月経カップ、最初に買うならどれ?おすすめ月経カップ御三家を徹底比較!
2021.07.08*2024年10月31日更新
生理を快適に過ごすアイテムとして注目を集める月経カップ。
よし使ってみよう!と思ったときに最初にぶつかるのは、「一体どれを買ったらいいんだろう?」という疑問です。
日本国内で購入できる月経カップは、楽天やアマゾンのようなショッピングサイトの「月経カップ」のジャンルで上位にランクインしているものだけでも10種類以上あり、使ったことのない方にとっては、「どれがどう違うの?」「何が使いやすさのポイントになるの?」など、さっぱりわかりませんよね。
この記事では、2017年から月経カップを使っている筆者・梅つま子が、月経カップの使いやすさとは何によって決まるのかを解説します。
そのうえで、人気の月経カップのなかから「エヴァカップ」「スーパージェニー」「ディーバカップ」の3つの特徴と、それぞれの「推しポイント」をお伝えします。
月経カップは1個5,000円〜7000円程度と、決して安い買い物ではないので、ぜひ1回目の購入でお気に入りのカップに出会っていただきたいと思っています。
後悔しない月経カップ選びのために、この記事が参考になれば幸いです。
筆者と月経カップとの出会い
筆者は40代、2児の母です。
月経カップを使いはじめたのは、第2子の産後、生理が再開してからでした。
初潮から長らく紙ナプキンユーザーだったのですが、妊娠を機に布ナプキンを使うようになっていたので、再び布ナプキンを使いはじめたのは自然の流れでした。
ところが、幼児とのあわただしい毎日のなかで、布ナプキンの洗濯や乾燥まで手が回らなくなってしまい、「経血を液体のまま捨てられたらいいのに…」と思うようになりました。
それが、月経カップを使いはじめたいきさつです。
筆者がはじめて手にした月経カップは、ステム(カップの先端)がリング型のタイプでした。
最初こそ「いつもここにある!」というリングの存在に安心と信頼を寄せていましたが、2〜3ヶ月経過してカップの取り出しに慣れてくると、「リングじゃなくても取り出せそうだな」と感じるようになりました。
また、当時はまだ月経カップを取り扱う私のスキルが未熟だったのもあり、カップを腟のなかで完全に開かせることができず、漏れてしまうことがたまにありました。
カップが完全に開いたかどうかがはっきりわかればもっと使いやすいだろうな、とも感じるようになっていたのです。
そんなときに、「エヴァカップ」「スーパージェニー」「ディーバカップ」の3つの月経カップに出会いました。
この3つの使い心地はそれぞれ微妙に異なりますが、いずれも快適!
出会ってからもう何年も経過しますが、「もっとこうだったらいいのに」といった不満はまったくありません。
現在は、3つのカップ(サイズ違いを含めて6つ持っています)を、その日の経血量や気分に合わせて使い分けています。
月経カップの大きさ(サイズ)の違い
「エヴァカップ」「スーパージェニー」「ディーバカップ」の3つは、単に筆者のお気に入りということだけではありません。
楽天やアマゾンなどの各種ランキングでも常に上位に入り、国内外で高評価のレビューを獲得していることからも、個人的に「月経カップ御三家」としてご紹介できる月経カップだと考えています。
素材はいずれも、心臓弁や点滴のチューブなど、医療現場で幅広く使用されている「医療用シリコーン」。
私たちの身近なところだと、コンタクトレンズや、赤ちゃんの哺乳瓶用乳首にも使われている素材で、生体適合性(体内で使用しても異物反応や拒絶反応が生じない)が立証されています。
また、月経カップの装着時間は8時間までというブランドもあるなか、これら3つの月経カップは、最長12時間まで装着可能なので、休みの日の朝寝坊もOKです。
まずは実際に月経カップを見たり触ったりしたことのない方のために、大きさの違いから確認していきましょう。
「エヴァカップ」「スーパージェニー」はスモールとラージの2サイズ、「ディーバカップ」はモデル0、モデル1、モデル2の3サイズで展開されています。
<エヴァカップ、スーパージェニー、ディーバカップのサイズ比較表>
この表にまとめたとおり、3つの月経カップは容量が20~41.61ml、直径が38~47mm、ステムを含む本体の長さが62.5~68mmです。
大きさだけを比べてみると、直径も長さも数ミリの差しかないのですが、容量を見てみると、ディーバカップのモデル0とスーパージェニーのサイズ2では2倍以上の差があることには驚きです。
特に経血量が多い方にとって、この容量の違いがカップライフを左右することにもなります。
つまり、「月経カップとは、直径が4センチ前後、長さが6.5センチ前後で、大さじ2杯分くらいの経血を溜められるもの」だと考えてください。
数字ではぴんとこない方は「にわとりの卵」を手にとってみましょう。卵とカップ本体は、だいたい同じくらいの大きさです。(写真はエヴァカップのサイズ1)
月経カップの「使いやすさ」とは一体なにか?
