月経カップが開かない!月経カップをスムーズに開かせる3つのコツ
2019.10.07タンポンやナプキンに替わる新しい生理用品の選択肢、月経カップ。
今年に入って、日本でもユーザーが徐々に増えてきています。
ユーザーが増えることで、カップの選び方や使い方についてのさまざまな質問をいただくようになりました。
今回は、特にビギナーの方々から多くいただくお問い合わせトップ5に入る「挿入後にカップが開かない」というお悩みを取り上げて、カップ使用歴2年の筆者がアドバイスしたいと思います。
腟内でカップをスムーズに開かせる3つのコツ
挿入してもカップが完全に開かずにゆがんだままでは、腟の壁とカップが密着しないため、経血漏れや違和感の原因となります。
カップが腟内でうまく開かない、または開いた感じがしない、というお悩みを解決するコツは、挿入の段階ごとに3つあります。
① 挿入前:カップの折りたたみ方
② 挿入時:挿入の向きと位置
③ 挿入後:挿入後の微調整
この3つそれぞれの段階でコツをつかむことがポイントです。
挿入前の動作も影響するの?と思ったかもしれませんが、実はどの動作もカップを快適に使用するためには重要なポイントとなります。
では段階ごとにひとつひとつみていきましょう。
① 挿入前:カップの折りたたみ方
月経カップは、カップのブランドによって、カップ本体やリムのやわらかさ、弾力性などが違うため、挿入しやすい(または挿入後に開きやすい)折りたたみ方も違います。
エヴァカップとスーパージェニーとディーバカップに適している折りたたみ方は以下の3種類です。
慣れるまでは指の力がけっこう必要ですが、ギュっとつまんでその状態を保持できるように何度か練習してみましょう。
1:C フォールド(Uフォールド)
2:セブンフォールド
3:パンチダウンフォールド(プッシュダウンフォールド)
折りたたみ方には好みがあると思いますので、まずは3種類すべて試してみて、やりやすいなと思うものを見つけてみてください。
ちなみに筆者は、斜めに二つ折りして、折り口が数字の7の形にする「セブンフォールド」派です。
斜めに折りたたむと、カップの一部が本体の底部にきますよね。そこをギュっとつまめば、折りたたんだ7の形をキープしやすく、先端も細いままなので挿入もしやすいです。
3種類すべて試したけど、どれがしっくりくるか分からないという場合には、ぜひセブンフォールドをマスターしてみてください。
② 挿入時:挿入の向きと位置
<実際にいただいた質問>
色々な折り方を試しましたが、なかなか開いてくれず折りたたまれたままでした。30分ほど格闘しなんとか開いてくれたのですが…。位置が悪かったのでしょうか?(浅いのか深いのか)
こちらの質問の解決策は、カップが開きやすい位置に挿入することです。
最初のポイントは「挿入の向き」です。
腟はまっすぐ真上に向かっているわけではなく、おしり(尾骨)のほうにやや後傾しているため、折りたたんだカップは斜め後ろへ挿入します。
間違った方向に無理やりグイグイ挿入しようとすると、スムーズに入っていかず、痛みが生じやすいです。それでは正しい挿入位置までたどり着けません。
タンポンを使ったことがある方であれば慣れているかと思いますが、タンポンを使ったことがない方は、まずは腟の向きを知ることが大切です。
挿入の向きを確認したら、次のポイントは「挿入の位置」です。
折りたたんだカップは親指と人差し指(または中指)で保持しながら、深呼吸とともにスルっと入れてみてください。
どこまで入れれば良いのだろう…と不安になりますが、目安は人差し指の第二関節くらいまで。
ここでビクビクして躊躇してしまうと、挿入位置が正しい位置よりもだいぶ手前になってしまい、フィットしません。ここは覚悟を決めて、思い切って入れてみましょう。
これで挿入は完了です。
関連記事:買ったけど、入らなかった!そんなときも、月経カップをあきらめないで。リラックスしていれるための3つの工夫。
③ 挿入後:挿入後の微調整
<実際にいただいた質問>
かすかに漏れる…と言うか経血が滲み出る感じです。かすかに隙間が出来ているのかなと思うのですが…。この程度の漏れは普通なのでしょうか?
