月経カップは何歳から使えるの?

2020.02.01

「月経カップは何歳から使えるの?」

これは娘をもつお母さんからよく聞かれる質問です。

その答えは、「はじめての生理がきたときから」です!

欧米では10代の女の子たちが月経カップを使うのは珍しくなく、最近は日本でも徐々に中高生が月経カップを使いはじめています。

しかし、ショーツにペタッと貼るだけのナプキンと違って、月経カップは腟に挿入したり取り出したりする必要があるので、親として心配や不安に思うことがあるのは当然です。

そこで今回は、10代の娘が月経カップを使うことについて、よくある疑問や質問にお答えします。

月経カップ(月経カップ)

月経カップを挿入すると、処女膜がやぶれるのでは?

「処女膜」と聞くと、腟の入り口を塞ぐように張っている膜をイメージする人が多いのではないでしょうか。

筆者もその一人でした。

しかし、実際の処女膜は、腟口を部分的におおう、薄いひだ状の膜のことで、膜といっても、中央部に指1本分くらいの穴が空いているため、腟を完全に塞いでいるわけではありません。

ほとんどの女性が、若いときに処女膜を持っているといわれていますが、その形状には個人差があり、薄くてやわらかい人、厚くてかたい人、一部分にしかない人、そしてごく稀にふさがっている人などさまざまです。

さらに、スポーツなどで激しく体を動かしたり、タンポンを使用したり、指を挿入したりすることで、処女膜は簡単にやぶれることがあり、自分の処女膜を、正確に確認するのは難しいともいわれています。

そのため、必ずしも月経カップを挿入ことによって処女膜がやぶれるとはいえないのです。

また、処女膜は通常、伸び縮みをする部分なので、月経カップを挿入するときにひだが十分に伸び広がれば出血することはなく、もし挿入のときに処女膜がやぶれたとしても、腟が十分にうるおっていれば、痛みや出血がない場合もあります。

 

月経カップを使うと処女(バージン)ではなくなるの?

答えは「ノー」です。

先ほど説明したとおり、月経カップを使ったからといって必ずしも処女膜がやぶれるわけではありません。

したがって、月経カップを使っているかどうかで、その人が処女かどうかを判断することはできないですよね。

処女膜の形状には個人差があり、元から一部分がない人もいることや、スポーツやタンポンの使用などによって簡単に破れる可能性があることからも、処女膜の有無が処女の証明ではないといわれています。

また、実は、処女については医学的な定義がないそうです。

「処女」とは、「セックスをしたことがない人」のことをさし、その人が処女であるかどうかは、本人だけが知っていることです。

一般的に昔から存在する“処女を失う”という概念のなかには、その主導権を握るのが女性ではなく男性であるということを意味していると感じます。

「処女ではなくなる=はじめてセックスをする」という行動は、自分の意志で行うべき。

だからこそ、私たち女性も処女であることに対しての考え方を変えていかなくてはいけないと思っています。

なぜなら、処女は、決して誰かに“奪われる”ものではないからです。

月経カップは10代でも使えるの?

月経カップを使うと腟がゆるくなってしまうのでは?

私たちの腟は、伸縮性のある筋肉で構成されているため、月経カップを使うだけで、腟が伸びてゆるくなることはありません。

腟は、生理周期に合わせておりものや経血が流れる道になったり、出産のときに赤ちゃんが通る産道になったり、セックスのときに男性器を迎え入れる場所になったりと、「子宮口と腟口をむすぶ道」として、さまざまな働きをしています。

腟は場面に応じて、私たちが思っている以上に、伸縮自在に動いているのです。

そのため、ピンポン玉くらいの大きさの月経カップを出し入れしただけで、腟が伸びてゆるくなるということは、とても考えにくいです。

 

月経カップは10代の未成熟な体でも使えるの?