月経カップは、「腟に入れて、経血を本体に溜め、溜まったら取り出して空にする」という使い方をします。
カップが開いた状態ではスムーズな挿入・取り出しができないため、
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折りたたんで挿入する
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腟の中でカップを開かせる
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折りたたんでから取り出す
という3つのアクションが必要になることを覚えておいてください。
この3つに加えて、もし装着中に不快感がある場合、その不快な原因が何なのかを「見極める」ことも必要になります。
つまり、月経カップの使いやすさとは、「挿入する」、「開かせる」、「取り出す」というアクションがどれくらいやりやすいかを指し、そして「装着感がよいかどうか」までが評価ポイントになります。
そしてそれは、月経カップのブランドの性質の違いによって、少しずつ異なるのです。
1:折りたたんで挿入する
挿入するときに必要な月経カップの性質は、「カップ側面のやわらかさ」と、「折りたたんだときのかたさ(しっかりさ)」で、使いやすい月経カップというのは、折りたたみやすいという特徴もあります。
本体がやわらかければカップも折りたたみやすいのですが、やわらかければやわらかいほどいいのかといえば、それは✖️。
なぜなら、やわらかすぎるカップは、折りたたんで腟に挿入するときに、腟の中でクニャッと折れまがってしまうからです。
折りたたんだあとのカップは、しっかりと芯のようなかたさがあることが求められます。
ちなみに、かたいカップは折りたたみにくいうえに、折りたたんだ形を指先の力でキープするのが大変。
初心者の場合は挿入する前に指が疲れてしまい、挿入が億劫になってしまうことがあります。
また、元の形に戻る力が強いため、挿入している途中でカップが開きはじめてしまうこともあります。
折りたたみやすくて挿入しやすい月経カップというのは、やわらかすぎず、かたすぎないことがポイントです。
2:腟の中でカップを開かせる
経血の漏れがなく、快適に月経カップ使うためには、折りたたんで挿入したカップを腟の中で完全に開かせて、腟の壁とカップの縁(リム)を密着させることが大切です。
そのために必要な月経カップの性質が「本体の弾力」。
腟の中で完全に開ききっていないカップは、咲ききる前のつぼみのような形状になっているのですが、このままだと腟壁とリムの間に隙間ができるので、経血を受け止めきれずにこぼれてしまいます。
そこで、カップは挿入したあと(あるいは、挿入すると同時に、または挿入しながら)指先を使って完全に開かせ、ピタッと密着させる必要があります。
合わせて読みたい:月経カップが開かない!月経カップをスムーズに開かせる3つのコツ
3:折りたたんでから取り出す
取り出すときに必要となる月経カップの性質は、「カップ底部のやわらかさ・つまみやすさ」です。
カップを細く折りたたんでから挿入したように、取り出すときも同様にカップを折りたたむ必要があります。
とはいえ、カップは腟の中にあるので、挿入前のように自由に触って折りたたむことはできません。
そこで、取り出すときは指先でカップの底(リブ)をギュッとつまみ、その力を利用してカップ本体を折りたたみます。
以下の画像のように、リブをつまむことでリムが腟の壁からはなれるのが分かると思います。
この状態になると、カップと腟の壁との密着が解除され、スムーズに取り出すことができます。
もしリブがかたすぎる場合、うまくつまめなかったり、取り出している途中で指が疲れてしまうことがあります。
途中でカップが「バイーン」と開いてしまい、イテテとなりがちなので、リブがやわらかくてつまみやすく、上記の動作がやりやすいかどうかは、ぜひ評価していただきたいポイントです。
4:装着中の違和感がないかどうか
月経カップを装着したあとは、ユーザーが特に何かする必要はありません。
