月経カップ初心者が今すぐ知っておきたい、月経カップの「ツボ」とは?

月経カップの使い始めたばかりの方から、「挿入するときに折りたたんだカップが途中で開きそうになる」「取り出すときにカップの密着を解除するのが難しい」「取り出すときにカップが腟口にひっかかって痛い」というお悩みを聞くことがあります。

そんな方のために、この記事では、月経カップ初心者の方がカップをもっと簡単に、スムーズに扱えるようになるための 月経カップの「ツボ」を伝授します。

そう、月経カップには、人間の体のように「ツボ」があり、そこを使いこなすことで驚くほど簡単にカップを操ることができます。

ぜひお持ちの月経カップを片手にこの記事を読み、「ツボ」のおさえ方をマスターしてみてくださいね。

なぜ、「月経カップは難しい」と感じるのか

月経カップのツボの話をする前に、月経カップの特徴についておさらいしましょう。

月経カップはとてもシンプルな形ですが、スムーズに使いこなせるようになるには、個人差はありますが、だいたい3クールくらいの時間がかかるといわれています。

なぜ、マスターするのに3クールの時間がかかるのでしょうか。

一番の理由は、カップを装着する腟の中は絶対に見ることができなから。

この課題の克服方法についてはこちらのブログで紹介しています。

その他にも、以下の3つの理由が考えられます。

 

理由1:月経カップは元の形に戻ろうとする力が強い

月経カップの素材には、主に医療用シリコーンが用いられています。

ツルツルでやわらかく、軽く指で押すことでペコッとつぶれますが、カップ装着中に溜まった経血が漏れないように、カップと腟壁を密着させる役割をもつ「リム(縁)」に、ほどよい弾力をもたせているため、指を離すとバイーンと勢いよく元の形に戻ります。

この性質から、月経カップの挿入や取り出しのときには、折りたたまれたカップが元の形に戻ろうとする力に負けないよう、しっかりと指でギュッと押さえ続ける必要があります。


理由2:月経カップは一番広い部分から挿入する

月経カップを初めて見る人のなかには、カップは細長いステム側から挿入するものと思う人もいます(笑)。

確かにそのほうが簡単に入りそうですが、残念ながら、それでは経血を溜めることはできません。

ということで、月経カップは、挿入のときは一番大きく広がっている部分(リム)から入れていき、取り出すときはリムが一番最後に出てくるようになります。

当然、折りたたまずにそのままの形でカップを入れたり出したりすることは難しいですよね。

ですから、月経カップの出し入れの際には、リムをできるだけ細く折りたたんで指で押さえ込み、その形をキープしておく必要があります。

 

理由3:指にぐっと力をいれると、腟も緊張しやすい

上記の理由1と理由2で、折りたたんだカップの形をキープするためには、ある程度の指の力が必要であることがわかっていただけたかと思います。

しかし、人間の体というのは、どこか一箇所に力を入れると、ほかの箇所も連動して力がこもる性質があります。

たとえば腕相撲をするときに、腕に力を入れたら、腰や足にも自然に力が入りますよね。

月経カップを使うときも同様です。

指先に集中して力を込めたとき、下半身も力が入ってしまった経験はありませんか?

下半身に力が入ると、腟も連動して緊張し、カップの出し入れがしづらくなってしまいます。

カップをスムーズに挿入するためには、腟もリラックスした状態にする必要があります。

コツは、息を「はあ~っ」とゆっくり吐くこと。指はしっかり、腟はふんわり、です。

そう、月経カップの挿入と取り出しには、指先の力のコントロールと、下腹部のリラックスが必要なのです。

これはおそらく、多くの人にとって、普段あまりやったことのない体の使い方だと思うので、はじめのうちは、戸惑って当然です。

月経カップのツボとは?

では、指使いを少しでもラクにマスターする方法はないのでしょうか?

