生理カップの取り出しが痛い?ステム(尻尾)の役割と使い方を徹底解説

2019.05.28

生理カップ(月経カップ)の尻尾部分「ステム」にはいろいろなタイプがあります。

初めて生理カップを見た人は、タンポンと同じようにカップを取り出すときに引っ張るものだろうと想像してしまうと思いますが、実はカップのステムの役割はタンポンの紐とは少し違います。

今回は生理カップの「ステム」に注目して、形状や役割、正しい使い方や注意点などをご紹介します。

生理カップを取り出すときに、「子宮が引っ張られるような違和感がある」「膣の入り口が痛い」などの原因としてステムが正しく使えていないことがあります。

カップを既に使っている方だけでなく、これから使おうと考えている方も、ステムについて正しく理解すれば、カップ生活がより快適になるかもしれません。

 

ステムの形状について

生理カップは、カップ本体と、先端の尻尾部によって構成されています。

生理カップの「ステム」とは尻尾部のことを指し、主に、挿入するときや取り出すときにカップの位置を確認するための重要な役割を果たします。

ステムはブランドによって、長かったり短かったり、細かったり太かったり、リング状になっていたり玉状になっていたりと、形状はさまざまですが、共通点があります。

エヴァカップスーパージェニーのステムをよく見てみましょう。

月経カップのステム

図1 エヴァカップ(左)とスーパージェニー(右)のステム

ツルツルではなく、ギザギザの筋が入っていますよね。

実は、この筋がカップをつまむときの滑り止めの役割を果たしています。

さらに、ステムの上、カップ本体の下部のことを「リブ」といいますが、このリブにも同様の筋が水平に入っています。

月経カップの構造

図2 生理カップの構造

カップに溜まった経血を捨てるときは、ステムの先ではなくステムの上部とリブの部分をつまむことで、指がすべりにくく、取り出しをスムーズにおこなうことができます。

スーパージェニーのリブは星柄になっていますが、それはただ単にかわいいからだけではなく、ユーザーが使いやすいように考えられたデザインなのですね。

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ステムの役割とは?

ステムは、生理カップを取り出す際に非常に役に立ちますが、その役割はタンポンの紐と同じではありません。

タンポンを取り出す際には、膣の外に出ている紐を引っ張りながら取り出しますよね。

生理カップを取り出す際にも、ついついステムをぐいっと一気に引っ張りたくなります。

特に、取り出しに不安を抱えているカップビギナーさんたちは、ステムを見つけることができたら、「よし!」とばかりに、すぐに取り出したくなると思います。

しかし実は、カップのステムは引っ張るためについているものではなく、あくまでもカップを挿入したり、取り出したりすることをサポートするためのものです。

それでは、挿入時と取り出し時それぞれのステムの正しい使い方を詳しく説明します。

カップの使い方に慣れてきたという方も、ここで改めて確認してみましょう!

 

挿入時のステムの正しい使い方

カップは、ステムの先が膣の入り口から出るか出ないかくらいのところが、正しい挿入位置となります。

折りたたんだカップを挿入して、カップがきちんと開いたら、膣の入り口付近に指を当てて、カップの位置を確認してみてください。

確認の方法は、リラックスした状態で中腰姿勢になり、腹圧をかけながら少しいきみます。

そうすると、指先にステムがちょこんと触れます。

これで挿入はOKです。

立ち上がるとカップは少し上にあがっていきます。

使い方に慣れていない最初のうちは「ステムがなくなった!」と焦るかもしれませんが、大丈夫!

再び、中腰姿勢になっていきむことでカップは下がってきます。

このように、何度かいきんだり、いきみをやめてみたりして、ステムが上下に動くことを確認してみてください。

関連記事:生理カップを使用しはじめたころ直面する問題点とその解決法をご紹介!入れ方編

 

