実際、鏡の上にまたがって観察してみると、なんだか見てはいけないものを見ているような妙な気持ちになるかもしれません。でもそれは、単に私たちが外性器はプライベートな「秘密」の領域であると教えられてきたから。

確かに、その領域に誰から何を受け入れるのかを、あなただけがコントロールしているという意味では事実です。でも、それは自分の体なので、解剖学的に何が存在し、どう見えるのかを知ることは、性と生殖を任されているあなたにとって非常に重要です。毎日お肌や髪の毛をケアするのと同じように、見て触って、自分の性器についての理解を深めましょう。

私は「正常」なの?

ある研究によれば、50%の女性は、自分の外性器が「正常」に見えるかどうかを心配していて、20%の女性は、どれが正常なのかを知らず、なんと、7人中1人は外性器の美容整形手術をしたいと考えたことがあるそうです。

女性の体について学ぶ時間は、小学校の性教育に組み込まれているものの、その後学ぶ機会はほとんどありません。なかには、唯一の情報源がポルノとなり、何が正常なのかとさらに悩んでしまったり幻滅したりする人もいるでしょう。

実際には、外性器の形、大きさ、色には幅があり、それぞれ違っているんです。小陰唇(しょういんしん)が下に広がっていたり、クリとリスがほとんど見えなかったり、茶色とピンク色のミックスだったり…「正常」な外性器とは、健康な外性器のことであり、ひとつとして決まった外観は存在しないのです。

鏡を見ながら学びましょう!

自分の外性器を観察しながら、それぞれの部分とその役割を知ると、もっと自分の体を大切で愛おしいと感じるようになるはずです。さあ、始めましょう。

外性器の解剖学

外性器の解剖学

外性器とは、この言葉のとおり、体の外側にある女性器全体のこと。外性器は、外側のひだの大陰唇(だいいんしん)と内側のひだの小陰唇(しょういんしん)、クリトリス、そして尿道口と膣口(ちつこう)が含まれます。よくこの領域全体のことを「膣」と呼ぶ人がいますが、正しくは、外側から見える部分は「膣口」だけです。膣については、後ほど内性器の解剖学のところで詳しく学びましょう。

恥丘(ちきゅう)

一番上から始めましょう。隠毛が生えているところを上から押すと、かたい骨に触れますが、これを恥骨(ちこつ)といいます。この恥骨のカーブに沿って、やわらかい脂肪組織でおおわれた丘のような部分が恥丘です。

大陰唇(だいいんしん)

外性器の一番外側の左右にあるふっくらした部分。クリトリス、尿道口、膣口などを汚れや細菌から守るために、脂肪組織でできており陰毛でおおわれています。通常、大陰唇は小陰唇よりも大きいですが、内陰唇が外陰唇と同じ大きさだったり、小陰唇の方が大きいこともめずらしいことではありません。大陰唇の色はピンク色、深紅色、あずき色などさまざまで、これらはどれも正常です。また、短かったり長かったり、つるっとしていたりシワがあったり、人それぞれ違います。性的に興奮したり妊娠したりすると、充血してふっくらとふくらみます。

小陰唇(しょういんしん)

外陰唇を左右に開くと見える、クリトリスから会陰(えいん)の近くまで左右に伸びるひだ状の皮膚。唇の形に似ていて、弾力性と伸縮性に富んでいます。尿道口や膣口を保護する役目があり、女性器の中でも敏感な部分の一つで、性的に興奮すると充血してふくらみます。内陰唇の形や大きさは、外陰部などと同様に、人それぞれとても個性的。大陰唇のかげになってほどんと見えない人もいれば、大陰唇からはみ出して見える人もいますし、左右の形や大きさが違ったり、色が薄い人も濃い人もいます。一人として同じではありませんが、これらは全て正常なのです。

クリトリス・陰茎(いんけい)

恥丘の下に、左右の小陰唇が上部で結合する部分にあります。陰核包皮(いんかくほうひ)と呼ばれる皮膚のひだが、先端部の尖った部分の陰核亀頭(いんかくきとう)につながっています。陰核包皮は、8,000以上の神経終末があるといわれる非常に敏感な陰核亀頭を守っています。

一般的には、外側に見えているその部分がクリトリスだと思われていますが、実はそうではありません。実際には、陰核亀頭の奥に、恥骨に密着している陰核体(いんかくたい)と、そこから二本に分かれる陰核脚(いんかくきゃく)をもつ海綿体組織、これがクリトリス全体です。つまり、外性器一帯の体の内側に、クリトリスの存在があるのです。その大きさは男性のペニスとほぼ同じ大きさだといわれており、性的快楽とオルガスムに重要な役割を果たし、興奮すると勃起してかたくなります。

クリトリスは、完全にあなたの性的な喜びのためだけに作られた唯一の部分。すごいことですよね!

