月経カップは取り出せなくなることはないの?
2024.11.06月経カップを使ってみようかなと思ったとき、「本当にちゃんと取り出せるの?」と不安に感じる方はとても多いです。
これは、月経カップの仕組みだけでなく、カップを受け入れる自分の身体の仕組みについても、意外とよく知らないことからくる不安かもしれません。
この記事では、月経カップの装着位置や身体の構造を解説しながら、「カップが取り出せなくなることはあるのか?」という疑問にお答えします。これを読めば、安心して月経カップにトライできると思います。
月経カップの装着位置はタンポンより手前
同じ挿入型でも、月経カップとタンポンは装着位置が違います。
月経カップは、腟口付近の比較的浅いところに装着します。目安は、指を第一関節まで入れたときに、指にチョンとステムが触れるくらいのところ。
一方のタンポンは、アプリケーターの挿入部を腟に入れたあと、押し出し用の内筒をギュッと押すことによって、吸収体が腟の奥の子宮口近くにセットされます。
図を見てみると、位置がだいぶ違うことがわかります。
月経カップは体のなかで迷子になることはない
カップ装着中は、姿勢や体の動きによって自然に上の方に移動することがあり、取り出そうとしたときに、指がステムに届かない場合があります。
「このまま取り出せなくなってしまうのではないか?」と不安になるかもしれませんが、身体の構造上、カップが体内で迷子になることはないので安心してください。
腟の長さは個人差があるものの、人差し指の長さほど(8〜10cm)しかないうえ、腟の奥で唯一つながっている子宮の入り口は、出産のとき以外はキュッと閉じられています。その狭い子宮の入り口から、にわとりの卵くらいの大きさのカップがスルスルと入り込むことは、物理的にありえません。
カップは必ず腟の中にあるので、まずは落ち着いて深呼吸をしましょう。
取り出しのときに指が届かない場合
取り出し時にステムに指が届かない場合は、無理やり腟に指を入れてカップを探すのではなく、まずは何度かいきんでみましょう。
いきみ方のコツは、おしっこを勢いよく出すときのように、お腹の中心に力を込めることです。力の入れ方がよくわからない場合は、トイレのときにぜひ確認してみてください。
おしっこを勢いよく出している動作は、骨盤底筋が緩んでいる状態。
いきみ方のコツをつかめば、上に移動してしまったカップは、徐々に下がってきます。
何度かいきんで、指先にステムが触れたら、つまんで軽く引っ張りながら、指をカップの底まで移動させます。
このとき、いきむのをやめたり、呼吸を止めたりすると、カップは元の位置に戻ろうとするため、できるだけ細く長く息を吐きながらいきみ続けるのがポイントです。
カップの底まで指が届いたら、2本または3本の指で本体をギュッとへこませて空気を抜き、腟壁との密着を解除します。
完全にカップが腟口から出るまで、指の力を入れたまま、できるだけカップを小さく折りたたんだ状態で引き抜くと、スムーズに取り出すことができます。
うまくカップをへこませるコツは、ステムの付け根から2cmくらい上をつまむことです。
私たちはここを「カップのツボ」と呼んでいます。この「ツボ」については、こちらの記事をぜひご参照ください。
月経カップは生理1-3サイクルで少しずつ慣れるもの
月経カップを最初からスムーズに使える方は、とてもラッキーです。
コンタクトに似ているともいわれています。最初は目に入れるなんて怖くて不安ですが、何度か使って一度慣れてしまうと、もう眼鏡に戻れなくなりますよね。
コンタクトを使っていない人にとっては、自転車も少し似ているでしょうか。最初から上手に乗れる人はほとんどいないですが、練習すればみんな乗れるようになって、便利さに感動しますよね。月経カップも同じです。
1回目は誰もが思い通りにいきません。挿入や取り出しに時間がかかったり、少しくらい漏れてたりしても大丈夫です。
インテグロの月経カップユーザーのほとんどが、生理2〜3サイクル目にはコツをつかみ、その後は使えば使うほど上達しています。
自分の身体を知る期間と考えて、ぜひ前向きに付き合ってもらえたらうれしいです。
それでもうまくいかないときや困ったことがあったら、カスタマーサポートにお気軽にご相談くださいね。