快適だけじゃない。カップ歴3年の40代主婦が感じている、月経カップのプライスレスなメリット
2020.12.18ナプキン、タンポンに次ぐ第3の生理用品として知られてきた月経カップ。
ここ1,2年ほどで、雑誌やテレビなどのメディアにもよく取り上げられるようになりました。
筆者(梅つま子)は、月経カップ歴3年の40代主婦です。
紙ナプキンを長く使った後、布ナプキンを数年間使用し、現在は月経カップユーザーになりました。
愛用しているカップは、「スーパージェニー」と「エヴァカップ」。
月経カップを使い始めてからの3年の間に、私は月経カップのメリットをたくさん感じてきました。
そのメリットは幅広く、「コスパがいい」「快適」など、経済面や体調へのメリットもありましたし、生活や考え方などがポジティブに変化したというメリットもありました。
この記事では、主に、月経カップを知ってはいるけれど使ったことがない方に、月経カップが、いったいどんなアイテムなのかを説明します。
そして、私がどのようにして月経カップのたくさんのメリットに気づいていったのかをお伝えしたいと思います。
月経カップを使い始めたきっかけ
月経カップを使う前は、布ナプキンを使っていました。
当時は、4歳と1歳の育児に追われる毎日。少しでも生活をシンプルに、楽にしたいと考えていたところでした。
布ナプキンには、「洗い、乾かす」という作業があります。
そもそも、経血のしみ込んだナプキンを洗うのは時間がかかるうえに、産後に生理が再開してからは、以前より経血が増えたように感じていました。
布ナプキンの快適さも感じてはいたけれど、「面倒くさい」と思う気持ちはどんどん大きく、見過ごせなくなっていました。
さらには、子どもの肌着なども増えてきたので、衣類の引き出しはパンパン。自分の布ナプキンの場所さえ惜しく感じるようになりました。
月経カップは慣れるまでにちょっと時間がかかると聞くけれど、私は、家を中心に過ごしているのだから、ちょっとくらい失敗しても、トイレも洗面所もお風呂もすぐそこ。
「月経カップにしたら、今感じている生理の負担を、もっと軽くできるのでは?」
「月経カップにチャレンジするなら今だ!」と思ったのがきっかけです。
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使用開始から1年目に感じたメリット
最初の何ヶ月かで、月経カップの入れ方や取り出し方をマスターし、使いはじめてすぐに気づいたのは、「生理期間がラクになる!」ということでした。
ズレなし、漏れナシ、体調よし
最初こそ、うまく入っているかどうかが判らずに気になったのですが、うまく扱えるようになってからは、「意識すれば月経カップが入っていることがわかるけれど、家事や他のことをしていると、月経カップの存在を忘れてしまう」といえるくらいに、痛みも違和感もまったくなく過ごせるようになりました。
体調は上々。
経血が直接、肌に触れることがないため、かゆみやかぶれはありません。
もちろん、ズレたり漏れたりという問題もなし。
ゴミなし、洗い物なし
普段の生活では、無駄な動線が減って、生活にゆとりができました。
月経カップ生活ではゴミが出ません。
そのため、トイレのサニタリーボックス自体が不要。サニタリーボックスを設置したり、ゴミを回収したりといった手間がありません。
洗濯物も、少なく済みます。
布ナプキンを使っていたころは、使用したらすぐに経血を洗い流して洗濯し、すぐに乾かさなければ、と思っていました。
しかし、月経カップにしたところ、ショーツに経血はつかないので、普通の洗濯物と一緒に洗濯機に入れるだけ。
つけおきや、こすり洗いといった「すぐにやらなければいけない作業」がほとんどありません。
月経カップを1日に1回石けんで洗う必要はありますが、お風呂のタイミングで一緒に洗うだけ。
洗ったらすぐに濡れたまま再挿入できるので、乾かす必要もありません。
生理の「緊急事態」が発生しない
これまでの経験を考えてみると、生理のことに関しては、何かが起こると、それはいつも緊急事態。
すぐ対応しなければならないことが多かった気がします。
たとえば、経血が服やシーツについてしまったら、すぐに洗い落とさないと、シミになってしまいます。
ドロッと経血が降りてくる感覚がしたら、今すぐトイレに行って、漏れていないかチェックしたい。
ナプキンの在庫が切れたら、すぐに必要ですよね。
紙ナプキンユーザーだったころは、コンビニやドラッグストアなどにあわてて買いに走ったことが何度もありました。
こうしたことは、「明日でいいや」、「また今度、何かのついでに…」とはいきません。