しかし、なかには、腟口にステムが当たって不快だったり、装着位置や角度がズレていてカップの存在が気になったり、膀胱や腸の位置(個人差あり)によっては圧迫感が生じたりする人もいます。
こうした小さな不快感は、カップの大きさや長さが腟の状態に合っていないことによって生じやすいといわれていますが、使い始めた時期は、多くの場合、ただ単に、使い方に慣れていないだけのこともあります。
使い方のコツが分かり、装着のベストポジションがわかってくると、徐々に気にならなくなることが多いです。
そのため、不快感の原因が、使い慣れることで解消するものなのか、または、カップの種類やサイズを変えることで解決するものなのかを見極める必要があります。
1回使って「このカップは自分に合わない!」と決めつけるのではなく、いろいろ試しながら少なくとも2〜3サイクルは使用して、評価することをおすすめします。
ところで、月経カップによっては、ステムをお好みの長さにカットして使用することもできます。
腟口にステムが当たって不快だったり、カップが自然に落ちてきたりして使いにくい場合には、ステムを短くすれば問題が解決できることもあるので、覚えておいて損はない情報です。
ちなみに、「エヴァカップ」「スーパージェニー」「ディーバカップ」はいずれもステムをカットして使用することができます。
合わせて読みたい:月経カップの取り出しが痛い?ステム(尻尾)の役割と使い方を徹底解説
「エヴァカップ」「スーパージェニー」「ディーバカップ」の使いやすさとは
さて、月経カップの使いやすさを構成する要素として必要な、「挿入する」「開かせる」「取り出す」「装着感」の4つの観点を見てきました。
筆者は、自分の経験やレビューによるユーザーの声から判断し、この4つの観点から見たそれぞれの月経カップの使いやすさを以下の表にまとめました。
<エヴァカップ 、スーパージェニー 、ディーバカップ の使いやすさ>
ここからは、実際に使ってみて感じるそれぞれの月経カップの特徴を解説していきます。
【 万能優等生 】エヴァカップ
エヴァカップは、初心者にも扱いやすい月経カップで、オールマイティーな優等生のように頼れる存在といえます。
特に「挿入する」「開かせる」の2つの点で、使いやすいと感じています。
エヴァカップは、スタンダードなV字型で、カップの上部と下部で厚みの異なる、2段構造になっているのが特徴です。
カップの下半分(先端から目盛りの2本目まで)は薄くなっているので、指先の弱い力でも簡単にペコペコ押せます。
一方、カップの上半分は下半分よりも厚みがあり、その分ほどよい弾力があります。
指でグッとつぶしてからパッと離すと、反発してすぐに元の形に戻ります。
実は、この上下のバランスがエヴァカップの挿入のしやすさと、開きやすさの理由になっています。
上部に弾力があると、カップを挿入したあとも腟圧に負けずにパコっとしっかり開き、腟の壁とピタッと密着するので経血漏れを防いでくれます。
月経カップビギナーにとっては、「開かせる」をマスターするのがひとつのハードルになります。
なぜかというと、開いたかどうかは、外からは確認できず、どうがんばっても自分の目では見えないからです。
腟の中で折れまがったりへこんだりしていないかは、感覚ではよくわからないことも多いので、マスターするのに少し練習が必要なポイントだといえます。
ですから、エヴァカップの開きやすさは、ビギナーにとって非常に大きなメリットです。
一方で注意点は、取り出すときには、最後まで指先に力を入れておくこと。
実は私も最初のころに、カップが完全に外に出てくる前に指の力を抜いてしまい、腟口付近でカップが「バイーン!」と開いてしまい、痛い思いをしました。
ただ、その経験は決してマイナスではないと感じています。
なぜなら筆者は、その経験があったことによって、「(あれだけの弾力があるのだから)エヴァカップはしっかり開かせたら漏れない!」という絶対的な信頼につながったからです。
それも含めエヴァカップは、「月経カップの特徴」をよく教えてくれるカップだと感じています。
まさに、月経カップ初心者がひと通りのスキルを身につけるのにうってつけのカップなのです!