尿道口(にょうどうこう)

クリトリスの下に位置する尿が出る穴ですが、ほとんど見えません。尿道口から体内へ細いチューブが膀胱(ぼうこう)につながっています。

膣口(ちつこう)

尿道口の下にある膣の入り口です。ときどき外性器全体のことを膣と呼んでいる人がいますが、正しくは、膣とは、膣口の奥にある見えない部分(セックスの時にペニスが入ったり、出産の時に赤ちゃんが出てくるところ)を指します。生理の経血が出てくる場所でもあるため、生理カップやタンポンも膣口から挿入します。出産の時には赤ちゃんが通るほどに広がるなど、膣口は非常に伸縮性があります。

会陰(えいん)

出産経験がない人には初めて聞く言葉かもしれません。膣口と肛門の間の部位で、出産のときは、赤ちゃんの頭が出やすいように、この部分がやわらかく伸びます。会陰が十分に伸びずに出産に支障をきたすようなときには、人工的に切開することもあります。

内性器の解剖学

内性器の解剖学

女性の内性器には、膣、子宮頸部、子宮、卵管、卵巣があり、これらは体の中にあるため通常見ることができませんが、全ての生殖活動がここで行われています。赤ちゃんがいる、いないに関わらず、これらの器官のホルモン機能は日常生活に常に影響を与えています。

膣(ちつ)

外性器と子宮開口部の子宮頸部をつなぐ筒状の組織です。膣の長さは約6〜9cmで、性的に興奮すると長さが倍になります。出産時には、赤ちゃんがこの膣を通って体外へ出て行くため、産道としての役割を担います。生理のときには、経血は子宮から子宮頸部に流れ、膣を通って膣口から外に出ます。

膣は筋肉で構成され、その表面の膣壁は粘膜でおおわれ、常に膣分泌液(粘液)が分泌されています。膣分泌液は、膣のうるおいを保ち、膣の自浄作用を担い細菌から守っています。生理後には、膣をきれいにするために分泌され、分泌量は生理の約2週間に増加します。また、性的に刺激を受けたり興奮したときには、分泌量が増え、セックス時の潤滑剤にもなります。

最も興味深い膣の特徴は、その弾力性です。ペニス、赤ちゃんの頭、そしてもちろん、生理カップも通ることができるなんておどろきですよね!

処女膜(しょじょまく)

膣の入り口にある、膣口を部分的におおう薄いひだ状の膜です。中央部に指一本分程度の穴が開いているのが一般的ですが、形状や厚さには個人差があります。薄くてやわらかい人、厚くてかたい人、一部分にしかない人、ごくまれに完全にふさがっている人など、さまざまです。処女膜が何のためにあるのかは、実はまだはっきりと解明されていません。

一般的に、初めてのセックスでは処女膜が破れて痛みや出血があるものと思われがちですが、実は必ずしもそうではありません。処女膜にはもともとも穴が開いていますし、形状に個人差があるので、生まれつき破れたような状態になっている人もいます。また、セックスの経験がなくても、激しいスポーツをしたり、タンポンを使用したりすることで、処女膜が破れることがあります。処女膜は伸び縮みするので、挿入時に破れずにひだが伸び広がれば、出血しません。もし破れたとしても、膣が十分にうるおっていれば、痛みや出血がないこともあります。処女膜があるかないか、痛みや出血があるかないかだけで、経験がないかどうかの判断はできません。

パートナーとの信頼関係を育てるためにも、男女ともに正しい知識を持つことがとても大切ですね。

恥骨(ちこつ)

