月経カップを使うと手が汚れる!?手指につく経血を最小限にする方法
2020.08.08これから月経カップ(生理カップ)を使ってみようかなと考えている人や、いざ使い始める人にとっての心配ごとのひとつに、「手が血まみれになるのでは?」ということがありますよね。
月経カップは、紙ナプキンやタンポンのように、経血を吸収させるものではなく、液体のまま腟の中に溜めておく生理用品です。
紙ナプキンユーザーやタンポンユーザーにとっては、液体のまま取り扱うことは想像がつかないものでもあります。
筆者は3年間、月経カップを使用してきて、「どうしてもほんの少しは経血が手につくけれど、血まみれになるほどではない」「工夫すれば、手につく経血は減らせる」という結論に至りました。
そこで、この記事では、「なるべく手に経血がつかないように挿入したり、取り出したりするためのコツ」をお伝えしたいと思います。
ビギナー向けの簡単なポイントを「挿入するときのポイント」、「取り出すときのポイント」の場面別に分けてまとめてみました。
いずれも難しいものではなく、ちょっとしたテクニックや一工夫でできるものばかりですので、月経カップを使ってみようかなと思っている方や、使っているけどかなり経血がついてしまったり、指を深く入れなくてはならず困っている方のヒントになればうれしいです。
【ビギナー向け】挿入するときのポイント
これから月経カップを使い始める方に、知っておいてほしいポイントをまとめました。
これを知っておくだけで、手につく経血は格段に減りますよ。
まずは、挿入するときのポイントです。
挿入前にきちんとデリケートゾーンを拭く
デリケートゾーンに経血が残っていると、指やショーツ、カップ本体に経血がついてしまいます。
カップを挿入する前には、トイレットーペーパーでしっかりぬぐっておきましょう。
また、自分で感じられるくらい経血が出ているときは、腟に残っている経血を押し出すようなイメージで下腹部に力を込めると、降りかかってきている腟内の経血をある程度出すこともができるので、ぜひこちらも合わせてチャレンジしてみてください。
指使いをマスターする
月経カップの折りたたみ方には、Cフォールド、パンチダウンフォールド、セブンフォールドなどがあります。
(上から、Cフォールド、パンチダウンフォールド、セブンフォールド)
まずは、どの折りたたみ方が自分にとって入れやすいのかを研究してみてください。
初心者の方の多くは、パンチダウンフォールドやセブンフォールドの折りたたみ方が折りやすく、挿入しやすいと感じるようです。
カップを着脱するときに使う指は、主に、利き手の人差し指、中指、親指の指先3本です。
また、腟に入れる部分は親指が第1関節、人差し指と中指は、入れるとしても第1~2関節くらいまでです。
挿入がスムーズにできるようになると、その分、入れる指の深さは浅くなりますし、手につく経血も少なくなるので、ぜひ練習してみてくださいね。
指使いをマスターする上で大切なのは、折り方のほかに、指の力のコントロールがあります。
月経カップは弾力があるので、折り曲げたとき、元の形に戻ろうと反発する強い力を指に感じると思います。
挿入の途中で指の力をゆるめてしまうと、途中でカップが開いてしまい、挿入に時間がかかってしまいます。
指に力を入れようとして、体全身を緊張させてしまうと、腟にも力が入ってしまい、カップがスムーズに入っていきませんので、指以外、特に下半身はリラックスした状態を心がけましょう。
普段、3本の指先だけに集中しつつ、下半身はリラックスさせることはあまりないですよね。でも、これが大切なんです。
3本の指先でカップをギュッとつまんでキープできるように、何度も練習しておきましょう。
最初のころは、折りたたんだカップを指先で保持するのが難しいかもしれません。
しかし、指の力をコントロールできるようになると、スムーズに挿入できるようになり、手につく経血は最小限に抑えられるようになりますよ。
左手を使った着脱練習もおすすめです。
