【研究成果のお知らせ】 日本初!月経カップで月経血量を測定した研究結果を公開しました

2024年4月19日〜21日にパシフィコ横浜で開催された「第76回日本産科婦人科学会学術講演会」にて、香川大学医学部周産期学婦人科学の鶴田智彦准教授が、日本で初めて月経カップを用いて月経血量を実測した研究結果を発表しました。

この研究は、インテグロとの共同により、2023年3月〜7月にかけて実施されたもので、現代女性の経血量の実態を、これまでにない方法で“見える化”した日本初の試みです。

産婦人科学会にて香川大学産婦人科の鶴田智彦先生が月経量測定の研究結果を発表

■ なぜこの研究が必要だったのか?

日本産婦人科医会では、正常な経血量は20〜140gとされ、それ以上を「過多月経」と定義しています。しかし、この基準は30年以上前のデータに基づいたおり、使用済みナプキンを目安に推定する方法が一般的でした。

さらに、経血量の評価は「少なめ/ふつう/多め」といった主観的な自己申告に頼る傾向が強く、異常を見逃すリスクがあることも指摘されてきました。

こうした背景から、香川大学医学部周産期学婦人科学の鶴田智彦准教授は、「月経カップを使えば、経血量をより正確に測定できるのでは」と考え、インテグロとともに本研究を立ち上げました。

■ “想い”がつながって始まった研究

ある日、インテグロ代表 神林美帆のもとに、香川大学の鶴田先生から1本の電話が届きました。

「月経カップを使って、現代女性の経血量を正確に測定する研究を一緒にやりませんか?」

医師として、そして研究者として、女性の健康にもっと貢献したいという鶴田先生の想いと、日々ユーザーの声に耳を傾け、“女性に寄り添うこと”を大切にしてきたインテグロの姿勢が重なり、この研究が動き出しました。

■多くの月経カップユーザーの協力により実現

SNSやメールで研究への協力を呼びかけたところ、わずか1日で150名以上が応募。「自分の体をもっと理解したい!」「女性の健康に貢献したい!」という気持ちで参加を希望してくれたことを知り、胸が熱くなりました。

最終的に、条件を満たした70名の方に参加いただきました。生理3サイクルを月経カップのみで過ごし、カップを取り出すたびに経血を正確に測定・記録するという、非常に手間のかかる作業を丁寧に行ってくださいました。

この研究はまさに、ひとり一人のユーザーの努力と想いによって実現したものです。あらためて、心より感謝を申し上げます。

■ 研究の概要

  • 実施期間:2023年3月〜7月
  • 実施者:香川大学医学部周産期学婦人科学 准教授 鶴田智彦先生
  • 対象:18〜49歳の女性
  • 協力:インテグロの月経カップユーザー70名(150名の応募から選定)
  • 使用製品:インテグロが取り扱うディーバカップ、エヴァカップ、スーパージェニーのいずれかを使用
  • 方法:3サイクルの月経期間中、月経カップにたまった経血を電子はかりで測定し、専用フォームに記録
月経カップを用いて月経血量を測定

■ 主な研究結果とその意義

  • 月経1サイクルの平均経血量は98.4g、中央値は82.3g
  • 年代による経血量の大きな差は見られませんでした
  • 経血量の自己申告と実測値に大きな乖離 があり、「ふつう」と答えた人の約2割が実際には過多月経レベルでした
月経カップを用いた月経血量の測定の研究結果
自覚する月経血量と実際の量には相違がある

この結果は、経血量の把握がいかに難しいか、そして、婦人科疾患を見逃すリスクがあることを示唆しています。だからこそ、経血量を”見える化”することの重要性が、あらためて明らかになりました。

■ 研究からアプリ「Oh My Flow」が誕生

この研究結果を受けて、インテグロは経血量を正確かつ手軽に記録できるアプリ『Oh My Flow』を開発・リリースしました。

アプリでは、月経カップにたまった経血の量だけでなく、その色や粘度、さらに体調・気分・症状まで記録できます。日々の変化を”見える化”することで、女性自身による健康管理や、必要に応じた医療への橋渡しをサポートします。

■インテグロからのメッセージ

私たちは、月経や体調の変化を正しく知ることが、よりよいセルフケアや病気の予防・早期発見につながると信じています。見えにくかった生理を見える化し、女性がもっと快適に、自分らしく過ごせるよう、これからもその取り組みを続けてまいります。

■ 掲載情報

掲載文献:『月経カップを用いた現代日本人女性の月経血重量に関する前向き観察研究―研究結果からみえた「フェムテック」が革新する未来の医療と課題―』
鶴田智彦(香川大学医学部周産期学婦人科学 准教授)ほか
掲載誌:『産婦人科の実際』73巻12号(2024年11月1日発行)
掲載ページ:pp.1575–1583

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また、本研究は日本女性医学学会の学会誌にも論文採用が決定しており、現在掲載準備中です。