静岡県消防長会主催のヘルスケア(生理)研修を実施しました

インテグロでは、2025年11月4日(火)、静岡県消防長会主催で消防職員向けの「ヘルスケア(生理)研修」を実施しました。

本研修は、消防職員が性別を問わず健康に働ける職場づくりを進めることを目的に開催されたもので、県内各地の消防本部から約130名が参加しました。参加者の約85%が男性で、現場の指揮・管理を担う40〜50代を中心に、幅広い世代の方々が熱心に耳を傾けてくださいました。

研修の背景

総務省消防庁では、全国の消防本部における女性史員の割合を5%に引き上げる目標を掲げ、各消防本部で女性の採用や活躍推進が進められています。

静岡県内でも女性職員が少しずつ増えてきている一方で、災害対応などの厳しい環境において、女性特有の健康課題にどう配慮するかが課題となっています。

研修に先立って行った事前アンケートでは、男性職員からは「どう配慮すべきかわからない」、女性職員からは「理解されないのではと不安」といった声が寄せられ、知識不足とコミュニケーションのすれ違いが浮き彫りになりました。

そこで今回の研修は、生理への理解を深めることで、男女ともに働きやすい職場づくりを目指すことを目的に実施されました。

静岡県の消防局職員向けに生理研修を開催

研修の様子

研修では、「生理の基礎知識」「職場における生理の困りごと」「女性自身ができるセルフケア」「職場環境の改善のためにできること」などをテーマに、具体的な事例を交えながらお話ししました。

生理研修の講師が消防職員向けに講義を行う

生理用品の実物を紹介する場面では、男性職員も積極的に月経カップや吸水ショーツなどの新しい生理用品も手に取り、「職場の貸与品にしてはどうか」「妻や娘にも教えたい」といった声もあがりました。

生理研修にて生理用品の実物を手に取る参加者たち

後半のグループワークでは、学んだ知識をもとに、「職場でできるアクション」や「女性隊員が安心して働くための工夫」について活発な議論が交わされ、トイレや休憩環境の整備、体調確認の仕組みづくり、声をかけやすい雰囲気づくりなど、現場ならではの具体的なアイデアが数多く挙がりました。

消防職員向け生理研修のグループワークで議論する参加者たち

研修後のアンケート結果

■ 主な結果

生理に関する理解度が深まった:99%(「とても深まった」64.7%、「ある程度深まった」34.3%)

職場環境の改善を考えるきっかけになった:100%(「とてもそう思う」52%、「そう思う」48%)

研修内容の理解しやすさ:99%(「とても理解しやすかった」62.7%、「理解しやすかった」36.3%)

■ 参加者の声

「生理について初めて具体的に理解できました。今後の声かけや配慮に活かしたいです。」

「職場全体で受ける価値があると感じたので、このような研修を継続的に開催してほしいです。」

「女性職員から日頃感じていることを直接聞く時間が貴重でした。今後も対話の場を設けていきたいです。」

「妻や娘とも今日の内容を話し合いたいです。」

研修を通して、これまで話題にしづらかったテーマについて職場で対話が生まれ、知識の習得が行動や意識の変化につながっていることがうかがえました。こうした変化が、男女問わず誰もが働きやすい職場づくりへの第一歩となっています。

消防職員向け生理研修にてグループワークで活発に議論する参加者たち

静岡県消防長会 事務局長 望月浩行様のコメント

静岡県消防長会事務局長 望月浩行様

消防業務の特性上、長時間の災害対応や重装備となる防火服の着装等で女性職員が直面する課題について、職場全体での理解とサポート体制の意識醸成を図っていきたいとの思いから、静岡県内16消防本部の消防長(市町等が設置している消防本部の最高責任者)の総意で本日の研修会を開催しました。

研修資料は、県内の消防職員約4,700人を対象とする事前アンケートの結果を踏まえて作成されており、研修参加者のニーズに沿って、的確に進められたことから、受講者の理解度が深まり、課題意識を高める機会になったと感じています。

今後もこのような研修を通じて、男女ともに働きやすい職場の構築に向けて、組織全体の職場環境の向上につなげていきたいと考えています。

インテグロ株式会社 代表 神林美帆のコメント

みなさんが正しい知識を持つことで、グループワークでの議論が活発に行われる様子を見て、本当にうれしく思いました。
あらためて、知識を持つことの重要性、そして教育の必要性を実感しました。

そもそも「人を助けたい」という思いをもってこの仕事をされている方々だからこそ、正しい知識を得ることで、女性の健康に配慮した行動や職場改善の発想が自然に生まれてくるのだろうと感じました。

多くの職場で、女性の健康課題に適した配慮や仕組みづくりができないといわれるのは、単にそのような機会や知識がないからであり、それは当然のことかもしれません。

知識を持つことが、誰もが自分らしくいきいきと活躍できる社会への第一歩です。
今回のような取り組みが、全国のあらゆる組織に広がっていくことを願っています。

生理研修をご希望の自治体・企業のみなさまへ

今回の研修は、男性が多い職場において生理への理解を深める取り組みとして注目され、
朝日新聞(11月5日掲載済)、静岡新聞(掲載予定)、テレビ静岡(放映予定)などのメディアからも取材を受けました。

インテグロでは、企業・自治体・教育機関などを対象に、「生理」「更年期」など女性の健康課題をテーマにした研修や講演を実施しています。現場の課題や組織の状況に合わせた内容でのカスタマイズも可能です。

生理研修の講師派遣について

消防局職員向け生理研修について

研修の導入を検討される企業、自治体、組織のみなさまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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インテグロ株式会社

メール info@integro.jp