取り出し時のステムの正しい使い方

取り出すときも挿入後の確認作業と同じように、中腰姿勢になるとスムーズに取り出すことができます。

カップを押し下げるイメージで腹圧をかけながら、ステムが指先に触れるところまでいきんでみましょう。

ステムを確認できたら、2本の指で軽くつまみ、少しだけ下にさげます。

このとき、いきみをやめてしまうとカップが再び上にいってしまうので、できる限りいきみ続けてください。

ステムを軽く引っ張ったあとは、指を少しずつカップ本体の下部まで移動させて、リブをつまんでください。

リブは弾力があるので、ギュッと強くつまむのがポイントですよ。

リブをつまむことができたら、カップと膣の壁から離して密着を解除し、少しずつ折りたたみながら取り出してみてください。

このとき、カップのリム部分が完全に外に出てきていないうちに、折りたたんだ状態を保持している3本の指を離してしまうと、途中でカップが開いて、取り出す際に膣の入り口にリムが当たって痛いので、カップが完全に外に出るまでカップを折りたたんだ状態を保持しましょう。

このように、取り出すときに重要なのはステムの先端ではなく、ステムの上部やリブの部分です。

もし、カップ装着時に膣の入り口にステムが当たって違和感がある場合には、ステムは必要に応じてご自分の使いやすい長さにカットしても問題ありません。

関連記事:生理カップを使用しはじめたころに直面する問題点とその解決法をご紹介!取り出し方編

 

ステムの取り扱いの注意点

(1)使用する前に、ステムが切れないかを確認

購入後に箱を開けたら、まず生理カップのステムを軽く引っ張り、念のためステムが切れないか確認しましょう。

非常にまれではあるのですが、万一ご使用前に不具合があった場合には、こちら へご連絡ください。

使い始めてからも、安全にお使いいただくためにカップは定期的に点検し、劣化や破損がないかどうか、確認することをおすすめします。

 

(2)ステムを強く引っ張りすぎない

ステムを強く引っ張ったり、勢いよく引っ張ったりすると、ステムが切れてしまう原因になるので、特に注意しましょう。

ほかにも、カップと膣の壁の密閉を解除しないままステムを一気に引っ張ると、膣内が吸引されて、膣壁や子宮頸部に痛みが生じてしまいます

ステムの先を見つけることができたらリブをつまみ、密閉を解除しながら少しずつ取り出すことを意識しましょう。

 

(3)爪を立てない

エヴァカップやスーパージェニーのステムは短いため、滑らないようにとつい爪をたててしまいがち。

しかし、爪をたててしまうとステムが切れやすくなってしまうので、指の腹でつまむようにしましょう。

普段から爪を伸ばしている方や、ネイルアートをされている方は特に注意してくださいね。

 

長く快適に生理カップを使うために、正しい使い方をマスターしよう

今回は、生理カップのステムに注目し、形状や役割、正しい使い方についてご紹介しました。

筆者も初めてカップを見たとき、ステムは引っ張るためだけのものだと思い込んでいましたが、実際に使ってみると、ただ引っ張るだけでは取り出しにくく、リブをつまんで取り出した方がスムーズにいくことに気がつきました。

使いはじめて1年半以上たったいま、ステムは当初のままの状態をキープできています。

生理カップは長く使えるものですので、破損や劣化を防ぐためにも今回ご紹介した注意点は守り、正しい使い方マスターしてみてください。

生理カップユーザーは、ナプキンやタンポンと比べるとまだまだ少数派なので、使いながら疑問に思うことを周りと共有するのは難しいですよね。

もし周りで悩んでいるカップユーザーさんがいたら、ぜひ正しい情報をシェアしてあげてくださいね!

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気になる生理カップの評価は?ユーザーのレビューをご紹介

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インテグロ株式会社  生理ケア&生理カップアドバイザー

1990年東京生まれ。筑波大学体育専門学群 卒業、中高保健体育教員免許取得。筑波大学人間総合科学研究科体育学専攻 博士前期課程 修了。

小さいときから身体を動かすことが好き。3歳から水泳を始め、約18年間競泳選手として活躍。大学院在学中は、スポーツを通じた国際協力としてNGOにてカンボジアの小学校の体育科教育の普及に携わる。また、日本では小学生から大人までの幅広い年齢層に水泳の指導を行う。

2017年生理カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わり、生理カップを通じて女性がより快適で自由に過ごせるように、社会や家庭でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになる。世界中の数十種類もの生理カップを試してきた経験から、生理カップの選び方や使い方、経血量やライフスタイルに合わせた生理ケアについて、アドバイスを行ったり、ワークショップを開催したりしている。

現在、女性の体や性教育、妊娠・出産・子育てについてより専門的な知識を身につけるため、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会(代表理事:丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄先生)主催「これだけは知っておきたい」講座を受講中。