気になる妊娠中・産後の尿もれ。原因とおすすめの対策は?
2018.10.04待望の赤ちゃんとの生活は最高にハッピーなはずなのに、とにかく疲れてボロボロ・・・。
夜泣きで自分のペースで眠れなかったり、慣れないことの連続で、今までのようにキレイを維持することも難しくて鏡に写る自分の体や顔を見ると落ち込んだり、泣きたくなったり・・・。
そんなときに経験する産後の尿もれ。
これって自分だけ??
いいえ、妊娠中や産後に軽い尿もれを経験することは決して珍しいことではありません。
でも、「認めたくない」「恥ずかしい」という気持ちがあって、人には言いにくくて誰にも相談できず、ひとりで悩んでいる人も多いかもしれません。
今回は、多くの女性が経験をする「妊娠中・産後の尿もれ」に注目し、その原因と対策についてご紹介します。
産後に尿もれの経験する人は65%以上
尿もれは、特に年齢が若ければ若いほど「なんで私が?」「この年で?」とショックを受けやすいデリケートな問題で、なかなか人に相談することができないですよね。
最近久しぶりに会った筆者の友人もそのひとりでした。
彼女は、2度の妊娠・出産を経験しているのですが、妊娠中、ふとした時に軽い尿もれをするようになったそうです。
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて腹部が圧迫され、ちょっと力が入った時に尿もれをするようになり、出産後は子どもと遊んでいて少し跳ねた瞬間などに尿もれしてしまうことがあるようです。
彼女は、「もしかしたら自分だけなのかもしれない・・・」と自分自身の体の変化にショックを受け、誰にも言えずにひとりでずっと悩んでいたと話していました。
尿もれというと、中高年に起こるような印象を持ちますが、産婦人科医の対馬ルリ子先生監修の調査によると、出産を経験した人の約65%が尿もれを経験しており、そのうち出産がきっかけで尿もれになった人は84%だそうです。また、そのうちの約30%は、妊娠中から産後の現在も尿もれが続いていると回答しています。(インターネットリサーチ「産後ケアに関する意識調査」2012年11月20日〜11月21日)
このように、実は若い女性でも尿もれは起こりますし、決して特別なことではないのです。
妊娠中・産後の尿もれの原因とは?
尿もれには大きく分けて「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の2種類があります。
「切迫性尿失禁」は、突然強い尿意に襲われ、トイレに行くまでにがまんできずもらしてしまう症状。
一方、「腹圧性尿失禁」は、せきやくしゃみをしたとき、笑ったとき、重い荷物を持ったり走ったりしたときなど、お腹に力が入ったときに少量の尿がもれてしまう症状です。
腹圧性尿失禁の9割が出産経験者だと言われ、女性の尿もれではもっとも多く見られます。
これは病気が原因で起こるものではなく、多くが加齢や妊娠・出産を経験し骨盤底筋の力が落ちて、尿道を締める力が弱くなったことが原因です。
妊娠中は子宮が大きくなることによって子宮が膀胱を圧迫し、尿もれが起こりやすくなります。
産後の尿もれは、分娩時に骨盤底に負担がかかることが大きな要因です。
骨盤底とは、骨盤の底にあり、子宮や膀胱、直腸などの腹部臓器を支えている部分で、筋肉や繊維組織でできています。
この骨盤底がゆるむと尿道の締まりが悪くなって尿もれにつながってしまうのです。
多くの女性は徐々に回復します。
出産後、1年たっても尿もれが続いている人は年齢を重ねるにつれて重症化しやすいことがわかっていますので、早めに泌尿器科を受診されるとよいでしょう。
骨盤底筋トレーニングが効果的
尿もれは命に関わることではありませんが、下着の汚れ、洋服への染み込み、不快感や臭いなどに加えて、気持ちの面での衝撃や落ち込みにもつながり、女性にとって大きな悩みですよね。
実際、尿もれがあることによって、激しい運動は控えるようになったり、咳やくしゃみに敏感になったり、飲み物を控えるようになるなど、日々の行動の制限をするようになったという女性が約半数を占めていることがわかっています。(エリエール2015年4月8日 30代〜40代の軽失禁に関する調査より)
尿もれが女性のQOL(生活の質)を低下させる大きな要因になることは明らかです。
では、尿もれのケアにはどのような方法があるのでしょうか?