実は、それを助けてくれるのが、月経カップのツボなのです。

カップのツボをおさえると、少しの力で、挿入や取り出しがスムーズにできるようになります。

ツボを理解することは、月経カップの使い方の上達につながりますし、挿入や取り出しの時短にもつながります。


月経カップのツボの位置

月経カップの使い方のコツ

 

では、カップのツボとはどこにあるのでしょうか?

それは、ステムの付け根から2センチほど上のあたりです。

この写真は、スーパージェニーですが、他のブランドのカップでもほぼ同じような位置になると思います。

写真には、平行にオレンジの線を引きましたが、すべて押す必要はなく、この線上のどこかに指を置いて、グッと押せばOKです。

なぜ、ここがツボなのか?

では、なぜ他の場所ではなく、ここが月経カップのツボだといえるのでしょうか?

それは、この位置が、月経カップ全体に働きかける場所だからです。

前述のとおり、カップはそのままの形では出し入れができず、変形させることによってはじめて、入れたり、取り出したりがスムーズにできます。

しかし、カップ全体に働きかける場所であれば、もっと上の、リムに近い部分のほうがいいのでは?と思うかもしれません。

確かに、リムの付近であれば、カップは写真のように簡単にまがります。

月経カップの使い方のコツ

 

でも、考えてみてください。

こんなに上のほうを持っていては、カップを挿入するとき、指を腟の奥のほうまで挿入しなければいけなくなりますよね。

取り出すときも同様に、指を奥まで入れてギュッとつままなければいけないのはとても大変です。

そう、月経カップは、基本的に下のほうを持つものなのです。

ツボの位置は、カップのかなり下のほうですが、ギュッと押さえることで、カップの上のほうまで力を伝えることができるのです。

挿入するときのツボの使い方は?

カップの折りたたみ方には、Cフォールド、パンチダウンフォールド、セブンフォールドなどがあります。

ここでも、どのフォールドでも、折りたたんあとは、ツボのあたりをギュッとつまみましょう。

月経カップのおすすめの折りたたみ方

 

写真のように、ツボを意識してつまむことで、簡単に折りたたんだままの形がキープできます。

使う指の力は最小限、なのに、安定感が増します。

取り出すときのツボの使い方は?

月経カップを取り出すときは、腟の中にあるカップを折りたたみ、腟の壁との密着を解除させる必要があります。

以下の写真のように、ステムの付け根付近だけをつまんだ場合、カップの上部まで折りまげることができません。

したがって、密着を解除することが難しくなります。

月経カップの取り出し方

 

そこで、ツボの出番です!

下腹部に力をこめて何度かいきみ、カップがゆっくりと降りてきたら、以下の写真のように親指をツボにぐっと押し当てます。

これを支点として、親指の左右から人差し指と中指の力を加えると、カップが「U」の字のような形に折りたたまれます。

月経カップの正しい取り出し方

 

この形のまま引き出すと、カップの上のほうが小さくすぼまり、痛みなく取り出すことができます。

 

注意!:ステムは引っ張らないで

月経カップ初心者の方がカップを取り出すとき、ついついステムだけに頼りすぎてしまうことがあります。

ステムはその見た目から、「取り出すときに引っ張るもの」と思いがちですが、そうではなく、腟の中にあるカップがどこにあるかを示すガイドのようなものなのです。

ステムを強く引っ張って無理やり取り出そうすると痛みが生じることもありますし、ステムの破損の原因になることもありますので、ステムは取り出すときにサポート役ということを覚えておきましょう。

ツボを制するものは月経カップを制する!

月経カップのツボを理解すると、驚くほど簡単にカップを操ることができます。

特に、ツボが活躍するのは、取り出しのとき。

カップは腟の中に入っていて見ることはできませんが、ツボを押さえることで、痛みなくスムーズに取り出すことができるのです。

これができたら、カップ上級者への第一歩!

ぜひ、皆さんもカップを手にとり、ツボを探して何度も押してみてください。

カップが自分の思い通りに形を変えてくれるのがわかれば、カップとの距離がグンと縮まること間違いなしですよ。

 

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