娘にはじめての生理がくる前に、親としてできる準備と心構え

2019.04.15

日本における初潮(しょちょう)の平均年齢は約12歳。

ほとんどの女の子たちは中学生になる前に初潮を迎えることになります。

生理がくるということは、順調に成長しているサインのため、とても喜ばしいことですが、一方で生理の対処法やトラブルに対する不安やとまどいも多いと思います。

心配なのは本人だけでなく、親も同じ。

今回は「娘のはじめての生理」に着目し、初潮を迎えたときに本人や家族があわてないために、親としてできる準備や心構えについてご紹介します。

子どもが安心してはじめての生理を迎えるために、親ができることについて考えていきましょう。

 

生理の話、家庭でも必要?

日本のほとんどの小学校では、4年生ごろになると性や生殖器について学ぶ授業が実施されます。

親は、「学校で性教育の授業があるなら安心!」と思うかもしれませんが、学校では年間を通して各単元の時間数が決められているため、性について取り上げる内容は限られます。

授業の内容だけではしっかりと理解するのは難しいため、性や生理についての説明は家庭でも積極的に行うことが理想的です。

特に、成長の早い女の子は、学校の授業よりも前に初潮を迎えることもあります。

そのことを踏まえると、子どもの一番身近な存在である親が、発育の段階に合わせて少しずつ説明してあげることで、子どもは安心して生理を迎えることができるでしょう。

10歳になる前であれば、男の子と女の子の体の仕組みの違いによって女の子には生理があるということを話しておくだけでも、よいかもしれません。

決して「早すぎる」ことはないと思います。

逆に、もし正しい知識がないまま初潮を迎え、生理で失敗するようなことがあった場合には、子どもはとても恥ずかしい思いをしてしまいます。

あいまいにせず、きちんと子どもと向き合って、話してあげましょう。

 

親として子どもにできる3つのこと

① 日ごろから生理について気軽に話しやすい雰囲気をつくる

日本では、性についての授業を、男女に分けておこなう学校がいまだ多いため、その時の経験から、生理については「男子には言えない秘密のこと」「隠さなければいけないこと」というような意識を持ちやすくなるように思います。

そのようなネガティブな意識をもたせないようにするためにも、初潮を迎える前から、家庭で自分の経験を交えながら、女性の体の変化や生理について話してあげるとよいでしょう。

性教育は子どもの発達状況に合わせて繰り返し行い、体の変化や生理を前向きにとらえることができる準備をすることが大切です。

とはいえ、性や生殖器についていざ教えるとなると、難しいですよね?

自分の経験は話せたとしても、生理のメカニズムや生理周期、体の変化などについては、大人の私たちも実はあいまいなことや知らないことも多いでしょう。

日本産科婦人科学会編著の「女と男のディクショナリーHUMAN +」は、思春期から中高年期までの体やこころの変化をライフステージごとにわかりやすくまとめられたハンドブックです。

大人と子どもが一緒に読めるものなので、このような教材を活用して、家庭でも気軽に性について話せる雰囲気作りをしてみてはいかがでしょうか。

 

② 生理用品の選択肢や使い方を正しく伝える

親は子どもに、自分が使っている生理用品を与えてしまいがちですが、時代の変化によってあらゆるテクノロジーが進化するとともに、ITの進化のスピードなどとは比べ物にならないものの、生理用品も少しずつ進化しています。

最近ではナプキンやタンポン以外にも、布ナプキン、生理カップ(月経カップ)経血を吸収するサニタリーショーツなど、生理用品の選択肢が増えており、経血量やその日の予定に合わせて適切なものを選ぶことができるようになりました。

慣れない生理を少しでも快適に過ごすためには、子ども自身が目的に合ったアイテムを選び、正しく使えるように導いてあげることが大切です。

初潮を迎える前に、生理用品を手にとって使い方を教え、交換の頻度や交換方法、ナプキンの捨て方のマナーなども合わせて指導することで子どもの不安は解消されるでしょう。

また、初潮を迎えたあとに、ナプキンをこまめに替えられない、部活動に集中したい、水泳の授業に参加したい…などの悩みが出てくるようであれば、年齢や発育の段階に合わせてタンポンや生理カップの使用を考えてあげてもよいですね。