妊娠や出産による尿もれの原因は病気ではなく、骨盤底筋のゆるみによるもののため、薬物療法よりも運動療法によって症状が改善されるケースが多いです。
有効な対策は「骨盤底筋トレーニング」です。
このトレーニングには、骨盤底筋を太くしたり、収縮を強める効果があります。
さらに、筋肉が収縮すると、神経にも動いたという刺激が伝わるので、神経を活性化させる働きもあるといわれています。
自宅でセルフトレーニングもできます。
即効性はありませんが正しい方法を継続することによって骨盤的筋は鍛えられ、その結果、尿もれが改善されます。
もし、正しくトレーニングができているのか不安な場合には、医療機関などで専門家によるアドバイスを受けて継続的にトレーニングを行うことをおすすめします。
尿もれのおすすめの対処法は?
骨盤底筋のトレーニングは効果がすぐに出るものではありませんので、改善するまで尿もれをカバーするおすすめの対策グッズをご紹介します。
対策グッズ① 尿もれ用ナプキン
生理用ナプキンとは別に尿もれ用に作られた専用ナプキンがあります。
製品によって「超微量用」や「中量用」など自分の尿量によって選ぶことができるので、生理用ナプキンを買うときと同じような感覚で購入できるのではないでしょうか。
しかし、「尿もれ専用商品を買うのはなんだか気が引ける…。」「恥ずかしい」などを理由に商品の使用をためらう女性も多いようです。
そのため、メーカーは「尿もれ」や「おむつ」などの言葉を避け、パッケージの色を工夫するなどして初めて尿もれを経験した女性も気軽に購入できる商品開発に力を注いでいるようです。
「超微量ならば生理用ナプキンでも良いのでは?」と思うかもしれませんが、尿もれ用ナプキンは尿特有のアンモニア臭をカバーする素材を使用しているなど、尿もれに特化した素材になっているため、できれば専用のナプキンを使用することをおすすめします。
対策グッズ② 専用ショーツ
尿もれ専用ナプキンと同様に、尿もれ専用のショーツがあります。
衣服への染み込みを防ぐため、吸水布が使用されている機能性の高いショーツですが、多くのものはお世辞にもデザインがおしゃれとは言えません。
尿をカバーするために通常のショーツよりも大きく、オムツのような印象も受けるため、ただでさえ、産後の体の変化や子育ての疲れから気分が落ち込む時期に、下着までおばさんぽいものをはくなんて悲しくなりますよね。
そこで、おすすめするのが、超吸収型の特殊素材を使用しているサニタリーショーツ「エヴァウェア」です。
こちらは、20cc(タンポン約2本分)の経血量を吸収することができる生理用ショーツ として登場し、経血量が多い方やナプキンかぶれで悩んでいる方などを中心に人気のショーツですが、その吸収力から「軽い尿もれ」にも使用できます。
「ダサい」「オムツみたい」などのマイナスイメージが強い従来のサニタリーショーツを覆すシンプルで洗練されたデザインのため、普段用のショーツと同じような感覚で履けるのもうれしいポイントです。
普段のショーツと同じようにスタイルには「ビキニ」や、お腹から腰まですっぽりと吸水素材が覆ってくれる「ブリーフ」など、全部で4つのスタイルがあり、お好きなスタイルを選ぶことができます。
通常のショーツより少し値段は高めですが、エヴァウェアがひとつあれば、生理にも軽い尿もれにも使えるので一石二鳥でかなりお得だと思います。
参考記事:
生理をもっと楽にする。ナプキンいらずのサニタリーショーツを使って、「生理日」を3日に減らす!
さいごに
子育て中のお母さんは毎日の忙しさに追われて、体いの不調をついつい後回しにして放置してしまいがちですよね。
尿もれは、10年、20年後の将来にも影響するため、早めに対応することが必要です。
改善するまでは、尿もれ用ナプキンや専用ショーツを上手に活用しながら、一方でこのような受け身の対策だけでなく、骨盤底筋を鍛えるトレーニングや定期的な運動習慣を身につけて継続することが尿もれの改善には欠かせません。
正しくトレーニングできているか不安な方は、最近は女性専門の泌尿器科もありますので、ぜひ専門医に相談してみましょう。
もし、まだ出産を経験していない人は、将来尿もれが起こらないように、妊娠する前から定期的な運動を習慣づけて骨盤底筋を鍛えておくことをおすすめします。
参考: