生理の乱れ 原因は甲状腺の異常かも?!

2018.06.26

女性が生きていく上で、長い間付き合っていかなければならない生理。

しかし必ずしも全員が安定した周期・経血量で生理期間を過ごしているとは限りません。

生理不順・過多月経・過少月経・無月経・・・etc生理のトラブルはさまざまで、このブログでも複数回に渡ってご紹介してきました。

トラブルの原因としてはストレスや環境の変化、生活習慣、食生活などが挙げられますが、一方で子宮系の病気を患っている可能性もあることを示唆しましたが、今回はそれら以外に考えられる生理トラブルの原因を探っていきます。

 

身体のさまざまな作用をコントロールする甲状腺

甲状腺とは具体的には何か知っていますか?

「よく耳にはするけど具体的にはわからない!」という方が多いのではないでしょうか?

甲状腺は喉の前面、付け根にある蝶々のような形をした内分泌腺です。

女性の甲状腺

小さい腺ですが、ここで2種類のホルモンが作られています。

では具体的にどのような働きをしているのかを具体的にみていきましょう。

 

甲状腺ホルモンの働きとは

甲状腺で作られるホルモンは全身の活性化を促進させるホルモンで、私たちの身体に多くの影響を与えます。

以下は甲状腺ホルモンの主な働きです。

 

①心臓への作用;心臓の収縮力を強くしたり、心拍数の上昇に影響します。

②骨格筋への作用;筋肉の維持や強化を促進します。

③基礎代謝の維持;酸素を消費するのを活性化させます。

④糖や脂質の代謝;糖の吸収を促進したり、血糖値を上昇させたりします。さらに血中脂質を減らす働きもします。

⑤神経への作用;思考を活性化させたり、脳や刺激感受性を促進します。

⑥発育・成熟作用;全身の発育や成長、成熟を促進します。

 

このように、甲状腺ホルモンはエネルギーや体温、心臓や脳などのさまざまな部分に作用し、身体全体をコントロールしています。

普通に生活しているとあまり気にならない又は、気にして過ごすことはないところだと思いますが、異常がみられると身体に多くの支障をきたすので無視することはできません。

 

甲状腺がうまく機能しないとどうなるの?

では、甲状腺がうまく機能しなくるとどうなるのでしょうか?

まず、ホルモンが過剰に生成されると「甲状腺機能亢進症」という全身の代謝が活発になりすぎる病気になります。

一方、ホルモンが十分に分泌されないと「甲状腺機能低下症」という全身の代謝や臓器の働きが弱る病気になります。

ではこの2つの病気の具体的な症状をみてみましょう。

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に生成されて全身の代謝が活発になりすぎるのを甲状腺機能亢進症といい、その代表的な病気が「バセドウ病」です。

最近では歌手の絢香さんや、競泳元日本代表でオリンピックメダリストの星奈津美さんが患った病気として話題になりました。

主な身体症状としては、脈が速くなったり、手が震えたりして、発汗や体重の減少、疲れやすいなどの症状もあります。

精神的な症状としてはイライラするそうです。

自覚症状に「大量の汗をかく」「のぼせる」「動悸息切れ」「皮膚がかゆい」「イライラする」などが当てはまると、バセドウ病の可能性が高いといえます。

 

甲状腺機能低下症

一方で、甲状腺ホルモンの分泌が十分にされず、代謝や臓器の働きが弱ってしまうのを甲状腺機能低下症をいい、その代表的な病気が「橋本病」です。

主な身体症状としては、寒がりになったりむくみやすくなったりして、便秘や声がかすれるなどの症状も出ます。

精神的な症状としては記憶力の低下や無気力などがあらわれ、動作がゆっくりなることもあるそうです。

そのほかの自覚症状に「髪の毛が抜けやすい」「肌がカサカサ」「疲れやすい」などが当てはまると、橋本病の可能性が高いでしょう。

 

2つの病気の自覚症状には「生理不順」という共通の症状がある!!!

バセドウ病と橋本病、甲状腺ホルモンが多すぎるのと不足しているのとで、原因も症状も真逆であることは前項で明らかになりました。

しかし、この異なる2つの病気にはある共通する自覚症状がありました。

それは「生理が乱れる」という点です。

具体的にどういうことなのか、ご説明します。

 

甲状腺機能の異常が生理を乱す

生理はホルモンの影響を強く受けます。

そのため、ホルモンを生成する甲状腺に異常があると生理は乱れます。

これはホルモンが多い場合でも、不足している場合でも同じことが言えるため、どちらの病気でも「生理不順」「経血量が少ない・多い」などの症状があらわれます。

症状のあらわれ方については

・生理周期が長くなる又は短くなる

・経血量が多くなる又は少なくなる

など、人によっていろいろな形であらわれるため、コレ!と断定できる症状はありません。

しかし、少しでも生理に異常がある場合は甲状腺機能の異常を疑う必要もあるかもしれませんし、問診でも必ずと言っていいほど生理に関することは聞かれます。

逆に、調子が悪くても生理の周期が安定していいて経血量も普通であれば、甲状腺の異常が原因とは考えにくいでしょう。

 