 

③ 生理中に気をつけることを教える

初潮を迎えたあとに、生理中に腹痛や頭痛を感じたり、我慢できない眠気に襲われたりすると、子どもたちは「病気になったのかな?」と、不安になるかもしれません。

生理痛には個人差があり、痛みがまったく出ない人もいますが、生理中は普段よりも体調が悪くなりやすいことを事前に伝え、それらの予防策や対応策も合わせて教えることはとても大切です。

おしゃれや流行に敏感な年頃だと思いますが、生理痛や生理不順を予防するためにも、生理中には体を冷やすような格好は避けたほうがよいこと、気温が下がる時期にはカイロや厚手の靴下、腹巻などを活用することなども指導してあげましょう。

また、生理中の入浴はNGというイメージがありますが、決してそのようなことはありません。

むしろ、体が温まり、生理痛を緩和させる効果があるので生理中にはぜひ取り入れるべき習慣です。

生理中に気をつけることについて、お母さんが自分の経験をもとに教えてあげることで、子どもはいつでもお母さんに相談しやすくなるのではないでしょうか。

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生理がはじまる前に準備したい生理用品

①  ナプキン

ナプキンは大きさや種類が豊富なため、目的に合わせて使い分けることができます。

はじめての生理では、下着に茶色っぽいものがついたり、うっすら血が出てくる程度ですし、初潮を迎えて間もない生理では、経血量もそこまで多くないので普通サイズのナプキンで十分でしょう。

最近では中高生が手に取りやすい、かわいいパッケージのナプキンが販売されているので、親子で一緒に買いに行くのもいいですね。

今後経血量が増えてくるときのために、夜用などの大きめのナプキンがあること、また、体育や部活動などで体を動かすときに経血漏れが心配な場合には、ズレにくい羽根つきのナプキンもあることも教えてあげることも、子どもの安心感につながると思います。

 

②  タンポン

タンポンは、ナプキンと比べると使い方が難しく、初潮を迎えたばかりの子どもにとっては抵抗があるかもしれません。

しかし、正しく使用することができればナプキンよりも経血が漏れにくく、格段に快適に過ごすことができます。

私は3歳から水泳をやっていたため、当たり前のように、初潮と同時にタンポンを使いはじめ、その日の予定や経血量に合わせて、ナプキンとタンポンを使い分けています。

生理中でも激しく動くことができて、水の中に入ることもできるため、特にスポーツをしている子どもにとっては、将来のために選択肢のひとつとして知っておくことは非常によいことです。

部活に入ってスポーツをはじめる時期や、宿泊行事と生理がかさなることが分かった際に、タンポンの使い方を教えてあげるのは、タイミングとしてとてもよいと思います。

ナプキン派タンポン派

③  生理用ショーツ

生理用ショーツはナプキンやタンポンと比べると、絶対に必要なものではありませんが、持っていると便利です。

通常のショーツにはない、防水布を使用しているので経血がモレにくいという特徴があり、2〜3枚持っていると洗い替えができて安心です。

ステインフリー」は、初潮を迎えるまえに揃えておきたいサニタリーショーツとして非常におすすめです。

XS・S・M・Lの4種類のサイズがあり、小学生であればXS〜Sサイズくらいがよいでしょう。

従来のサニタリーショーツと比べて、伸縮性に非常に優れ、肌ざわりがやわらかく、デザインにもこだわっていて、好みや気分に合わせて自分にぴったりのスタイルと色を選ぶことができます。