でも、ズレない・漏れない、再利用可能な月経カップにしたら、そもそも「今すぐ対応しなければいけない事態」になりにくいんだと気づきました。
1年目から2年目に感じたメリット
月経カップを使いはじめて1〜2年ほど経過したころ、月経カップのメリットを「生理期間外」に感じることが増えました。
「月経カップを使うことで、生理期間以外も(=日常的に)ラクになっている」ということに気付きはじめたのです。
「生理になるかも?」の心配なし
月経カップに慣れて、外出先でも月経カップのリセットができるようになったことで、「いつ、どんな用事が入っても、月経カップがあれば大丈夫」と思うようになりました。
たとえ旅行であっても、プールであっても、長距離移動であっても、ドンと来い、です。
以前だったら、「生理にあたっちゃうかもしれない。生理だったら、別のプランに変えたほうがいいかな?それとも、日程を変えたほうがいいかも?」と思っていたところです。
つまり、気づかないうちに、生理じゃないときでも、生理のことが常に頭の中にあって、無意識のうちに心配事になっていたようです。
月経カップを手に入れてからは、もう、そういう心配は無用になりました。
生理だからといって何も特別なことはない。生理が理由でNGになる活動はありません。
手荷物が増えることもない。トイレの回数が増えることもない。着る服を制限しなくていい。
ただ、普段どおりに生活するだけ。
「生理にあたるかどうか」を気にして、先を見越したり、あれこれ手を打っておく必要がなくなったのです。
生理の心配が減っただけで、心はずいぶん軽く、自由になりました。
尿漏れ改善
同時に、このころから骨盤底筋を意識できるようになり、産後気になっていた尿モレの症状が改善してきたのを感じました。
骨盤底筋とは、骨盤の底にあり、子宮、膀胱、腸などの内臓を下からネットのように支え、尿道を締めたりゆるめたりすることで排尿をコントロールしている筋肉群です。
月経カップの出し入れのときには、この骨盤底筋を意識して、リラックスして月経カップが腟に挿入しやすいようにしたり、ぐっと引き締めて、月経カップを正しい位置に収めたりします。
つまり、月経カップを使うことは、自然に骨盤底筋のトレーニングになっている側面があるのです。
毎月、月経カップを使い続けているうちに、以前は存在もよく知らなかった骨盤底筋が、「自分で意識して動かせる筋肉」にレベルアップしました。
そして、尿モレ対策として、月経カップと併用で使っていた布ナプキンをとうとう卒業。
自分の体に対する理解が深まり、骨盤底筋の状態がよくなってきたことを感じて、自信になりました。
月経カップは、生理のときだけ助けてくれるアイテムというよりは、日常のクオリティをあげてくれるアイテムだと感じるようになってきました。
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2年目~3年目に感じたメリット
月経カップを使い始めて3年経った今では、月経カップを手にした当初は考えもしなかったメリットを感じるようになりました。
それは、月経カップを使うことによって身に付いてきた意識や考え方であり、これからの自分にもたらしてくれるだろうメリット。「将来にわたるメリット」です。
頻尿を改善する
骨盤底筋がしっかり回復してきたからか、尿漏れが改善しただけでなく、頻尿もだいぶ落ち着いてきました。
トイレの間隔が長くなって、夜中にトイレのために起きて布団を出なければならないことがなくなりました。
第1子妊娠中から8年間、夜中にトイレのために起きることは日常茶飯事でした。当然、睡眠時間は細切れです。
それが、朝までぐっすり眠れるようになったのです。
もし、月経カップを使っていなかったとしたら、もともと頻尿の自覚があった私は、加齢に伴って、排尿トラブルを起こしていたのではないかと思います。
「骨盤底筋を鍛えるために、月経カップを使おう」と思ったわけではないけれど、月経カップで骨盤底筋がなじみの存在になり、状態もよくなってきていると実感でき、うれしく思っています。
婦人科検診のハードルが低くなる
意外なオマケは、こんなところにもありました。
月経カップを使い続けることで、毎年1年受けている婦人科検診を、それほど負担に思わなくなっている自分に気がついたのです。
2児の母であり、何度も産婦人科に通ってきた私でさえ、婦人科検診は、積極的に「行きたい」と思う場所ではありません。
「めんどくさいな~、できれば行きたくない」と思っているし、「痛かったらイヤだな…」と、他の検診と比べて、何倍もネガティブな意識を持ちがちでした。
しかし、あるとき、「早く予約しなきゃ。イヤだな」などと身構える気持ちが消えてきて、とてもフラットな気持ちで検診の日を迎えているのに気づきました。