ちなみに月経カップに慣れた現在も、この弾力があるからエヴァカップは使いやすく、ついつい手に取りたくなるカップのひとつです。
関連記事:
月経カップを使用しはじめたころ直面する問題点とその解決法をご紹介!入れ方編
エヴァカップはこんな方におすすめ
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長く使えるスタンダードな月経カップを手に入れたい
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経血量は特別多くもないけど、少なくもなさそう
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予算的にも、月経カップは一個で済ませたい
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閉経まで数年かもしれないけど、月経カップってどんなものなのか知りたい、使ってみたい
【 技アリ個性派 】スーパージェニー
コロンと丸っこいベル型シェイプが特徴的なスーパージェニーは、特に「挿入する」「取り出す」ときに使いやすさが際立ちます。
エヴァカップのような2段構造にはなっておらず、カップの上部も下部も表面がつるんとしています。
コロンとしていてツルっとしている、この見た目のかわいさも大きな魅力です。
エヴァカップほどの弾力は感じませんが、親指と人差し指でカップの側面をはさむようにつまみ、厚みを確かめてみると、やはり下のほうは薄めで、上のほうはやや厚めになっているのがわかります。
全体としてやわらかい印象なのですが、決してふにゃふにゃではなく、コシがあります。
これがフィット感のよさにつながっているといえます。
また、カップのリブ付近をつまむことで本体をグニャと簡単に折りたたむこともできるため、取り出しやすいという特徴もあります。
そしてなんといっても、スーパージェニーの魅力は容量が大きいこと。
サイズ2の容量41.6mlは、日本で入手できる月経カップの中では最大級、そして世界中の数ある月経カップのなかでもトップクラスです。
たっぷりとした容量は、経血量が多めの方や、仕事で頻回にトイレに行けない方などに愛用されています。
ナプキンやタンポンにはない月経カップのメリットといえは、容量があって長時間装着可能なことですよね。
もし、経血量に対して小さめのカップを使った場合、短時間でカップがいっぱいになってしまうので、頻回にカップを空にしなければいけません。
しかし、容量の大きいスーパージェニーは違います。
多い日の夜に装着しておき、次の日の朝「わぁ!こんなに溜まった!」という確認する面白さと、安心感を与えてくれるカップなのです。
スーパージェニーの丸みや、やわらかさは抜群のフィット感にもつながりますが、あえていえば、やわらかいがゆえに、挿入するときに、折りたたんだカップを腟の中でしっかり開かせるのに、少しテクニックが必要かもしれません。
多くのユーザーが、手首を使ってカップを回転させながら挿入してみたり、リブをつまんで揺らしたり、カップの下のほうを数カ所ペコペコ押したりするなどして開かせていて、まさにそこが、スーパージェニーを「技アリ個性派」と感じる理由です。
だからこそ、使いこなせたときの喜びはひとしおで、ベテランユーザーにとっては「月経カップを使う楽しみ」を満たしてくれる月経カップだと感じています。
ちなみに、技アリだからといって、初心者に使えないカップというわけではありません。
容量の多い月経カップを求めて、スーパージェニーのサイズ2で月経カップデビューをしている方もたくさんいます。
また、不思議なことに、スーパージェニーはエヴァカップよりも本体が短いのに、容量はスーパージェニーのほうがあるんです。
(エヴァカップ サイズ1:30ml/スーパージェニー サイズ1:32ml)
なので、「小さいカップを使いたい。でも、容量はあきらめたくない」と思う方に、スーパージェニーのサイズ1はおすすめですよ。
スーパージェニーはこんな方におすすめ
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経血量が多め
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トイレに頻回に行けないため、こまめに月経カップをリセットできない
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フィット感のある月経カップを探している
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月経カップを使いこなす喜びを感じたい
【 シンプルで手軽 】ディーバカップ
これまで見てきたエヴァカップやスーパージェニーと比べると、際立って細身なのがディーバカップです。
カラーは透明で、無駄のないシンプルなV字型です。
サイズはモデル0、モデル1、モデル2の3サイズ展開で、特にモデル0は、初潮を迎えて間もない10代の方でも使いやすいように作られたサイズです。
このままでも細長いのに、折りたたむとタンポンに近い感覚で使えそうな細さになります。
月経カップに対して、「折りたたみ方が難しそう」「挿入するときに痛そう」というイメージを持ったことはありませんか?
