛、髪の毛が抜けて薄くなった    18.6%
  • 検診や人間ドックで貧血と指摘された    13.8%
  • 氷をバリバリと食べたくなる    8.0%
  • 脈が速い    7.8%
  • 味を感じにくい、料理の味が薄いと感じる    4.7%

 

これらは、貧血の人によくある症状で、過多月経の女性は、このような貧血症状があると答えています。

日常に潜むこのような症状、ないですか? もしあれば、貧血の可能性があります。

貧血は、とてもゆっくり進行するため、体が慣れてしまって、平気で気づかずに生活している女性がたくさんいるのです。

思い当たる症状がないか、チェックしてみてください。

また、過多月経の症状がある女性のうち、80.6%もの人が貧血とみられる症状がありました。

にもかかわらず、貧血の診断を受けている女性は、23.3%と低い割合です。

この貧血と診断を受けている女性の中で、婦人科に相談したことがない人は、72.5%にものぼりました。

*生理のミカタ/「女性のカラダと意識調査レポート」より 

過多月経と貧血

過多月経かどうかをチェックしてみて!

「生理の量が多いくらいで病気なの?」「少しくらい量が多いのは生理だからしかたない」と思い込んでいる人も多いかもしれません。

でも、もし過多月経なら、その背後には、女性特有の病気が潜んでいることが少なくありません。

生理の出血量を見極めるときの目安として、気をつけるのは、まず生理の期間です。期間が長ければ、おのずと経血量も増えるわけです。正常な月経の目安を知っておきましょう。

 

【正常な月経の目安としては…】

  • 月経周期日数:25日~38日  (変動が6日以内)
  • 出血持続日数:3~7日間(平均5日間)
  • 1周期の総経血量(総出血量):20~140ml

引用:日本産婦人科医会HP

 

また、過多月経かどうかは、次の項目でチェックしてみましょう。

⬜︎  昼でも夜用のナプキンを使う日が3日以上ある

⬜︎ 普通のナプキン1枚では1時間もたない

⬜︎ 経血にレバーのような大きな血のかたまりが混ざっている

⬜︎ 以前より経血量が増え、日数も長くなった

1つでも当てはまる症状があったら、過多月経の可能性が高いと考えられます。もしも、過多月経なら婦人科で原因を調べて、治療できます。

 

貧血の可能性があるかどうかは、次の項目でチェックしてみてください。

⬜︎ 血液中の鉄(Fe)が少ないと言われたことがある

⬜︎ 立ちくらみやめまい、動悸、息切れがある

⬜︎ 疲れやすい、体がだるい

⬜︎ 頭痛や頭が重い感じがある

参考:生理のミカタ/「過多月経

 

貧血は体からのSOSです!

貧血は、女性に多い血液の病気です。

貧血では、めまいや疲れやすさなど、さまざまな不調が現れます。また症状がない人もいます。

貧血をきっかけに隠れている病気が見つかることもあります。貧血を甘くみてはいけません。

心臓に負担がかかる、怖い病気です。健康診断で貧血と言われたら、すぐに医師に相談してください。

血液の成分であるヘモグロビンは、臓器へ酸素を運ぶトラックのようなものです。

これが少なくなるのが貧血で、貧血になると各臓器への酸素の供給が減り、さまざまな症状が起こります。 

また、酸素の薄い血液で、全身に酸素を送ることになるため、心臓は心拍数を増やして、送り出す血液量を増やそうとします。

そのため、心臓に負担がかかり、長い間放置すると、心不全につながるおそれすらあるのです。

参考までに、血液検査の値(ヘモグロビン値)と貧血の重症度を紹介します。女性では、ヘモグロピン値がおよそ11g/dLになると治療が必要と言われています。

貧血の重症度

参考:生理のミカタ/「貧血と生理の関係

 

貧血は、どこに相談に行けばいいの?

婦人科と消化器科で相談をしてみましょう。

女性の貧血は、生理(月経)の量が多すぎること(過多月経)による原因が約6割、次に消化管の出血による原因が約2割と言われています。

女性ならまずは、婦人科を受診するのがよいのでは、と思います。

そのほかの原因としては、鉄分の摂取不足や吸収障害、腎臓、血液の病気などがあります。

貧血の種類は、このような原因によって異なりますが、貧血の 90%以上が体内の鉄が足りなくなることによって起こる”鉄欠乏性貧血”です。

婦人科で検査することは、子宮内膜増殖症、子宮体がん、帝王切開のあとによる過多月経、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、ホルモンの異常などの有無がないかどうかを確認します。

具体的には、問診、内診や経腟超音波で診ます。

毎月の生理による出血は、想像以上に多いのです。

子宮は、筋肉でできていて、ギュッと収縮することで、生理の出血を少なくします。

この働きが弱くなるような子宮の病気はないか、病気がなくても、生理の量が多すぎて貧血になっていないかを婦人科で調べます。

貧血はどこに相談に行けばいいの?

消化器科で調べてくれること

婦人科以外では、貧血の原因となる病気は、消化器系の病気です。消化器内科を受診するのがよいでしょう。

まず考えられるのは、胃粘膜の炎症や腫瘍です。

鉄は、胃から吸収されるため、胃粘膜に異常があると、鉄の吸収がうまくできなくなります。

そのため、胃粘膜に炎症や腫瘍がないかを胃のレントゲンか、内視鏡などで検査します。

また、消化管からの出血ということも考えられます。

胃や大腸の異常により、消化管からの出血が起こっていないかどうかを、胃の内視鏡や大腸の内視鏡で調べ、さらに、痔などの可能性がないかも調べます。

婦人科や消化器科を受診して、貧血の原因に異常がない場合は、内科(腎臓内科・血液内科など)を受診して、骨髄・腎臓・脾臓・血液の病気の可能性がないかを調べてみましょう。

 

貧血の治療はどうやって

貧血の治療は、原因によって異なりますが、体のどこかから出血していたり(過多月経や消化器系の病気も含め)、鉄がうまく吸収できなかったりする場合は、まずは鉄剤を使って貧血を改善する治療を行います。

鉄剤を服用すると、吐き気が強いなどの場合は、注射などもありますので、医師や薬剤師に相談しましょう。

さらに、貧血の原因となる病気の治療をします。

婦人科系の病気による過多月経なら、生理(月経)の量を減らす治療をします。消化器の病気なら、原因部分の治療をして出血を止めます。

赤血球がうまく作れない、赤血球がどんどん壊されているなど、骨髄・腎臓・脾臓・血液の病気の場合はその治療を行います。

貧血は、放っておかず、早く治療する必要がある血液の病気です。

軽く考えずに、受診することをおすすめします。

 

関連記事:

生理の出血量が多い「過多月経」とは。気になる原因や対処法は?

過多月経かも、と疑ったら、まずは月経カップを試してほしい理由。産婦人科医・宋美玄先生に聞く、過多月経への対処の仕方

もしかしたら過多月経かも?! 自分の経血量を知る方法

女性医療ジャーナリスト

エビデンスに基づいた健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌『婦人画報』『GINGER』『美的』ほか、女性WEBマガジン『MY LOHAS』『Web GINGER』『女子カレLOVABLE』『@cosme A-beauty』ほかでヘルスケアや女性医療の連載を行う。テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんやがん検診の啓発活動を行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。

NPO法人「みんなの漢方®」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事長、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、「マンマチアー委員会 ~乳房の健康を応援する会」主宰、「日本女性ウェルビーイング学会」副代表、一般社団法人「ウイメンズヘルスリテラシー協会」理事、NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員