月経カップは少しずつ慣らしていけば、10代でも快適に使うことができます。

成熟途中の腟は、筋肉がかたい傾向にあるので、慣れるまでには少し忍耐力がいるかもしれません。

練習期間を少しでも短くするためには、月経カップを使う前に、自分の体のしくみについて知ることをおすすめします。

女性器の形や、各部位の位置関係、それぞれの特徴などについて理解したうえで、実際の自分の性器を鏡で見てみましょう。

もし、セックスの経験がない場合には、月経カップを挿入する前に、自分の指を腟に挿入することから始めてみましょう。

指は水で濡らしてから挿入するとスムーズです。

まずは指を1本挿入してみて、それができたら次は2本と、段階を踏むことで、月経カップを挿入することへの不安が少し解消されると思います。

日本ではデリケートゾーンを“陰部”と呼び、古くから隠されてきた部分のため、自分の腟を見たり触ったりすることに対して、タブー視する傾向にあります。

「10代の子が腟に指を入れるなんて…。」と思う方もいるかもしれませんが、自分の体のことを知ることは全く悪いことではありません。

むしろ、自分で一度も見たことがない部分を、セックスのときに男性に見られることのほうが不安だと思いませんか?

また、普段から自分の体の正常な状態を知っておくことで、なにか不調があったときにすぐに気づくことができ、病気の予防にもつながります。

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月経カップのサイズは大人と一緒で大丈夫?

月経カップのサイズは、大人と一緒で大丈夫です。

カップのサイズには通常、スモールとラージがあるので、まずは小さめのスモールサイズから試してみましょう。

月経カップを初めて見たときは「こんなに大きいものをどうやって入れるの?」と思うかもしれませんが、折りたためば先端がタンポンくらいの細さになるので、体をリラックスした状態で挿入できれば、痛みや違和感はほぼありません。

月経カップのすべりが悪いと、着脱しづらく、痛みや違和感の原因にもなるので、カップを水で濡らしてから挿入するか、慣れるまでは経血量が多い日に使うことをおすすめします。

本来、月経カップは生理の初日から最終日まで使えるものなので、着脱に慣れてきたら、使う日数を増やしてみましょう。

使い続けるうちに、その日の経血量に合った交換のタイミングや、活用方法が身についてくると思います。

 

10代の中高生のこんなとき月経カップがおすすめ

10代の中高生の生活は、学校、プールや体育の授業、部活動、マラソン大会など、大人以上に活動的です。

こんなとき、月経カップがあれば安心です。

学校でなかなかトイレに行けないとき

授業中はトイレに行きづらくて、休み時間も短くて、こまめに生理用品を取り替えられないことに悩む中高生は多いです。

取り替える必要がないように、夜用のナプキンを日中ずっとつけっぱなしにしているケースも珍しくないようです。

同じ生理用品を長時間つけていると、漏れが不安だったり、デリケートゾーンが蒸れてにおいが気になったり、もちろん、衛生的にもよくないですよね。

月経カップであれば、ナプキンやタンポンに比べて容量が3〜4倍近くあるので、長時間トイレにいけない場面でも漏れにくく、さらに経血を腟内でキャッチするのでデリケートゾーンも蒸れにくく気持ちよく過ごすことができます。

さらに、経血が空気に触れる時間がほとんどないことから、経血が酸化しないため雑菌も繁殖しづらく、いやなにおいも気になりません。

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10代の中高生の生理

プールや体育の授業、部活動

生理中は、プールの授業を休んだり、経血漏れが心配で体育や部活への参加をあきらめたり、参加できても集中できない場面が多くあると思います。

しかし、月経カップは装着したまま水の中に入っても問題ないですし、陸上競技などで飛んだり跳ねたり下半身を激しく動かしても、ナプキンのようにずれることもないので、安心して思い切り動くことができます。

