生理ってなに?なぜおこるの?誰もが知っておきたい生理の基礎知識
2021.09.03*2022年4月27日更新(挿入画像、挿入リンクを追加・更新しました)
生理はわずらわしくて恥ずかしいもの?
長年、生理は「汚いもの」としてタブー視されてきた背景があるため、そのように捉えている方は結構多いのではないかと思います。
生理は女性だけに起こることですが、赤ちゃんを産むための大事なメカニズムのひとつ。
本来であれば、女性同士だけでなく、男性にも生理について理解して欲しいと考えるのは当然のことだと思います。
しかしその前に、まずは私たちが生理について正しく理解し、もっとオープンに話すことも、大切ではないでしょうか。
そうすればきっと、男性の生理に対する誤解や偏見もなくなり、お互いにもっと心地よく過ごせるよ世の中になると思います。
生理ってなに?女性ホルモンの働きと排卵
生理とは簡単にいうと、ホルモンの働きによって、妊娠に備えて成熟した子宮内膜が、剥がれ落ちて体外に排出されること。
つまり「生理がある」ということは、「受精し妊娠したときに赤ちゃんが宿る準備ができている状態」ということです。
もう少しくわしくみていきましょう。
ポイントとなるのは「排卵」
女性はお母さんのお腹にいるときから卵巣の中には卵胞のもと(原子卵胞)をもっていて、約200万個持って生まれてきます。
そして思春期になって子宮や卵巣が成熟してくると、卵巣から分泌される女性ホルモンの働きによって一定のサイクルで、妊娠に必要な成熟した卵胞が、毎月ひとつずつ排出されるようになります。
これを「排卵」といいます。
排卵がおこると、受精卵を育てる部屋にあたる子宮は、子宮の内側にある子宮内膜を厚く膨らませて、受精卵を受け止める準備を始めます。
排卵から生理開始までのメカニズム
生理前になると子宮内膜は約1cmほどまでに厚くなりますが、卵子が受精しなかった場合、内膜は不要となります。
また次の生理に備えるために、いらなくなった内膜はこわされ、溶けて血液といっしょにはがれて体外に排出されます。
これが「生理」です。
はがれた層の下には、また新たに組織をつくりだす層(基底層)があるので、また次の月になれば新たに組織をつくり出し、内膜を厚くしていきます。
これが子宮のなかで、女性ホルモンの働きによって毎月繰り返されているのが「生理」なのです。
生理痛はなぜおこるの?
生理中は、子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液と共に体外に押し出す働きをするプロスタグランジンという物質が分泌されます。
この分泌が多いと、子宮の収縮が過剰になって陣痛のような下腹部や腰の痛みの原因になります。
このプロスタグランジンには痛みを強めるなどの作用があるので、頭痛や腰痛の原因にもなります。
生理痛に症状に個人差があるのは、これらの影響によるものです。
さらに、体が冷えると、血液に循環が悪くなり、痛みの元となるプロスタグランジンが骨盤内で滞ってしまうので、痛みが強くなります。
生理中の体温は生理前より下がるうえ、プロスタグランジンの働きで血管が収縮するので、血行が悪く、体は冷えやすい状態です。
ひざ掛けを使ったり、カイロを貼ったりして、下腹部や腰を冷やさないようにしましょう。
また、若い女性や出産経験のない女性に多い原因として、子宮の出口が狭いために、経血がスムーズに外に流れにくいことから痛みを感じます。
出産を経験すると、子宮の出口が広がるため、生理痛が軽くなる場合もあります。
生理はいつ始まり、いつまで続くの?
初潮の平均年齢は12.3才、閉経の平均年齢は50.5才です。
生理が始まる時期と終わる時期には、女性ホルモンが大きく関わっています。
女性ホルモンの分泌量は7~8才から少しずつ増え始めて、やがて初潮を迎え、赤ちゃんをつくることができる体になります。
初潮から20才くらいまでどんどん女性ホルモンの分泌量は増加していき、20代になると女性ホルモンの分泌がピークに達します。
20代〜30代前半は、肉体的には妊娠・出産をするのに最も適した時期といえます。
30代後半から少しずつ女性ホルモンの分泌は減少しはじめ、40代になると生理に変化が現れてきます。
生理の周期が一定でなくなったり、経血量が少なくなったり、生理の日数が短くなったり長くなったり、生理が来ない月があったりと、生理不順が起こります。
そして赤ちゃんをつくることのできる時期が過ぎると女性ホルモンの分泌が止まり、やがて閉経を迎えます。
まとめ
生理は決して、恥ずかしいものでも、隠すべきものでもありません。生理のしくみを知ると、よりそう思えたのではないのでしょうか。
私たち人類は、みなお母さん(女性)から生まれているのに、生理をタブー視するのはおかしいですよね。
これからは、男女の性差をお互いに理解しあうことで、過ごしやすい世の中になっていくのではないかと思います。
家族、パートナー、職場の仲間とよりよい関係を築くためにも、まずは正しい知識を持って、互いに少しずつ歩み寄ってみませんか?
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