骨盤の前下部に位置する左右対になった骨で、恥骨結合によってつながっている部分です。膣に少し指を入れてみると、膣内から恥骨の湾曲を感じることができます。生理カップの正しい位置は恥骨のすぐ上辺りなので、これから生理カップを使う人は一度確認しておくと役に立ちます。

Gräfenberg spot (Gスポット)

ドイツの産婦人科医師Grafenbergにより発見されたエリアで、刺激により強い快感が得られるところです。膣口から3〜5cm入った膣前壁(お腹側)で、ちょうど恥骨の裏辺りに位置します。指を入れると第二関節が膣口に入るか入らないかというくらい入れたところで、スポンジのように少しザラッとした部分。このエリアは開発されて感じるようになる部分だといわれているので、パートナーの愛情と信頼関係がとても重要です。

骨盤底(こつばんてい)

骨盤の底部にハンモックのような状態で位置する筋肉および結合組織。子宮、膀胱、直腸などの内部臓器を支える役割を果たし、これらの器官を所定の位置に保持し、尿や便の排泄のために正しく機能するようコントロールしています。出産や加齢により骨盤底筋の筋肉がおとろえると、尿もれや頻尿などの原因になる場合もあります。EvaWearは、このような軽い尿もれ対策にもおすすめです。

生殖器官

生殖器官

女性の生殖器には2つの機能があります。1つ目は卵子を作ること、2つ目は出産まで赤ちゃんを保護して栄養を与えることです。

子宮(しきゅう)

妊娠中に胎児が発達する梨状の筋肉構造で、膀胱と直腸にはさまれるように位置しており、ニワトリの卵ほどの大きさです。毎月、女性の生殖器では排卵があります。卵子が卵巣から飛び出し、卵管を通り子宮に向かって移動していきます。

子宮は赤ちゃんを育てる部屋で、内部には子宮内膜という薄い膜があります。子宮内膜は、毎月エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響を受けて厚くふくらませて、受精卵を育てるためのベッドを用意し、妊娠しなかった場合は、いらなくなった内膜はこわされて血液と一緒にはがれて体外に排出されます。そう、それが生理です。生理カップの出番です。

妊娠すると子宮は赤ちゃんの発育にともなって伸び、臨月のころには30~35cmまで大きくなります。しかも出産の約2か月後にはもとの大きさにもどるなど、とても伸縮性に富んでいます。また子宮は、出産のときの陣痛に耐えられるように、じょうぶな筋肉でできています。

卵管(らんかん)

子宮の上の部分の両側から伸びる10〜12cmの器官で、卵子と精子の通り道です。排卵によって卵巣から排出された卵子は、卵管を通って子宮内へ移動します。卵管の内側は、毛のような繊細な突起でおおわれていて、常にこの突起は子宮の方向へ波打っています。この流れに沿って、卵子は子宮に運ばれていきます。卵管に入った精子が子宮へ向かう卵子と出会うのはこのときです。卵子が卵管を通って子宮にたどり着くまでには3~4日かかりますが、卵子の寿命は排卵後わずか24時間です。ですから、精子は卵子が子宮にたどり着く前、卵管をちょうど動き始めたところで出会わなくてはいけません。これが受精です。

卵巣(らんそう)

子宮の両脇にあり、赤ちゃんのもととなる卵胞がつまった袋のような臓器です。卵巣には生まれたときから数100万個もの卵子のもとの原始卵胞がストックされ、毎月数個が成熟をはじめ、そのうち1個が急速に発育して、成熟卵胞と呼ばれるものになります。成熟卵胞には赤ちゃんの芽となる卵子を含み、それが卵巣から飛び出し排卵します。また、卵巣は、女性ホルモンを分泌する重要な役割もあります。

子宮頸部(しきゅうけいぶ)

子宮の下部にあり膣とつながっている狭い首のような通路です。生理の経血は、子宮から子宮頸部を通過して、膣を流れて外に出されます。精子は膣から入り、子宮頸部を通過して子宮へ向かいます。また、出産のときには、子宮頸部は伸びて広がり、赤ちゃんを膣へ押し出します。子宮頸部の位置は、人それぞれ異なります。さらに、生理中は子宮とともに下がり、子宮頸部の位置は生理周期に合わせて変化します。自分の子宮頸部の位置を知ることは、生理カップを正しい位置に装着するためにも役立ちます。