PMS生理前の不快な1週間の乗り切りテクニックはこれ!

2019.10.15

疲れる、だるい、むくむ、おなかのはり、腰痛、イライラ、落ち込む、ニキビ・肌荒れ、胸が張って痛い…。このような症状が生理開始とともに消失するなら、PMS(月経前症候群)です。PMSは、生理開始の約10日前から3日前くらいに始まる心と体の不調。その数、生理のある時期の日本女性の約70%にも及ぶと言われています。なかでも6.5%の人は、社会生活に影響があるほどの不調があって、治療対象になるとの報告も*1。多くの女性を悩ますPMSの賢い乗り切り方をご紹介します。

出典:*1  T.Takeda.et.al.,Arch Womens Ment Health 2006

文/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

 

低用量ピルや漢方薬もPMS対策に効果あり!

婦人科で行われているPMSの二大治療法は、低用量ピルと漢方薬です。

低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが含まれている避妊薬です。

排卵を抑えるとともに、子宮内膜が厚くならないようにして、痛みの原因となるプロスタグランジンという物質の産生を抑えます。

その影響で、生理痛や生理周期によって起こるさまざまな不調が改善します。PMSの多くの症状も改善します。PMSのニキビや吹き出物にも、効果があるとされています。

種類はたくさんあるので、医師と相談のうえ、選べます。低用量ピル(OC)は、自費のため、クリニックによって価格は異なりますが、1か月分1シート2000円~3000円程度(診療費別)が多いようです。

 

また、漢方薬もよく使われています。

女性の生理周期による、イライラ、肩こり、眠れないなどの症状には「加味逍遥散(かみしょうようさん)」、頭重、お腹周りが張る、痛いなどの症状には、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、のぼせ、便秘、腰痛、肩こりなどがある場合には、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」などがよく使われます。

「五苓散(ごれいさん)」などの漢方薬もむくみに効きます。ニキビには「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」も使われます。

「桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」は、生理前の下腹部痛や肩こり、頭重、めまい、ニキビなどによく使われる漢方薬です。

いずれも漢方薬は、医師に処方してもらうと、健康保険が使えます。

 

PMSの時期、保水力のある敏感肌用化粧品を

PMSの時期は、肌のターンオーバーが乱れて、角質層のバリア機能も低下します。この時期は、敏感肌用のやさしい化粧品を使いましょう。

特に、吹き出物や肌荒れが気になる人は、バリア機能が低下しているので、保水力の高めのものを選ぶことが大事です。また、洗顔料も敏感肌用のやさしいものを使いましょう。

 

睡眠を十分とって、ストレスケアをすることも大切です。

ローズの香りは、ストレスの軽減、バリア機能改善に役立ちます。ローズの精油をハンカチに沁み込ませて持ち歩くのもいいでしょう。

 

洗面器でフェイシャルスチームをするのもおすすめ。

熱いお湯を入れた洗面器に精油を1滴たらします。蒸気を逃がさないように頭からバスタオルをかぶって洗面器を覆い、目を閉じてゆっくり深呼吸。蒸気が顔の血行と代謝を促し、香りでリラックス効果が得られます。

精油をたらした熱めのお湯にタオルを浸して、よく絞って、フェイシャルパックをするだけでもリラックスでき、肌が柔らかくなります。

 

顔がパンパン、手足のむくみ、太った…もPMSのせい

PMSの時期は、プロゲステロンによって脳内物質(GABA)や水分代謝が影響を受け、体調が不安定になると言われています。

むくみもそのひとつ。この時期は体重も、水分の溜め込みによって、増えやすくなります。

食事や運動など、日常生活の見直しも大切です。

不足しがちなビタミン、ミネラルを十分補給しましょう。

大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)は、むくみにいいカリウムや女性ホルモン症状の緩和に役立つ大豆イソフラボンが豊富です。

ほかに、カリウムが豊富な食品は、ほうれん草、海藻、果物などです。

甘酒に豆乳とバナナを加えて朝食にしてみるのはどうでしょう。甘酒はビタミンB群、ミネラル、乳酸菌が豊富です。

女性ホルモンと大豆イソフラボン

PMS期のダイエットは要注意!

気をつけたいのは、PMS期のダイエットです。

PMSのむくみなのに、脂肪がついたと勘ちがいして食事制限をすると、全体的に摂取できる栄養が減ってしまいます。

そのため、この時期に必要な栄養素がさらに不足しがちになります。食事や水分摂取を減らすのは逆効果です。

 

無理なダイエットをすると、PMSの症状はますます強くなります。

バランスのよい食事を摂って、塩分を控えめにして、水分を溜めこまないようにするのがコツです。

思い切ってこの時期、ダイエットはお休みしませんか。下半身のむくみには、アロママッサージも試してみてください。

 

脚のむくみはアロマオイルでマッサージ

下半身のむくみには、お風呂上りに、足首から鼠経部までをやさしくマッサージします。

 

まず、足首からふくらはぎをひざ裏に向かって、もみあげるようにマッサージ。前と後ろを交互に行います。

その後、ひざ上から鼠経部までを行います。太ももは両手でつかむようにして、もみ上げるようにマッサージ。

最後に、足首から鼠経部まで、全体を流すようにして終了です。

水分排泄を促すサイプレスなどの精油(ホホバ油10㎖に精油1滴が目安)を使ってマッサージすると、余分な水分をさらに排出しやすくなります。

マッサージに使うのは、ブレンドオイルやクリームなどでもOKです。

 

PMS対策。まずは、自分で取り入れやすいものから始めてみませんか?

 

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女性医療ジャーナリスト

エビデンスに基づいた健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌『婦人画報』『GINGER』『美的』ほか、女性WEBマガジン『MY LOHAS』『Web GINGER』『女子カレLOVABLE』『@cosme A-beauty』ほかでヘルスケアや女性医療の連載を行う。テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんやがん検診の啓発活動を行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。

NPO法人「みんなの漢方®」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事長、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、「マンマチアー委員会 ~乳房の健康を応援する会」主宰、「日本女性ウェルビーイング学会」副代表、一般社団法人「ウイメンズヘルスリテラシー協会」理事、NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員