一方で、スポーツだけでなく、吹奏楽部、美術部、演劇部など長時間立ったり座ったりすることが多い部活でも、月経カップは活躍すると思います。

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林間学校、修学旅行、合宿などの宿泊行事

10代には、林間学校や修学旅行、合宿など、年間を通じてさまざまな宿泊を伴う行事がありますよね。

そんなときに生理が重なったら、「宿泊先の寝具を汚したらどうしよう。」「みんなとお風呂に入れない。」「生理用品は何個必要?」など、心配ごとがたくさん出てきて、せっかくの行事も楽しめないかもしれません。

でも、月経カップがあれば、装着したままお風呂にも入れるし、寝ているときの経血漏れも気にならず、友達と楽しい思い出を作ることができるでしょう。

さらに、ナプキンのように荷物がかさばらないのもうれしいですよね。

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学校で生理用品を交換するとき

生理用品が入ったポーチなどを持ってトイレに行くことや、ナプキンを開けるときに出るカサカサ音によって、周りに生理中だと知られてしまうのが恥ずかしいと感じる中高生も多いはず。

筆者も、中高時代は制服のブレザーのすそにナプキンを入れたり、カバンからポケットにササッと超高速でナプキンを移動させたりして、生理中であることを隠そうと必死でした。(笑)

その点、月経カップは繰り返し使えるため、学校で生理用品を持ち歩く必要がなく、交換するときも音が出ないので、人の目が全く気にならないのもうれしいポイントだと思います。

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月経カップは何歳から使えるの?

生理用品の新しい選択肢として

今回は、月経カップを10代の中高生が使うときのよくある疑問や質問についてお答えしました。

月経カップはあくまでも生理用品の選択肢のひとつです。

本人が使いたいと思わなければナプキンやタンポンを選ぶことができますし、カップにトライしてみたけど、どうしてもうまく使えなかった場合には、これまでの生理用品に戻せばOK。

そして、将来また使いたいなと思ったときにトライすればよいのです。

10代の中高生に伝えたいことは、「生理用品には選択肢があり、そのひとつに月経カップというものもあるよ」ということです。

これまでの生理用品といえばナプキンかタンポンか、という選択肢しかありませんでしたが、最近では月経カップや経血を吸収する吸収型サニタリーショーツもあらたに選択肢に加わりました。

まだ月経カップは不安という場合には、吸収型ショーツを使うだけでも、生理中の漏れの不安が解消するので、ぜひ使ってみてほしいです。

母から、「今の人たちは、選択肢が多くていいわね。本当にうらやましい。」と言われます。

自分の意思で生理用品を選び、その日の経血量や場面によって使い分けることができる私たちはラッキーです。

そう考えると、今まで憂うつでしかなかった生理が、少しでも楽しく過ごせそうな気がしませんか?

 

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はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと①:月経カップの特徴や構造を理解する

はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと②:自分の体のしくみを理解する

はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと③:腟の外で行うイメージトレーニング

娘にはじめての生理がくる前に、親としてできる準備と心構え

インテグロ株式会社  生理ケア&月経カップアドバイザー

1990年東京生まれ。筑波大学体育専門学群 卒業、中高保健体育教員免許取得。筑波大学人間総合科学研究科体育学専攻 博士前期課程 修了。

小さいときから身体を動かすことが好き。3歳から水泳を始め、約18年間競泳選手として活躍。大学院在学中は、スポーツを通じた国際協力としてNGOにてカンボジアの小学校の体育科教育の普及に携わる。また、日本では小学生から大人までの幅広い年齢層に水泳の指導を行う。

2017年月経カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わり、月経カップを通じて女性がより快適で自由に過ごせるように、社会や家庭でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになる。世界中の数十種類もの月経カップを試してきた経験から、月経カップの選び方や使い方、経血量やライフスタイルに合わせた生理ケアについて、アドバイスを行ったり、ワークショップを開催したりしている。

現在、女性の体や性教育、妊娠・出産・子育てについてより専門的な知識を身につけるため、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会(代表理事:丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄先生)主催「これだけは知っておきたい」講座修了。