生理痛がひどい!それってもしかしたら月経困難症かも。

2018.06.13

生理のときにつらいことといえば、下腹部痛や頭痛などの生理痛ですよね。

前回は「ひどい生理痛はなぜ起こるのか?」で生理痛のメカニズムについてご紹介し、生理痛がひどい場合は「月経困難症」の可能性があることを示唆しました。

しかし、痛みの度合いは個人によって感じ方が違いますし、主観的に評価することができません。

そういう点から、毎回ひどい生理痛を我慢している女性も多いのではないかと感じています。

では今回は、実際に「月経困難症」とはどのような症状なのか、治療法はあるのか、について具体的に整理していきたいと思います。

 

月経困難症とは

月経困難症とは、生理中におこるさまざまな身体の不快症状(腹痛・頭痛・めまい・吐き気・むくみ・眠気・情緒不安定など)の中で特に生活に支障をきたすほどにひどいものを指します。

上記の身体の不快症状は、生理期間の前後を含めてほとんどの女性が感じているかと思いますが、生理痛同様にその程度には個人差があります。

しかし、それらが日常生活を送るうえで支障をきたし、さらには専門医による治療が必要になる場合もあります。

そのような状況までにひどい生理痛は「月経困難症」とし、通常の生理痛とは区別して考えられています。

生理痛で1日寝込んでしまったり、学校・会社を休まなければいけなかったりする場合や、家事や育児もままならないという場合は月経困難症と言えます。

みなさんの生理痛はどの程度でしょうか?

 

月経困難症の症状と原因

生理痛は基本的にお腹や頭の痛み、さらに腰の痛みが強いことがほとんどだと思います。

では、月経困難症だとほかにどのような症状があるのかをみていきましょう。

まず上記の痛みが強くて生活をいつも通りに送れないほか、吐き気や倦怠感などがあります。

さらに、生理によって貧血を引き起こすこともあります。

このような症状が続き、精神的に不安定になることも月経困難症の症状と言えます。

前回の「ひどい生理痛はなぜ起こるのか?」で、月経困難症には機能性月経困難症と器質系月経困難症の2つのタイプに分けられることを説明しました。

後者の器質系月経困難症は、痛みの原因となる病気、主に子宮系の疾患が存在することで引き起こされます。

そのため、生理痛の強さなどから病気が発覚するケースも少なくありません。

一方、前者の機能性月経困難症は、子宮が収縮する際に子宮内で産生されるプロスタグランジン(痛みの原因物質)の分泌が通常よりも多いために、ほかの人よりも生理痛が強くなると考えられています。

この2タイプの月経困難症は治療方針が異なるため、自己判断ではなくきちんと専門医からの診断を受ける必要があります。

 

器質性月経困難症の主な原因

器質性月経困難症の原因となる主な疾患は以下の通りです。

・子宮内膜症

・骨盤内炎症(クラミジア感染など)

・性器奇形

・子宮筋腫

・子宮腺筋症

・子宮内避妊用具(IUD)挿入によるもの

・癒着による牽引痛

・骨盤内出血

参照:日本産科婦人科学会発行 日産婦誌59巻9号(2007年9月)

 

月経困難症の対処方法

月経困難症の治療および対処法には3つのパターンがあります。

ではその3つのパターンを整理して具体的にみていきましょう。

 

機能性月経困難症の対処方法①;生活習慣の改善

まず、機能性月経困難症の症状を和らげるための対処方法に「生活習慣の改善」があります。

これは自分自身でできる方法ですね。

不規則な生活や食生活の乱れによってホルモンバランスも乱れることで、生理周期がズレたり、生理の症状が悪化したりします。

また、環境の変化や対人関係等のストレス、疲労もまたそれらの乱れにつながります。

自分の日々の生活を見直して、改善できる点を改善するだけで症状が軽くなることもあります。

生理のときはもちろんのこと、普段からストレスを溜め過ぎず、たとえストレスを感じたとしても自分にあった解消法を探してストレスをためない工夫が必要です。

のんびりと音楽や映画鑑賞などをすることで解消できることもありますし、逆に思いっきり運動して汗を流すことでストレス解消になることもあります。

自分に合った方法を見つけ、定期的に時間を作ってあげましょう。

さらに、基本的なことですが、必要な栄養素をバランスよく食事で取り入れたり、十分な睡眠(休養)をとったりすることも症状の軽減に大きな役割を果たすと思います。

 

機能性月経困難症の対処方法②;薬物療法

機能性月経困難症の対処方法として薬物療法があります。

この療法には主に鎮痛薬によって痛みを和らげるという対処法です。

これは通常の生理痛においても、市販の鎮痛薬で一時的に生理痛を和らげている女性は多いと思います。

鎮痛剤のほかには、痛みの原因となるプロスタグランジンの産生を抑える薬や、ピルが用いられることが多いです。

これらの薬は、生理期間よりも前に飲み始めることで効果を得られるもののため、忘れないように服薬する必要があります。

ただし、薬の効能には個人差があり、体質や生活習慣によっては服薬ができない場合もあるため、必ず専門医の指導の元決められた種類と量を服薬するように注意してください。

 

器質性月経困難症の対処方法;病気の治療をする

これまで説明してきた機能性月経困難症とは異なり、器質性月経困難症は何かしらの病気が原因によって引き起こされるもののため、この場合は病気の治療に専念することが最も重要になります。

先に挙げた2つの対処方法とは大きく異なるため、月経困難症だと判断した場合にまずは自分はどちらのタイプの月経困難症なのかを知ることが大事です。

病気の種類によっても治療方法は異なりますので、少しでも異変を感じたら早めの検査を受けることをおすすめします。

 

まとめ

2回にわたって「つらい生理痛の原因」について考えてきました。

ひとことに「生理痛」といっても、その痛みがひどくて日常生活が送れないほどの生理痛を「月経困難症」ということも分かりました。

さらにその「月経困難症」にも種類があり、種類によって対処方法が異なることも明らかになりました。

生理痛の程度と感じ方は人それぞれです。

相手の痛みが分からないからこそ痛みの比較ができず、「痛いと思っているのは自分だけなのではないか?みんなこれを我慢しているのだろう。」と考えたことのある女性は多いのではないのでしょうか?

今回どのような場合が月経困難症と判断されるのかをいくつかの例をご紹介しました。

ぜひ参考にしていただき、決して我慢しすぎずに気になることがあればまずは専門医に相談し、適切な対処をしてきましょう。

 

参考文献:「思春期の女性医学 3)月経困難症」,日産婦誌59巻9号, 日本産科婦人科学会

インテグロ株式会社 アソシエイトディレクター・生理アドバイザー

1990年東京都生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻、博士前期課程修了(研究分野:体育史スポーツ人類学)。在学中、カンボジアにてスポーツ指導や小学校体育科教育の普及にも従事。

3歳から水泳を始め、高校3年時に全国高校総体400m個人メドレー第3位。約18年間の競技生活を経て引退後、競泳選手として生理と向き合ってきた経験と、途上国生活で満足する生理用品に出会えず苦労した経験から、生理について他者と情報共有することや、生理用品の重要性を感じました。そして生理カップとの出会いをきっかけに、女性がより快適で自由に過ごせるように、そして分野問わず国内外でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになりました。日本ではまだまだタブーとされている生理や女性の体についてもっとオープンに話せるような環境をつくっていきたいです。

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