ぜひ実践のまえにこちらの記事をチェックし、イメージトレーニングをしてみてくださいね。
はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと③:腟の外で行うイメージトレーニング
【ビギナー向け】取り出すときのポイント
続いては、腟に入れた月経カップを取り出すとき、なるべく手指に経血をつけないようにするためのポイントです。
取り出す前に、デリケートゾーンを拭いておく
デリケートゾーンが濡れていると、指が滑ってうまく取り出せない場合があるので、最初にトイレットペーパーやウェットティッシュで拭いておきましょう。
また、万一カップから経血が漏れていた場合、取り出す前からデリケートゾーンに経血がついている場合もあります。
この段階でしっかり拭いておくことで、経血が指につくことを最小限に防げます。
ウェットティッシュを使う場合は、ノンアルコールのものを選ぶのがオススメです。
その理由は、成分にアルコールが入っていると、腟粘膜への刺激となり、ヒリヒリしてしまうことがあるからです。
流せるウェットティッシュであれば、そのまま流してしまうことができ、とてもスマートですよね。
たくさんあってどのウェットティッシュを選んだらいいのかわからない場合は、デリケートゾーン専用のシートも売っているので、ドラッグストアなどでチェックしてみてくださいね。
子育て中のママさんなら、赤ちゃん用のお尻拭きや清浄綿でも代用可能です。
特に清浄綿は小包装なので、使いかけのウェットティッシュのように、乾いてしまう問題がありません。
ポケットなどに入れて持ち運びやすく、水分が多めなので、快適に使えます。
ウォシュレットが使える場所であれば、ウォシュレットを利用してデリケートゾーンを洗い流すこともできますよ。
取り出す前に、リラックスする
「早く取り出さなきゃ」と焦って取り出そうとすると、腟に力が入ってしまい、カップは逆に奥へと引っ込んでしまいます。
カップが奥に引っ込んでしまうと、余計に指を深く突っ込んで、腟の中を探らなくてはならなくなります。
こうなってしまうと、逆に指が汚れてしまいますよね。
実は月経カップは、挿入するときよりも取り出すときに時間がかかるものです。
このことを理解して、月経カップを取り出すときは、慌てずに、深呼吸してリラックスしてください。
リラックスしてから下腹部に力をいれていきむことで、カップは少しずつ降りてきます。
これを何回か繰り返し、カップが腟の入り口近くまで降りてきたのを確認してから取り出すようにすると、指をあまり深く入れなくて済みますよ。
カップを取り出したら、すぐに経血を流す
月経カップに溜まった経血の色や量を確かめることができるのは、カップの利点であり楽しみのひとつなのですが、初心者の方は注意が必要です。
実は、取り出したカップの表面には、少し経血がついています。
これは、もともとカップを挿入する前から腟壁についていた経血で、この経血があることで、カップは滑らかな動きでスムーズに腟内に挿入したり、取り出したりすることができます。
しかし、取り出すときには、この経血によって指が滑りやすくなっているため、うっかり経血の入ったカップを床に落としてしまう危険性があります。
想像してみてください、大惨事ですよね。(笑)
できれば、最初のうちは経血の色や量を見たい気持ちをぐっと抑えましょう。
便座に座ってカップを取り出す場合は、カップを抜き出している途中で、カップを傾けながら経血を便器に流すようにして、カップを空にしてしまうこともオススメですよ。
また、経血が満杯になったカップを取り出すときは、指にちょっと力を入れると、経血があふれることがあるため、そっと持つようにしてくださいね。
慣れないうちは、お風呂場で取り出すのがおすすめです。
【上級者向け】挿入するときのポイント
ここからは、月経カップの使い方にある程度慣れてきた上級者向けのテクニックをご紹介します。
ここにあるポイントをマスターすれば、月経カップのスキルがワンランクアップすること間違いなしですよ!
