生理前にうつやイライラが強い…PMDDって知ってる?

2020.05.29

PMS(月経前症候群)に悩んでいませんか?

だるい、むくむ、眠い、うつっぽい、イライラする、吹き出物が出る、肌が荒れる、胸が張って痛い…など、生理開始の約10日前~3日前から始まる心と体の不調で、生理開始とともに消失するのがPMS。

ところが、PMSのうち、約5%の人がPMDD(月経前不快気分障害)と言われていて、心の症状がつらいという人はその可能性があります。

今回は、生理前にうつやイライラが強い、PMDDについてお伝えします。

文/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

 

メンタルの不調が強ければPMDDかも!

PMDDは、PMSに比べて、日常生活に支障をきたすようなメンタル症状が強いというのが特徴です。  

PMDDとは、「月経前不快気分障害(Premenstrual dysphoric disorder)」のことで、PMSに悩む女性の5%程度がPMDDで、精神状態など情動関係の症状が前面に出る重症例が多いと言われています。

強い抑うつや不安感、怒りなどが出てくることもあります。

PMDDの症状もPMSと同様に、生理が始まると3日以内になくなります。

「PMSにしてはメンタル症状がつらい…」という人は、その可能性があります。

 

心の症状をチェックしてみましょう

PMDD(月経前不快気分障害)チェック

PMDDチェックリストを紹介します。

PMDDは治療できるので、可能性があれば我慢せず、婦人科を受診しましょう。

下の1~4に全て当てはまる人は、PMDDの可能性があります。

 

【チェックリスト】

  1. 下記の太字の4つのうち、少なくとも1つに当てはまる。
  2. 下の全ての項目から、5つ以上当てはまる。
  3. 当てはまる項目の大部分は、生理開始後3日以内で消失する。
  4. 下の症状があるとき、日常の活動に支障をきたす。

 

【項目】

⬜︎  気分の変動があって突然悲しくなったり涙もろくなる

⬜︎  イライラや怒りがひどく、人に当たってしまうことがある

⬜︎  抑うつ気分、絶望感、または自己否定してしまう

⬜︎  不安、緊張が強い

⬜︎  仕事や友人、趣味にまったく興味が持てない

⬜︎  集中力が続かない

⬜︎  倦怠感、疲れがあり、気力がない

⬜︎  過食、また特定の食べ物ばかり食べてしまう

⬜︎  寝ても寝ても眠い、あるいは不眠

⬜︎  自分をコントロールできない

⬜︎  生理前、下記の症状のうち少なくとも2つは該当するものがある

(乳房痛、乳房の張り頭痛、関節または筋肉の症状、フワフワした浮遊感、体重増加)

参考: PMDD診断基準DSM-Ⅴ

 

PMSの見極めは次のチェックで!

PMDDとPMSの見極めは難しいので、下記の1~4をチェックしてみてください。

生理前5日間でこのような症状があったら、PMSの可能性が高いです。

 

  1. 過去3か月以上連続して生理前の5日間に、下記の体と心の症状のうち、少なくとも1つ以上の症状がある。
  2. 生理開始後4日以内にその症状が解消し、13日目まで再発しない。
  3. 薬やアルコールによる症状ではない。
  4. これらの症状は仕事や生活に明らかな支障をきたす。

 

【体の症状】

⬜︎  乳房の痛み

⬜︎  おなかの張り、腰痛

⬜︎  頭痛

⬜︎  手足のむくみ

【心の症状】

⬜︎  抑うつ気分

⬜︎  怒りっぽくなる

⬜︎  イライラ

⬜︎  不安

⬜︎  混乱

⬜︎  引きこもり

 

前項のPMDDチェックと比べて、どちらが多く当てはまるかを確認してみましょう。

多くチェックがついたほうが、今の状態に近いと考えられます。

どちらも治療できるので、婦人科を受診して相談してみてください。

参考: 生理のミカタ/「PMS生理前の不調 PMS /PMDD

 

症状は、人によって月によって、変わる

生理(月経)前3~10日間に続く精神的、身体的症状で生理開始とともに減弱するか、消失する症状は、イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂うつの順に多いと言われています。※

PMDDやPMSは、ストレスや疲労の蓄積で症状が強くなります。

女性ホルモンの変動は、毎月女性に起こることなのに、症状が強い人や月によってつらい月があるなど、バラつきがあります。

ストレスや緊張、疲労が蓄積されると、症状が強く表れやすくなるのです。

特に、仕事で無理が重なったり、人間関係でストレスがあると、不調が強く出ることがあります。

※日本産科婦人科学会編 産婦人科用語集(2008年改23訂版)より

 

PMDDやPMSは治療で改善可能!

婦人科では、医師の問診やチェックリストで診断します。

治療法は、低用量ピル(OC)、漢方薬、鎮痛剤、安定剤など、症状によってお薬を処方してもらえます。

また、PMDDの症状が強い場合は、SSRI(セロトニン選択的取り込み阻害剤)などの軽い抗うつ剤を使うこともあります。

カウンセリングも有効です。

日常生活では、規則的な生活、睡眠、軽い運動、バランスのとれた食事に気をつけることも大事です。

煙草はやめましょう。

特に食事は、野菜などの食物繊維を積極的に摂って、カフェインのあるコーヒーや飲み物、糖質、アルコールを減らすようにしましょう。

リラックスして過ごす時間をとって、仕事を減らすことも対策になります。

 

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女性医療ジャーナリスト

エビデンスに基づいた健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌『婦人画報』『GINGER』『美的』ほか、女性WEBマガジン『MY LOHAS』『Web GINGER』『女子カレLOVABLE』『@cosme A-beauty』ほかでヘルスケアや女性医療の連載を行う。テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんやがん検診の啓発活動を行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。

NPO法人「みんなの漢方®」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事長、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、「マンマチアー委員会 ~乳房の健康を応援する会」主宰、「日本女性ウェルビーイング学会」副代表、一般社団法人「ウイメンズヘルスリテラシー協会」理事、NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員