毎月ちゃんと生理きてる?生理周期と生理期間、経血量について考えてみよう。

極端に経血量が多いことを「過多月経」と言い、生理周期が安定していても経血量が多く、生活に支障をきたしている場合は注意が必要です。

一方、経血量が極端に少ないこともよくありませんし、生理周期が異常に長い又は短いという場合も何かしらの病気と関係している場合があります。

生理が来ないと、生理痛で苦しむことがないし、気分も落ち込まないし、心置きなく外出ができるのでうれしいですよね。

しかしそれに反して、身体には悪影響を及ぼします。

では、今回は生理周期と生理期間、経血量それぞれについて考えていきましょう。

生理周期とは

まず、生理周期とは「生理終わった日から次の生理が始まるまでの期間」と捉えがちですが、

実際には生理が開始した初日から、次にくる生理までの日数のことを指します。

28日周期というのをよく耳にする機会が多いかと思いますが、日本産科婦人科学会では生理周期が「25日〜38日」の範囲内で周期的に起きるものあれば正常であると定められています。

加えて、この範囲内に収まりつつも変動が±6日以内に収まっていることとしています。

例えば毎月28日周期で生理が来ている筆者ですが、たまに30日、長いときは33日かかる月があります。

しかしこの場合、多少の変動がありつつも最大で+5日以内なので正常といえる範囲なのではないでしょうか。

 

過少月経とは

経血量が極端に少ないことを「過少月経」といいます。

では、どのくらい少ないと過少月経というのでしょうか。

過少月経は過多月経と同様に、厳密に経血量を測って診断するわけではありません。

日本産科婦人科学会では正常な経血量を「20〜140ml」と定めていますが、その最低基準である「20ml以下」を過少月経の目安としています。

20mlとは「大さじ1杯+小さじ1杯」程度の量です。

料理を普段している女性はわかるかと思いますが、毎月の生理でこれだけの量というのはかなり少ないですよね。

過少月経の場合、その多くは月経期間が2日以内で終わってしまう「過短月経」がセットになる場合が多いです。

 

関連記事: あなたは過少月経?過多月経?ひと目で分かる経血量の違い

 

量が多い・少ない。期間が長い・短い。の判断

前項にて、経血量の多い・少ないの判断基準を数値を用いて説明しました。

では次に、生理の期間が長い・短いの判断基準について考えていきましょう。

自身の経験からも、「2〜3日目で経血量はピークになり、そこから緩やかに減っていき、5日程度で終わる」ことが多いです。

量の多い・少ないと同様、期間も長すぎ・短すぎは身体にはよくありません。

出血が8日以上続く場合を「過長月経」といい、日本産科婦人科学会は、3日〜7日間の出血は正常と定めています。

さらに出血が2日以内で終わることを「過短月経」といっています。

 

過長月経と過短月経の問題点

まず、出血がだらだらと8日以上続く過長月経ですが、長い女性は2週間近くも続く場合があるそうです。

1ヶ月の半分は出血をしていることになりますので、単純に考えて出血量が多すぎますよね。

これは貧血の危険性がかなり高くなります。

貧血の他にも、子宮筋腫や子宮体がん、ポリープなど子宮系に異常がある場合が多いです。

特に出血量が多く、日数も長いという女性は一度病院に相談することをおすすめします。

一方、すぐに出血が終わってしまう「過短月経」は、卵巣系の異常が原因であることが多いです。

排卵を伴わない出血や、ピル(避妊薬)の服用等が原因に挙げられると言われています。

たとえ毎月生理がきていたとしても、経血量や期間に異常がみられる場合は注意が必要です。

いずれにせよ、妊娠しにくい身体の状態であります。

 

関連記事: 生理を早く終わらせる方法とは?布ナプキンや月経血コントロールはどうなの?

 

無排卵月経

無排卵月経とは、排卵を伴わない月経のことをさします。

通常の月経は排卵後、卵巣に黄体が形成されて、黄体ホルモンの作用で子宮内膜の厚みが増します。

子宮内膜は子宮の内腔を覆っていて、厚みが増すことで妊娠する準備が整いますが、この時に妊娠が成立しないとその内膜が剥がれ落ちます。

それが経血として体外に出るのが月経です。

以上のことから、月経は排卵が伴うことが前提ですが、無排卵月経のように排卵が起こらず、黄体が形成されないまま子宮の内膜が剥がれ落ちることがあります。

無排卵月経かどうか判断する指標としては以下の自覚症状があります。

・量が少ない

・生理痛等の痛みがない又は軽い

・月経終わりがはっきりせず、ダラダラ続く

・月経の始まりもはっきりしない

・周期が不安定

排卵の有無は超音波検査をすることで判断できますが、専門医に相談する前にも、これらの自覚症状によって無排卵月経か否かを判断することができます。

環境の変化や一時的なストレスで無排卵月経が引き起こされることもありますので、単発的に起こる場合は特に心配することはありません。

しかし、長期的に無排卵月経が続く場合は子宮系の疾患が発生する可能性が高く、さらにいつまで経っても妊娠が成立しませんので専門医に相談する必要があります。

 

思い起こせば、月によって量や痛みの強さ、期間が変わることがあったなぁということに気がつきました。

特に、海外へ行くなどの環境の変化でナプキンをつけるほどでもない経血量の生理がダラダラと続いたこともありました。

あれはきっと無排卵月経だったのかもしれません。現在はきちんと毎月、始まりと終わりがはっきりしている生理がきています。

ぜひみなさんも自身の生理周期について、変わったことがなかったか振り返り、もし先に挙げた自覚症状が長期間続いているならば注意が必要ですよ。

自分のカラダについて知るために、「生理日記」をつけてもよいですね。

 

参照:生理について

まとめ

今回は、毎月きちんと生理がきていたとしても、その内容(量・期間)がきちんとしていなければ、疾患や不妊など身体に何かしらの悪影響が生じている可能性があることについて考えてきました。

生理は将来子供を産むための大事な身体の仕組みであるはずなのに、いざ妊娠を考えたときに身体が妊娠しづらい状態になっていては、意味がなく、そして辛いですよね。

ご紹介した判断基準はあくまでも目安ですので、疑わしい場合は自己判断せず専門医に相談することをおすすめします。

自身の経血量を把握するための方法については参照記事にまとめてあるので、ぜひご覧ください。

 

参考文献:

「研修医のための必修知識,日産婦誌54巻12号」日本産科婦人科学会

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