甲状腺が正常でないと起こる身体症状まとめ

甲状腺

過去の記事では、生理はストレスや環境の変化、生活習慣や食生活、子宮系疾患などにより周期や経血量が大きく変化することを複数回にわたって解説してきました。

しかし今回は初めて「甲状腺機能」に注目し、生理のトラブルについて明らかにしました。

ただ単に生理に異常があるから甲状腺機能にも異常があると判断するのではなく、他の自覚症状に加えて生理に異常がある場合は甲状腺機能の異常を疑い、診察してもらう必要があるかもしれません。

 

そこで再度、甲状腺が正常に働いてない場合に起こる身体症状を以下にまとめたので参考にしてみてください。

(※前者が甲状腺機能亢進症、後者が甲状腺機能低下症の症状です。)

・エネルギーのトラブル;代謝が1日中高い状態/なにもする気が起きない

・肌トラブル;肌のターンオーバーが早まって肌が薄くなる/肌のターンオーバーが遅くなってガサつく

・体重の変動;かなりの減少がみられる(食欲が増進して増えることもある)/どちらかというと減少傾向

・感情の状態;不安や過敏になる傾向/うつ病や引きこもりモードになりやすい

・生理が乱れる;ホルモンが過剰でも低下でも同じように影響し、生理周期が乱れたり(長いor短い)、経血量が変わる(増えるor減る)

・体温調節への影響;代謝が高まって汗をかくor 冷えを感じやすい

・トイレの回数;お腹の動きが早くなってトイレが近くなるorお腹の動きもゆっくりになって便秘になりがち

 

合わせて読んでほしい!生理トラブルに関する記事まとめ

これまで複数回にわたって生理に関するトラブルについて取り上げてきました。

生理が乱れる原因にはさまざまな要因があるため、現に生理が乱れている方はあらゆる可能性を考慮して、気になる症状が続く場合は医師に相談し、大事に至る前に適切な処置を受けるようにしましょう!

参考記事

毎月ちゃんと生理きてる?生理周期と生理期間、経血量について考えてみよう。

毎月ちゃんと生理きてる?スポーツと生理にまつわる話。〜前編〜

毎月ちゃんと生理きてる?スポーツと生理にまつわる話。〜後編〜

生理の出血量が多い「過多月経」とは。気になる原因や対処法は?

もしかしたら過多月経かも?! 自分の経血量を知る方法

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ひどい生理痛はなぜ起こるのか?

生理痛がひどい!それってもしかしたら月経困難症かも。

つらいのは生理痛だけじゃない!排卵痛ってなに!?

 

まとめ

今回は少し視点を変えて、甲状腺機能の異常が原因による生理のトラブルについてみてきました。

さまざまなホルモンが存在しますが、女性がホルモンの影響を最も受けるのは生理だと思います。

冷えを感じたり、便秘になりやすかったり、気分が落ち込みやすかったりなど、特に甲状腺機能低下症は生理前に起こる不快症状とよく似ていますよね。

これらの症状が長期間続いている場合や、逆の症状が続く場合、加えて生理の乱れがある場合は子宮系疾患ではなく甲状腺機能の異常が原因かもしれません。

「生理はつらくて当たり前」ではありません。

生理の乱れはホルモンの問題の有無を判断する最も身近な指標だと思います。

ぜひ自身の生活や生理周期を振り返り、適切な判断、対応をして少しでも快適に日々の生活を過ごしましょう!

 

インテグロ株式会社 アソシエイトディレクター・生理アドバイザー

1990年東京都生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻、博士前期課程修了(研究分野:体育史スポーツ人類学)。在学中、カンボジアにてスポーツ指導や小学校体育科教育の普及にも従事。

3歳から水泳を始め、高校3年時に全国高校総体400m個人メドレー第3位。約18年間の競技生活を経て引退後、競泳選手として生理と向き合ってきた経験と、途上国生活で満足する生理用品に出会えず苦労した経験から、生理について他者と情報共有することや、生理用品の重要性を感じました。そして生理カップとの出会いをきっかけに、女性がより快適で自由に過ごせるように、そして分野問わず国内外でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになりました。日本ではまだまだタブーとされている生理や女性の体についてもっとオープンに話せるような環境をつくっていきたいです。

・愛用の生理カップ:スーパージェニーのスモール(ブルー)

・愛用のサニタリーショーツ :ステインフリーのビキニ(ピンクドッツ)