このようなお悩みを解決するためには、挿入後はカップを完全に開かせるための微調整が必要です。
トイレでおこなう場合は便座から少しだけお尻を上げ、カップを扱う手とは逆の手を膝の上にのせた状態で、程よい中腰の姿勢になりましょう。
一度、排便時のようにいきむとカップが下がってくるので、その状態で微調整するのがやりやすいと思います。
カップを完全に開かせるための微調整の方法は以下の4つです。
① カップの下のほうを、指でなぞってゆがみがないか確認する。(指は少し入れるだけで十分です)
② カップの下のほう(ステムの付け根近辺)を、何箇所かを軽くペコペコ押してみる。
③ カップの根元(ステムの付け根)をつまんで、左右に少し回転(半回転くらい)させる。
④ カップの根元をつまみ、左右・上下に小刻みにゆらす。
①〜④のポイントは、ステムではなく、カップ本体の根元をつまんでおこなうことです。
この部分はリムと言い、指が滑りにくいように溝や模様がついています。
カップの上部には小さな空気穴が空いていて、カップの内側の空気を外側に逃がすことでカップが開き、腟の壁と密着する仕組みになっています。
「内側の空気を穴から出す!」というイメージで実践してみてください。
そのうちに、うまくいくとパコっとカップが開いてくれます。うまくできると、開いた感覚が得られる場合もあります。
ここまで確認できたら、いきみを解除してスッと立ちあがってみましょう。カップが良い位置にセットされます。
それでもまだ心配な場合には、最終確認としてステムを軽く引っ張ってみてください。
うまく開いていて腟壁に密着していれば、引っ張っても動かず下がりません。
関連記事:月経カップ選びに役立つ!月経カップのデザインと機能を徹底解説
番外編:セブンフォールド派の筆者がおすすめする裏ワザ
セブンフォールドは折り口が数字の7の形にするのが基本ですが、折り方に少し変化を加えることでその後の開きやすさが変わることがあります。
例えば、折り方を少し緩めてひらがなの「つ」の字の形にしたり、逆にカップの側面ギリギリまで折ってアルファベットの「I」の字にしたりと、ひとつの折り方でもさまざまな工夫ができるのです。
最近の筆者のお気に入りは、後者の「I」の字型にするパターンです。
先端はかなり細くなるので挿入のしやすさがアップし、挿入後もカップを元の形に戻そうとする力が強いので、自然にパコっ!と開きます。
そのあとは、微調整①〜④を一通り確認します。
まとめ
月経カップが腟内の正しい位置できちんと開けば、経血が漏れることはほぼありませんので、挿入後に違和感があったり、経血が漏れてきたりする場合は、カップが腟内で完全に開いていない可能性が高いです。
初回からうまくいく方もいますが、通常はコツをつかむまでに何回か練習が必要となります。
ほとんどの方が、2〜3サイクル使っていくうちに、徐々にコツをつかんでいますので、1回目の生理でうまく使えなかったからといって、決してあきらめないでくださいね。
筆者が世界中のさまざまな月経カップを試した経験上、一見初心者向けにも見える、とても小さくて非常にやわらかいカップは、腟内できちんと開かなかったり漏れたりする傾向があります。
もしご使用中のカップが3サイクルくらい使ってみても、どうしてもうまく開かなかったり漏れが続くようでしたら、思い切って別のカップに替えてみてもよいと思います。
自分に合った月経カップを探したり、使い方を習得したりすることは、自分の体の知ることにもつながります。
「生理の日ももっと快適に過ごしたい!」「新しい生理ケアにチャレンジしてみよう!」と、せっかく決心して手に入れた月経カップです。
焦らずのんびりとした気持ちで、その過程を楽しみながら付き合っていけるといいですよね。
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