このような方には、難しく考えずに先端を少し細くすれば容易に挿入できるディーバカップは、かなりおすすめです。
そして、そこまでがんばって折りたたまなくても挿入できるということは、開かせる努力の必要もないということです。
つまり、挿入しやすく開きやすいカップなのです。
また、取り出しやすいというのもディーバカップの大きな特徴です。
理由は3つあります。
1つ目は、カップの底部がしっかりとしているため(芯があるような感じ)、取り出しのときに少しの力でもつまみやすいこと。
2つ目は、リブとステムの滑り止めの溝が深めに刻んであるため、経血がついて滑りやすくなっている指でもひっかかりやすいこと。
3つ目は、縦に長めのカップなので、腟の奥に入りにくく取り出しやすいこと。
そう、「挿入する」「開かせる」「取り出す」の3つの過程すべてにおいて、◎評価なのがディーバカップ。
ですので、「すぐに月経カップを使えるようになりたい」という方にはディーバカップをおすすめします。
一方で、ぜひよく考えていただきたいのが、容量のこと。
ディーバカップは細身なので、エヴァカップやスーパージェニーと比べると、容量がどうしても控えめになります。
ディーバカップのなかで、もっとも大きいモデル2(32ml)は、スーパージェニーのサイズ1と同じ容量。
筆者の場合(経血量はふつう)でお伝えますと、この容量では多い日の夜に少し心配です。
経血量が多めの方だとディーバカップだけでは容量が足りないため、バックアップとしてエヴァウェアなどの吸水ショーツなどを併用すると安心です。
まずはディーバカップで月経カップというものに慣れ、もし容量が足りないと感じたときに、必要に応じてエヴァカップやスーパージェニーを試してみるのもアリです。
ディーバカップはこんな方におすすめ
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取り出しに不安がある
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折りたたむ・開かせるなどのテクニックに自信がない
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できるだけ短い時間でカップを使えるようになりたい
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経血量は少なめ
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10代で月経カップを使ってみたい
サイズはどうやって選べばいいの?
ここまでの説明で、「このカップに惹かれる!」「これを使ってみたいな!」と思えるカップが出てきたでしょうか?
月経カップを選ぶ際に同時に考える必要があるのが、サイズ選びです。
通常、月経カップは2〜3サイズ展開になっているので、「小さめにするか、大きめにするか」を決めなければなりません。
「はじめての月経カップだからまずは小さいサイズから…」と考えがちですが、それだけの理由でサイズを決定してしまうのはおすすめしません。
一般的に、年齢、出産経験、経血量、子宮口(子宮頸部)の高さなどの情報が、月経カップ選びに重要になってくるといわれています。
筆者はそのなかでも特に大切だと思うポイントを3つに絞ったので、大切な順番に紹介します。
選び方のポイント1:出産経験の有無(=骨盤底筋の弾力)
さまざまある選び方のポイントのなかで、まず最初に考えていただきたいのが「出産経験の有無(=骨盤底筋の弾力)」です。
骨盤底筋とは、骨盤の底にハンモック状に広がり、膀胱、子宮、直腸などの骨盤内の臓器を支えている筋肉です。
実は、月経カップも、腟の筋肉や骨盤底筋によって支えられるもの。
そのため、骨盤底筋の状態がカップのフィット感を左右するといわれています。
しかし、骨盤底筋は出産や加齢によってダメージを受けやすく、弾力が失われる傾向にあります。
弾力が落ちた状態で、小さめ、あるいは細めのサイズのカップを使った場合、腟内でカップをキープできず、勝手にずり下がってきてしまうことがあります。
常に腟口からステムが飛び出た状態になる方もいれば、気づけばカップの下3分の1くらいが出ている状態になっているなんてこともあります。
ひどい場合は、くしゃみをした拍子にカップがスポーンと出てきてしまうことも…。
たとえ月経カップ未経験でも、特に出産経験がある方は、大きいサイズのほうが快適に使えるケースも多いことを、ぜひ覚えておいてください。
出産後などに尿もれや頻尿が気になっている方は、骨盤底筋の弾力が落ちているサインです。
少し不安かもしれませんが、ここは思い切って大きいサイズを選ぶことをおすすめします!
