月経カップが健康管理に役立つ理由とは?

生理は女性の健康のバロメーターといわれています。

それは、生理痛、月経不順、過多月経、貧血など生理にまつわる不調に、婦人科疾患が潜んでいる可能性があるからです。そのため、私たちは日々の体調管理のなかで、自分の生理を把握することがとても大切です。

現在、生理管理アプリを使用して、生理周期や生理日数を管理している人は多いと思います。でも、経血量はどうでしょうか?経血はナプキンやタンポンに染み込んでしまうため、経血量を正しく把握することは難しいですよね。

そんな課題を解決するアイテムが「月経カップ」です。

月経カップは、生理を快適にするだけでなく、経血の量や色、粘度を直接観察することができ、自分の健康状態を把握できるメリットがあります。

この記事では、月経カップを使用した健康管理の方法をくわしくご紹介します。

そもそも正常な生理とは?

生理の不調に気がつくためには、正常な生理を知って、自分の生理の傾向を把握することが必要です。

日本産婦人科医会では、以下のように定義しています。

正常な生理

  • 生理周期:25〜38日
  • 生理期間:3〜7日
  • 経血量:20〜140ml

しかし、経血はナプキンやタンポンに染み込んでしまうため、正しい経血量を測定することができません。

その結果、自分の経血量を知っている女性はほぼいません。

人と比べることもできないので、自分の経血量が「ふつう」だと思っている人も多いようです。

月経カップを使えば経血量が把握できる

月経カップは、腟のなかで経血を液体のまま溜めるため、取り出したカップの中身を見れば、経血量をひと目で把握することができます。

筆者はカップを使い始めた当初、自分の経血量が確認できることが新鮮で面白くて、取り出すたびに記録してみたところ、「思っていたより少なかった」という発見がありました。

もし、思っていたよりも実際の経血量が多くて、1回の生理期間で140mlを超える場合には、それは婦人科疾患のサインかもしれません。

月経カップを使えば、自分の経血量を客観的に把握することができ、病気の早期発見の助けになります。

経血量が「多い」「少ない」に潜む病気

経血量の変化に潜む病気とは

経血量は、多すぎても少なすぎても、以下のような病気が隠れている可能性があります。

経血量が多い場合(過多月経):1回の生理で140ml以上

・子宮筋腫

子宮にできる良性腫瘍で、経血量が増えたり生理期間が長くなることがある。


・子宮内膜症

子宮以外の場所に子宮内膜に似た組織ができ、激しい生理痛や経血量の増加を伴うことがあり、不妊の原因にもなる。


・子宮腺筋症

子宮筋層に内膜組織が入り込み、増殖する病気。経血量が増えたり、生理痛が強くなったり、貧血の症状が出たりする。


・フォン・ブレブランド病

止血に必要なタンパク質の1つであるフォン・ヴィレブランド因子の量が少ない、あるいは正常にはたらかないことによって出血しやすくなる遺伝性の病気。鼻血が止まりにくい、出血量が多いなど、出血しやすいという症状が現れる。

 

経血量が少ない場合(過少月経):1回の生理で20ml以下

・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

卵巣が育たず、卵巣に多数の小さな嚢胞ができる病気。定期的な排卵が起きないため、経血量の減少や無月経などの症状がある。


・甲状腺機能異常

甲状腺ホルモンの異常によって、月経周期が乱れたり経血量が減ったり、無月経になることがある。


・ホルモンバランスの乱れ

ストレスや無理なダイエットが原因で、一時的に経血量が減ったり(増えることもある)、生理周期が乱れたりする。長引く場合は子宮の病気が疑われる。

生理の出血量が多い「過多月経」とは。気になる原因や対処法は?

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月経カップは経血の色や粘度も観察できる

月経カップは、経血の量だけでなく、色や粘度を観察できる点も大きなメリットです。

ナプキンやタンポンでは、経血が空気に触れて酸化して色が変化するため、本来の色を確認することは難しいです。また、すぐに吸収されてしまうため、粘度を確認することもできません。

月経カップを使えば、経血が空気に触れることがないため、本来の色をそのまま確認することができます。

筆者は、カップを使い始めて最初の生理のときに、取り出したカップに入っている自分の経血がきれいな赤色で感動しました。そのとき初めて、今まで見てきた茶色っぽい経血は、空気に触れて酸化した色であることを知りました。

また、経血の粘度も重要な観察ポイントです。

大きな塊やドロっとした経血が頻繁に出る場合は、ストレスなどによるホルモンの乱れや、婦人科系疾患の可能性が考えられます。

生理期間を通して色や粘度の変化を把握しておくことも、体の不調を早めに察知するきっかけになります。

月経カップが病気の早期発見につながった事例

実際に、インテグロのスタッフの一人が、月経カップを使い始めて半年ほど経ったころ、生理ではない時期に出血があり、色や粘度がいつもと違うことが気になって病院を受診したところ、婦人科疾患がみつかりました。

幸いにも早期発見だったため、大事には至りませんでしたが、この経験は本当に月経カップが健康管理に役立つツールであることを実感したできごとでした。

経血を簡単に記録できる生理管理アプリ

インテグロでは2024年4月に、月経カップユーザーに最適なアプリ「Oh My Flow」をリリースしました。

生理管理アプリOh My Flow

Oh My Flowは、生理周期や日々の気分、症状などの記録に加えて、カップに溜まった経血の量、色、粘度を簡単に記録できるという、これまでの生理管理アプリにはなかった機能がついています。

カップとOh My Flowを使うことで、ナプキンやタンポンではわからなかった自分の経血量が数値でわかるようになったり、色や粘度の変化が一目で見えるようになったりと、まさに「生理の可視化」ができます。

筆者がカップを使い始めたときは、取り出すたびにカップの目盛を参考にしながら、手書きのメモで経血量を記録していたので、Oh My Flowでは、画面に表示されるカップのイラストをタップするだけで記録ができる手軽さに感動しました。

ぜひこの機会に、新しい健康管理のツールとして、月経カップ&Oh My Flowをはじめてみませんか?

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