気になる生理中の臭い。その原因と対策とは?

2018.12.05

生理中の臭いが気になるということはありませんか?

デリケートゾーンは排泄する部位であるとともに常に下着に覆われており、衛生を保つことが難しく蒸れやすいことから、臭いのトラブルが生じやすい部分です。

生理中は経血と生理用品によっていつも以上に下着の中が蒸れ、環境が悪くなることも…。

デリケートゾーンの臭いが、もし自分でも気づくほどの臭いであれば、それが周りにも気づかれていないか心配になりますよね。

今回は、生理中のデリケートゾーンの気になる臭いの原因と、その臭いを軽減するための対策についてご紹介します。

 

臭い原因は生理の経血じゃない!?

私たちがよく口にする生理の血、経血というのは剥がれ落ちた子宮内膜のことを指し、怪我をした時に出る血とは成分が全く異なります。

子宮内膜は子宮の内側にある層で、生理周期に合わせて徐々に厚くなっていきますが、妊娠が成立しないと使わなかった子宮内膜は一旦すべて剥がし落とし、経血として膣から排出されます。

私たちは、この経血こそが気になる臭いの原因だと思いがちですが、実はこの経血、排出されたばかりのものは無臭に近いそうです。

では一体何が原因で、あの嫌な臭いが発生するのでしょうか。

経血が膣から体外に排出されてナプキンに染み込み始めると、経血が空気に触れます。

経血が空気に触れると酸化し始め、その酸化がどんどん進んでいくと今度は雑菌が繁殖していきます。

生理中の嫌な臭いの原因は「酸化」と「雑菌の繁殖」なのです。

実は、生理中に限らず、デリケートゾーン の臭いが気になる場合、そのほとんどが雑菌によるもの。

したがって、雑菌を繁殖させないように気をつけることで、臭いを軽減することができます。

では、具体的な対策をみてきましょう。

 

対策① 生理用品をこまめに交換する

経血量には非常に個人差があるため、生理中に使用するナプキンの枚数も人それぞれです。

職種やライフスタイルによってもナプキンを交換する回数は大きく異なるでしょう。

経血量の多さで苦労している人のなかには、日中でも夜用の大きいナプキンを使用している人もいるようです。

どのタイプのナプキンを使用したとしても、こまめに交換できるのであればいいのですが、もし頻回にトイレに行くことができずに長時間同じナプキンをつけたままで過ごしている場合、ナプキンに染み込んだ経血の酸化が進みます。

それにより雑菌の繁殖も進み、あの生理特有の生臭いにおいが出てくるのです。

現在は生理用品開発の進歩によって、吸収力とともに通気性に優れた、機能的なナプキンが数多く販売されるようになりました。

つけ心地が快適なためにナプキンの交換回数が減ったことはうれしいことなのですが、一方でナプキンを長時間つけっぱなしにすることによる臭いのトラブルはなくなりません。

経血量が多い3日目くらいまでは漏れないためにも意識的に交換するかもしれませんが、忘れてはいけないのは、4日目以降の生理の終わりかけの時期です。

いくら汚れが少なくても、長時間同じナプキンを使用していれば蒸れて雑菌が繁殖しやすくなります。

ナプキンがもったいないから…とケチらずに、生理が終わるまではこまめに交換するようにしましょう。

ナプキンとタンポン

対策② 生理用品を変えてみる

日本では多くの女性がナプキン派ですが、臭いが気になる人はタンポンを試してみることをおすすめします。

膣の中で経血を吸収するタンポンは、経血が空気に触れることが少ないため、ナプキンに比べて臭いの心配が少なくなります。

また、ナプキンのように蒸れる心配もありません。

とはいえ、タンポンには膣から外に出ている紐が存在し、膣内で経血をたっぷり吸収してしまうと、経血がその紐をつたって外に出てくることは避けられません。

やはりどうしても、こまめに生理用品を替えることができない方には、「生理カップ(月経カップ)」がベストです。

生理カップは膣内に挿入し、膣内で経血をキャッチするため、経血が空気に触れる機会がほとんどなく酸化を防ぐことができます。

経血は空気に触れなければ酸化は進まないため、結果的に臭いの軽減につながります。

さらに、カップの取り扱いに慣れてしまえば、通常のショーツのみで過ごせるようになるため、「ナプキンの蒸れによる肌トラブルが軽減した!」という喜びの声をよく伺います。

生理カップは、経血の量にもよりますが最長で12時間の連続使用が可能です。

医療用シリコーン100%でできており、タンポンにあるようなTSS(トキシックショック症候群)のリスクもほぼありません。

たとえば、生理カップ「スーパージェニー」はスモールサイズでタンポン約3本分、ラージサイズは約4本分の容量があるため、トイレに行って交換する回数が確実に少なくなりますよ。

月経カップ

スーパージェニー(右:スモール/左:ラージ)

 

対策③ アンダーヘアを処理する

アンダーヘアは排尿時に尿の飛び散りなどを抑える働きをする反面、尿や経血が付着しやすく雑菌が繁殖しやすいため、臭いの原因になる場合があります。

私たちの体毛はもともと保温や保護のためにあり、アンダーヘアも大事な生殖器を保温し保護するために存在するそうです。

しかし、現代の私たちは下着を履くようになったため、アンダーヘアは必ずしも必要ではなくなりました。

欧米ではアンダーヘアの処理は常識ですが、日本では男性も女性もアンダーヘアを処理している人はまだまだ少数派です。

特に湿度の高い日本では、処理することでデリケートゾーンの臭いが軽減でき、生理でない時も快適に過ごせるようになりますよ。

脱毛することに抵抗がある方は、毛を短くカットするだけでも蒸れや臭いはかなり軽減します。

参考:「アンダーヘアって必要ですか?」監修:産婦人科医 宋美玄先生/DRESS

 

対策④ 冬の重ね着にも注意する

デリケートゾーンは下着や洋服によって通常でも熱がこもりやすい部分です。

夏は暑くて汗をかいたり熱がこもったりして蒸れやすくなるのは簡単にイメージできると思いますが、実は寒い冬こそデリケートゾーンが蒸れやすい環境が整っているのをご存知ですか?

寒いと身体を冷やさないためにタイツやレギンス、モコモコパンツなどの重ねばきを積極的にしますよね。

それこそがまさに蒸れやすく、雑菌の繁殖の原因になるそうです。

デリケートゾーンの通気性を考えるだけで臭いの発生を軽減できるので、特に生理中はデリケートゾーンのトラブルを抱えやすいという人は、身につける下着や洋服について一度見直してみましょう。

<下着や洋服類の選び方>

・締め付けが強すぎないものを選ぶ

・下着は通気性の良い綿やシルクの素材を選ぶ

・ゆったり着れる洋服を選ぶ

・無理な重ねばきはしない

いつでもおしゃれはしたいものですが、せめて臭いの気になる生理中だけでもデリケートゾーンの通気性を考えたものにするのが良さそうですよ。

デリケートゾーンに悩みがない人は構わないけれども、少なくとも臭いやかゆみ、膣カンジダ症になりやすいなどの悩みがある人は、通気性の悪い革製のパンツや、ピチピチのスキニーパンツを履くのはやめましょうねと、産婦人科の先生もおっしゃっていました。

 

対策⑤ デリケートゾーンの洗い方を見直す

雑菌の繁殖を抑えるためにはデリケートゾーンを清潔に保つことが重要です。

臭いが気になるとつい石鹸でいつも以上にゴシゴシ洗いたくなりますよね。

生理中だとなおさらです。

でも実は、洗いすぎることによって逆にデリケートゾーンの臭いを強めることがあるのをご存知ですか?

膣には常在菌が存在し、膣内を酸性に保ち細菌の侵入を防いだり、病原菌を死滅させたりして、嫌な臭いの原因となる雑菌の繁殖を抑えてくれています。

洗いすぎることによって常在菌のなかの良い菌まで洗い流してしまい、膣の自浄作用を弱めてしまうことがあるからです。

また、身体を洗う石鹸やボディソープはアルカリ性の物が多く、膣の酸性を弱める働きがあります。

デリケートゾーンを洗う際はボディソープの成分を確認して、膣のpHに適した弱酸性のものを選ぶようにしましょう。

最近ではデリケートゾーン専用の石鹸も多く販売されており、筆者も愛用しています。

比較してみると洗い上がりが身体用の石鹸とは明らに違うことが分かるのでおすすめです。

膣内を清潔にする方法として、ビデによる膣洗浄もあります。

ビデを使って膣内を洗い流せば、経血や雑菌が洗い流されるのですっきり感がありますし、使い切りタイプなので衛生的です。

でもやはり頻繁に使いすぎると、膣の良い菌まで洗い流してしまい自浄作用を弱める原因になってしまうため注意しましょう。

参考:日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016 (改訂版)

 

番外編:昔の女性たちの臭い対策

今のような生理用品がなかった明治時代の女性たちは、知恵を絞って生理中の経血やそれに伴う臭いの対処をしていたそうです。

これは一例ですが、藁灰(藁を焼いてできた灰)の黒く燻した部分の灰は臭いを吸収するのに効果があることを当時の人々は知っていたため、黒い灰を集めてはお茶などを包装する紙で折りたたんでナプキン状にし、デリケートゾーンに当てて対処していました。

この手作りナプキンは消臭効果に加えて、吸収力もあり、長持ちもするので野良作業にはよかったとのことです。

使用後の処理は、燃やして灰にして畑に撒き、肥料にするだけなのでゴミも出ません。

黒い灰には消臭効果 があることを知っていた当時の人々にも驚きですが、ゴミが一切出ない見事なリサイクル方法にも驚きを隠せません。

しかし、いつの時代も、女性たちは生理の悩みを抱えていたんですね。

手作りの生理用品を使用していた昔の状況を知ると、どんな生理用品もすぐに手に入れられる現代の私たちはがとても恵まれていることが分かります。

参考文献:小野清美著,『アンネナプキンの社会史』, JISS出版局(1992)

 

さいごに

今回は生理中の気になる臭いについて、その原因と対策についてご紹介しました。

寒い冬の方が、実はデリケートゾーンが蒸れやすい環境が整っているのは意外でしたよね。

筆者は数年前、一年中常夏の国に住んでいたことがありました。

年中暑いとデリケートゾーンがものすごい蒸れて、トラブルも多いのではないかとみなさん想像しますよね。

それが意外なことに、実際にはそうではなかったのです。

暑いとこまめにシャワーを浴びたりプールに入ったり、ゆったりシルエットの風通りが良い洋服を自然と選んだりしていたためか、デリケートゾーンのトラブルがほとんどありませんでした。

(質の悪い海外製のナプキンはゴワゴワで苦労しましたが…。)

これからますます気温が下がり、冬本番を迎えます。

寒さ対策はもちろん大切ですが、臭い対策のためにデリケートゾーンの通気性も少し意識してみてはどうでしょうか。

特に今回ご紹介した生理カップは「生理用品の交換回数が減る」「蒸れにくい」「経血が酸化しにくい」という3つの点からも、生理中の嫌な臭い軽減にはかなり威力を発揮します。

寒さがピークになる前に、生理カップの練習を開始して快適な冬を迎えませんか?

関連記事:生理中のトラブル!ナプキンの「蒸れ」「かぶれ」の原因とその対策

インテグロ株式会社 アソシエイトディレクター・生理アドバイザー

1990年東京都生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻、博士前期課程修了(研究分野:体育史スポーツ人類学)。在学中、カンボジアにてスポーツ指導や小学校体育科教育の普及にも従事。

3歳から水泳を始め、高校3年時に全国高校総体400m個人メドレー第3位。約18年間の競技生活を経て引退後、競泳選手として生理と向き合ってきた経験と、途上国生活で満足する生理用品に出会えず苦労した経験から、生理について他者と情報共有することや、生理用品の重要性を感じました。そして生理カップとの出会いをきっかけに、女性がより快適で自由に過ごせるように、そして分野問わず国内外でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになりました。日本ではまだまだタブーとされている生理や女性の体についてもっとオープンに話せるような環境をつくっていきたいです。

・愛用の生理カップ:スーパージェニーのスモール(ブルー)

・愛用のサニタリーショーツ :ステインフリーのビキニ(ピンクドッツ)