合わせて読みたい:気になる妊娠中・産後の尿もれ。原因とおすすめの対策は?
選び方のポイント2:経血量
今回取り上げた3種類のカップは、いずれも最長12時間の使用が可能です。
しかし、経血量の多い方が容量の小さいカップを使用した場合、すぐにカップが満杯になってしまい、結局何度もカップを空にする必要が出てきます。
それでは「長時間装着可能」という月経カップのメリットがなかなか感じられないと思います。
そのため、出産経験がない場合でも、ナプキンやタンポンが2時間ほどしかもたないような経血量が多い方は容量重視で選ぶことをおすすめしています。
大きいカップのほうが長時間使用でき、ナプキンやタンポンとの違いを感じられるでしょう。
また、量はふつうくらいでも、職業柄トイレになかなか行けないという方は、容量重視で選ばれるとよいでしょう。
ぜひご自分のライフスタイルもサイズ選びのポイントとして考えてみてください。
関連記事:
毎月ちゃんと生理きてる?生理周期と生理期間、経血量について考えてみよう。
選び方のポイント3:子宮口(子宮頚部)の高さ
子宮口(子宮頸部)の高さとは、「腟の長さ」を表します。
腟の長さは平均で7〜10cmほど(指1本分)といわれていますが、個人差があるため、カップ選びの際にも大切な情報になります。
例えば、腟の長さよりも、カップの縦の長さが長い場合、カップが腟内に収まりきらない可能性があります。
その場合、ステムをお好きな長さにカットすることで収まるのであれば、問題ありません。
それでも、カップ本体の部分が出てきてしまう場合には、カップのサイズ、あるいはブランドを変えるしか対処法がありません。
ポイント1で挙げた骨盤底筋の弾力は、数値を計測することがなかなか難しいですが、子宮口の高さはだれでもチェックすることができます。
「長さが足りなくて使えなかったー!」ということにならないように、以下の方法で事前にチェックすることをおすすめします。
<子宮口(子宮頸部)の高さのチェック方法>
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手を洗い、清潔にします。腟を傷つける原因になるので、爪が長い場合には切った方が安全です。
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中指もしくは人差し指を、ゆっくりと腟にそって挿入していきます。
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子宮口(子宮の入り口)に届くまでには5~10㎝ほど挿入する必要があります。ドキドキしますが、息を吐きながらリラックスして挿入していきましょう。
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指先が、鼻先くらいの大きさのドーナツ型の開口部に触れ、それ以上奥に指が進まないのであれば、そこが子宮口です。
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指がどこまで入ったか確認しましょう。
<子宮口(子宮頸部)の高さの目安>
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指の第2関節以上入った場合:「子宮頸部の位置が高め」
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指の第2関節くらいで子宮口に届いた場合:「子宮頸部の位置はふつう」
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指の第2関節まで入らない場合:「子宮頸部の位置が低め」
<チェックの際の注意点>
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子宮口の位置は、ずっと固定されているわけではありません。生理周期に合わせて上下するため、なるべく生理の時に位置を確認してみましょう。
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指を入れてみて、奥に触れる鼻の頭のような感覚のものが子宮口です。どこまで指を入れたときに触れたのかを覚えておくか、印をつけておき、定規でその長さを測ってみると、自分が使いやすいカップを選ぶ参考になるでしょう。