カップを一直線に折る
いつもの折りたたみ方に慣れてきた上級者の方は、違う折りたたみ方にもチャレンジしてみると、新たな発見があることがあります。
指に経血がつきにくい折り方として、筆者のおすすめの折りたたみ方は、セブンフォールドです。
セブンフォールドは、リムが数字の「7」の形になるように折るもですが、さらに経血を指につけないようにするためには、なるべくリムが一直線、一本のまっすぐな線になるように折ってみてください。
指で持つ場所は、折り曲げたリムとステムの根本です。
このようになります。↓
もはや「7」ではなく、英語の「I」なので、筆者はこれを「I(アイ)フォールド」と名付けました。(笑)
この形を保つためには、少し指に力が要ります。
うっかり手から力を抜くと、ポロッとカップが手から落ちてしまうため、爪の色が白くなるくらいしっかりと力を入れる必要があります。
でも、慣れれば大丈夫。力を込めるポイントがわかります。
力を込めるといっても、手がプルプル震えて疲れるというほどではないので、安心してくださいね!
手の小さい方や、握力がない方でも大丈夫ですよ。
なぜ一直線に折るのがよいかというと、一直線に折ることで、カップが長くなり、指が腟に触れにくくなるからです。
一直線に折れば、カップのリムの先端が鋭角になり、挿入しやすくなるのも利点です。
この折り方で挿入してみて、カップの3分の1から3分の2ほどが腟に挿入されたら、あとは指の位置を移動させ、カップの底やステムを押すことによって、カップを完全に腟の中に入れればOKです。
【上級者向け】取り出すときのポイント
取り出す前に、いきんで経血を出しておく
月経カップに慣れてきた方にぜひ試していただきたいのが、下腹部に力をこめていきみ、経血を出す練習です。
子宮から腟のあたりを意識して力を込め、中に溜まっている経血を押し出すような意識でいきんでみましょう。
いきむとともに、思いっきり息を吐き出すのも効果的です。
こうすることで、腟を下りかかっている経血や、腟壁についている経血を多少落とすことができます。
先述した「取り出す前に、デリケートゾーンを拭いておく」というポイントと合わせるとさらに効果的です。
骨盤底筋のトレーニングにもつながりますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
番外編:使い捨てのビニール手袋を使う
それでもどうしても手に経血をつけたくない方は、使い捨てのビニール手袋を使うのもひとつのアイディアです。
使ったあとの手袋はひっくり返して裏返しにすれば、経血のついた部分をクルリとひっくり返すことができるので、手もトイレも汚すことなく、簡単に捨てることができます。
ただし、ビニール手袋ごしだと、カップを掴む感覚がわかりづらく、カップを落としてしまったり、腟口を指でつまんでしまったりしやすいので、事前に腟外で手を腟にみたててビニール手袋を使っての挿入、取り出しもぜひ練習することをおすすめします。
なお、使用前のビニール手袋はそのまま持ち歩くと、使用前に汚れが付着してしまう恐れがあるので、必ず清潔な袋などに入れて持ち歩いてくださいね。
まとめ
いかがでしょうか?
月経カップを使うとき、どれほど気をつけても、指先に全く経血がつかないということはありません。
ですが、上記のポイントを身につけたことで、私は、「月経カップを使うと、どうしてもほんの少しは経血が手につくけれど、血まみれになるほどではない」「工夫すれば、手につく経血は減らせる」という結論に至りました。
月経カップを使いたいけれど、手が血だらけにならないか心配、と思っている方には、「その心配は要らないよ!」とお伝えしたいと思っています。
特に経血がつきやすいのは、人差し指と中指です。
しかし、上手に取り出せば、驚くような血がついたりはしません。
したたり落ちるほどの血ではなく、指先にちょっとだけつく、という程度です。
自分の経血におびえることなく、筋肉やテクニック、役に立つアイテムをうまく使って、上手に月経カップと付き合っていきましょう!
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