毎月月経カップを使っていることで、腟が身近になっていることに加え、月経カップを挿入したり、取り出したりするときのリラックスする体の感覚がつかめているので、どうすればうまく力を抜けるかがわかってきて、「早く終わらせたい、できれば避けたいもの」という意識がなくなってきたのだと思います。
性教育に使える
さらに、月経カップを使うことで、腟という場所がどういう場所なのか、体験に基づいた知識がついてきました。
常在菌がいて、常に弱酸性に保たれていることや、指くらいの長さがあること。先には子宮があり、その入り口はかたく閉じられていること。
尿道と近く、月経カップの入る位置の直前には膀胱があることなども、本で読んだ知識としてではなく、私が把握し、私が感じている私の体の中のこととしてわかるようになりました。
こうして、月経カップを使用するようになって知識が身につくにつれ、月経カップが性教育にも使えるアイテムだと思うようになりました。
実は、私が月経カップの性教育アイテムとしての可能性に気づくよりも先に、娘が月経カップを見て、「なにこれ?かわいい!」と興味を示したのです。
カラフルで、コロンとしたかわいい形のカップを、娘はとても気に入っています。
私の娘はまだ7歳なので、実際に生理用品を手にするのも、生理の仕組みについて学ぶのも、もう少し先ではありますが、7歳の娘に私が教えているのは、
「月経カップは大きく見えるかもしれないけど、入れても、痛くないんだよ」
「このカップを入れる穴の先に、赤ちゃんのお部屋があるんだよ」
「生理のときは血が出て、多いときは、このカップが、朝から昼過ぎくらいでいっぱいになるくらいかな」など。
月経カップを使うと、子どもに対してもわかりやすく、女性の体やその仕組みを伝えることができると感じています。
腟という場所が、自分の体の一部で、「自分で扱える場所」だと理解することで、子どもがこれから向き合う「性」に対して、受動的ではなくて、主体的なイメージを持つのに一役買ってくれると思っています。
3年間で得た、お金に換算できないプライスレスなメリット
3年経った今、感じているのは、月経カップは、私にとって生理用品を超えた、QOLを改善するアイテムだということです。
月経カップを使い始めてからの3年間で、私の生理に対する認識や身体観は大きく変わりました。
月経カップが私に与えてくれたインパクトは、予想外で、かつ、お金に換算できない価値がありました。
特に、「頻尿を改善する」、「婦人科検診のハードルが低くなる」、「性教育に使える」というのは、思ってもみない「副産物」でした。
この大きすぎるくらいの副産物は、月経カップ生活を長く続けたからこそたどり着いた心境であり、月経カップをこれからも使い続けていきたいというモチベーションにもつながってます。
生理用品として優れているだけでなく、生理に関する心配事を取り払ってくれ、排尿機能を改善し、性教育にも使えるアイテム。
生理用品に限らず、これだけの効果を得ることができるアイテムが他にあるでしょうか?
40代になって、体力の衰えを感じたり、子育てや忙しさのなかで自分の時間が取れないことへの悩みが、身近になってきました。
だからこそ、月経カップがもたらしてくれた、「自分の向上がわかる」、「何かにチャレンジすることを後押ししてくれる」という感覚が貴重に思えます。
自分の上達を感じたり、体調を気にせず挑戦する気持ちが芽生えたりすることは、大人になると、なかなか得られないものだからこそ、月経カップがくれた自分の変化を、さらにいとおしく思うのです。
月経カップを、未来への自分へのプレゼントに
3年前、どうしたらもっと生理の負担を軽くできるのかな?と考えたことから手に取った月経カップ。
当時は、「少しでも生理がラクになれば」とだけ思っていましたが、これはただの生理用品ではなく、未来への自分へのプレゼントでした。
この記事を読んでくださった方が、これから月経カップを手にされるのなら、私は少しうらやましく思います。
月経カップにチャレンジするワクワクを、これから味わえるのですから!
インテグロでは、カスタマーサポートが充実しています。
「うまく使えなかったらどうしよう?」「そもそも、どんなカップを選べばいい?」「お手入れ方法は?」
こうした疑問が解消するブログ記事が充実していますし、その他、気になることは、カスタマーサポートから質問できます。
私も月経カップアンバサダーの一人として、皆さんのチャレンジを心から応援しています!
皆さんが、月経カップと素敵な出会いをし、長いお付き合いのなかで、楽しい発見ができますように。
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