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子宮頸部の位置が低めの方は、カップ本体の長さが短めのカップが使いやすいでしょう。今回挙げたカップのなかでは、ディーバカップは本体が長めのカップなので、注意が必要です。
合わせて読みたい:子宮口(子宮頸部)の高さと月経カップの関係
月経カップ選びのための情報収集のポイント
月経カップは衛生用品のため、洋服や靴などのように気軽に試着ができないのがネックですよね。
そこで、自分に合うカップと出会うために、いろいろとネット検索するかと思いますが、本当に役に立つ正しい情報を収集するポイントがあるのでご紹介したいと思います。
ぜひチェックしていただきたいのが、楽天やアマゾンなどに投稿される商品レビューや、YouTube動画、ブログ記事などです。
これらの情報をバランスよく見たり読んだりして、経験者のメッセージを参考にしてみてください。
月経カップは3〜6ヶ月くらいの期間使うことで、その良し悪しが評価できるアイテムです。
買ってすぐ書かれたレビューやブログは臨場感があって面白いですが、それだけを収集するのはおすすめしません。
ぜひ最低でも2〜3ヶ月使用したあとに書かれているものも合わせてチェックし、総合的に判断してみてください。
最近では、複数のカップを使い、それらを比較しているレビューやブログ、動画を目にすることも増えました。
1個のカップだけで「(思ったよりも)やわらかい/かたい」「(思ったよりも)大きい/小さい」と評価しているものは主観が強い傾向にあり、参考にならない場合があります。
できるだけいくつかのカップと比較しているものを探してみてください。
唯一絶対のカップがあるわけではない
覚えておいていただきたいのは、月経カップは、「シンデレラのガラスの靴」とは違うということです。
つまり、「自分の腟に合う、唯一絶対のカップがある」わけではないのです。
私もここに挙げた3種類のカップの、複数のサイズを快適に使えていますし、多くのユーザーが複数の月経カップを快適に使いこなせています。
自分が大きいカップを選んでいいか不安になる場合もあると思います。
たとえば、「20代、出産経験はないけれども量は多い」といった場合です。
骨盤底筋の状態からいうと、フィットしやすいのはサイズの小さいカップですが、経血が多いので大きいカップを使いたい、という場合もあるでしょう。
年齢が20代で出産経験がなくても、大きいカップを使いこなしているユーザーはたくさんいますので、選び方はあくまで参考に考えてください。
同様に、「40代、出産経験があるが経血は少なめ」という方で、小さいカップを好まれているユーザーもいます。
カップ選びは、ライフスタイル、考え方などにもよって変わってくるものですので、自分のカップ選びについてより詳しく知りたい場合は、カスタマーサポートに問い合わせることをおすすめします。
どんなに小さな疑問でもOK。迷ったらまず相談してみましょう!
2個目のカップについて
レビューサイトなどを見ていて、「まずは小さいものを買ってみましたが、大きいものも使ってみたいです(使ってみました)」という投稿を目にしたことがあるかもしれません。
小さいカップを使っている人が、「多い日だとあふれてしまうな。大きいカップも試してみたい」と思うのは自然なことですし、逆に、大きいカップを使い始めた人が、「生理の始まりかけや終わりかけは、大きいカップじゃなくても大丈夫だな。小さいカップを試してみたい」と思うこともよくあることです。
これも個人差の大きい話ですが、ひとつのカップを使いこなせるようになった方は、別のサイズのカップもうまく使いこなせるようになることはよくあります。
両方とも同じように快適に使いこなせるようになることもありますし、使えるけれど、片方のほうが快適に感じる、というパターンもあります。
起こりうる問題を挙げておくと、大きいカップのほうがフィットするタイプの人には、「小さいカップだと、歩いているうちに出てきてしまう」、「腟口にステムがツンツン当たって痛い」というようなことが起こり得ます。
逆に、小さいカップのほうがフィットする人が大きいカップを使うときには、「ラージだとおなかに圧迫感を感じる」「トイレが近くなる」ということもあります。
その理由は、腟の隣には膀胱があるからです。
しかし、もしカップを装着中におなかに圧迫感を感じたとしても、この感覚はずっと変わらないものではなく、体調や時期によって変化することもあります。
ぜひ数回使用しながら「使用をやめたほうがいいほどの不快感なのか」を見定めていただきたいです。