ムレにくくて、モレにくい、そして汚れが落ちやすく、お手入れが簡単なのもうれしいポイントです。

柄のかわいさや素材の心地よさによって、生理に対する不安や戸惑いが少しでも解消できるとよいですよね。

生理用ショーツは初潮を迎える心の準備の1つとして、本人が納得するものを一緒に選んであげてはいかがでしょうか。

部活動とサニタリーショーツ

④  経血を吸収するショーツ

生理用ショーツは、「ステインフリー」のような防水型のものが一般的ですが、最近では経血をナプキンのように吸い取る、吸収型のものも登場しました。

アメリカで開発された「エヴァウェア」は初潮を迎えたばかりの女の子から大人まで幅広くおすすめしたい、超吸収型の生理用ショーツです。

最大でタンポン約2本分の経血を吸収するため、ナプキンやタンポンなどの生理用品と併用することでさらに漏れにくく、安心して過ごすことができます。

素材はやわらかく伸縮性に優れ、フィット感もあるため、一日中はいていても不快感がありません。

万一ナプキンから経血が漏れてしまったとしても、エヴァウェアが経血をキャッチしてくれるため、制服や洋服を汚してしまって、恥ずかしい思いをすることはありません。

生理がはじまる前の「備え」としてはくこともできるため、いつはじまるか分からない不安を解消することもできます。

「生理中も激しく動きたいけどタンポンを使用するのはまだ不安…。」という場合に、エヴァウェアがあれば体育の授業も安心して参加することができますよ。

運動部活動におすすめのサニタリーショーツ

⑤  番外編:生理カップ(月経カップ)

生理カップは、医療用シリコーンでできた鈴型のカップを膣に挿入し、膣内で経血を受け止める挿入型の生理用品です。

日本ではまだまだ少数派ですが、アメリカやヨーロッパなどではメジャーな生理用品となっています。

私は1年ほど前から使い始め、あまりに快適で、今やナプキンやタンポンはほぼ使用することがなくなりました!

生理カップを10代の女の子が使うのは早いのでは?と思う方も多いと思いますが、最近では日本でも10代の女の子が使いはじめています。

お母さん自身が、生理カップなどの新しい生理用品を使ったことがないと、なかなか子どもに勧めにくいかもしれませんが、子どもと一緒に商品についての情報を見てみたり、ユーザーの声をチェックしてみたりすることはできますよね。

本人が挿入型の生理用品を使用するのはまだ不安…という場合でも、このような選択肢があるということを知っておくだけでも、いつか役に立つことがあるはずです。

青い生理カップ

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さいごに

今回は、子どもにはじめての生理がきたときに、親としてできる準備や心構えについてご紹介しました。

日本では男女別で性や生殖器についての授業をおこなったり、親が子どもに生理について正しく教えてあげられなかったり、また、社会全体で生理の話題がタブーという雰囲気があったりして、自然と生理に対してネガティブなイメージを抱きやすい傾向にあります。

また、今の時代は、インターネットの普及によって、子どもが性について間違った知識を得てしまう可能性もあります。

これらを未然に防ぐためにも、学校だけではなく家庭でも生理や性について、ぜひ子どもと話しておきましょう。

女の子は10歳前後になると、いつ初潮を迎えてもおかしくおりません。

いつどこで生理がきてもあわてないように、事前に必要なモノを用意し、環境を整備し、心を育ててあげることが、親としてできることなのではないでしょうか。

大人の私たちは、自分たちの経験談だけではなく新しい情報にも常に目を向けて、正しい情報をシェアしてあげることも大切です。

この機会に、ぜひ子どもと一緒に、生理について話してみてはいかがでしょうか。

そして、初潮を迎えたときには、ぜひ「おめでとう!大人になる準備がスタートしたね!」など、ポジティブな言葉をかけてあげてくださいね!

はじめての生理がきた時のこと

インテグロ株式会社  生理ケア&生理カップアドバイザー

1990年東京生まれ。筑波大学体育専門学群 卒業、中高保健体育教員免許取得。筑波大学人間総合科学研究科体育学専攻 博士前期課程 修了。

小さいときから身体を動かすことが好き。3歳から水泳を始め、約18年間競泳選手として活躍。大学院在学中は、スポーツを通じた国際協力としてNGOにてカンボジアの小学校の体育科教育の普及に携わる。また、日本では小学生から大人までの幅広い年齢層に水泳の指導を行う。

2017年生理カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わり、生理カップを通じて女性がより快適で自由に過ごせるように、社会や家庭でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになる。世界中の数十種類もの生理カップを試してきた経験から、生理カップの選び方や使い方、経血量やライフスタイルに合わせた生理ケアについて、アドバイスを行ったり、ワークショップを開催したりしている。

現在、女性の体や性教育、妊娠・出産・子育てについてより専門的な知識を身につけるため、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会(代表理事:丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄先生)主催「これだけは知っておきたい」講座を受講中。