筆者の場合は、カップデビュー当初は、大きいカップのほうが使いやすいと感じていました。
なぜなら、小さいカップだと、歩いているうちに次第にカップの位置が下がってしまい、ステムが腟口に当たって、気になってしまっていたからです。
一方、大きいカップではこの問題はあまり起こりませんでした。
なぜこのような状況になっていたかというと、おそらく当時、私の骨盤底筋が弱っていたからだと思います。
そのため、小さいカップは支えきれず、大きいカップのほうがうまくフィットしたのだと考えています。
しかし、カップを使ってもうすぐ4年の今は、小さいカップのほうが圧迫感がなく、快適です。
骨盤底筋の状況が改善してきたのか、小さいカップの装着中も、自然に降りてくることはなくなってきました。
逆に、大きいカップを入れているときは、膀胱が押されるのか、トイレに行く回数が増えると感じています。
そのため、小さいカップの出番が多くなっています。
上記の私の経験からお伝えしたいのは、「今現在、快適に使えているカップが、今後もずっとNo.1であるかどうかはわからない」、ということです。
まずはひとつの月経カップでじっくり研究してみよう
月経カップを4年使用して最近わかってきたことは、体調や体型、筋肉量の変化などによって、お気に入りのカップが変わることがあることです。
「そしたら、あらかじめ最初から2つとも買っておきたい」と思うかもしれませんが、「そこは焦らずに、ひとつめのカップをうまく使えるようになってから2つ目を考えるほうがいいですよ」とお伝えしたいです。
まずは自分に合うと思われる月経カップを選んで、じっくり研究してみて、使いこなせるようになってみてください。
なぜかというと、ひとつのカップをマスターしていないのに別のカップを使いはじめると、うまくいかないときの原因が特定しづらいのです。
原因がカップにあるのか、それとも、自分の技術の問題なのか。
ひとつのカップをまずはうまく使えるようになってからのほうが、身に着けたテクニックが応用でき、サイズの違うカップに自信を持ってチャレンジできるようになります。
そして、ひとつめのカップがうまく使えるようになり、気に入ったら、同ブランドのサイズ違いを試してみてはどうでしょうか。
関連記事:
はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと①:月経カップの特徴や構造を理解する
はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと②:自分の体のしくみを理解する
はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと③:腟の外で行うイメージトレーニング
おわりに
個人的には、月経カップは1つ持つと、2つめが欲しくなるアイテムだと感じています。
月経カップの快適さに目覚めたら、「サイズ違いを使ってみたらどうなんだろう?」「もっと快適カップがあるのでは?」という興味が湧いてくるのはカップあるあるといえます。
もしかしたら、そこからさらに、ブランド違いの3つめのカップも試してみたくなるかもしれません(笑)。
ブランドの違うカップを試してみると、それぞれのカップのよさや魅力がさらによくわかってきます。
こうした方たちには、ぜひ私たちと一緒に、月経カップの魅力を一緒にもっと探っていっていただきたいなと思っています。
この記事が、生理期間の相棒となる月経カップ選びの際にお役に立てればうれしいです。
月経カップを選ぶとき、どうしてこのカップにするのか、何が決め手になったのかを覚えておけば、それがお気に入りポイントとなって愛着が湧き、長くその製品を愛用することにつながるかもしれません。
ぜひ、お気に入りを見つけて、そのカップと一緒に「挿入する」、「開かせる」、「取り出す」の3ステップのマスターから取り組んでみてくださいね。
もちろん、月経カップを買ったからといって、常に月経カップを使わなければならないわけではありません。
ナプキンやタンポン、布ナプキンを使う、吸収型サニタリーショーツを用意するなど、複数の生理ケア用品を組み合わせて使う自由もあります。
生理用品すべてにメリット・デメリットがありますので、それぞれの特徴を理解したうえで、そのときの最高の生理ケアの方法を選択してみてください。
月経カップ選びが、もっと快適な生理ケアのスタートになりますように!
月経カップ選びの参考として、下記のクイズにトライしてみて!