はじめて月経カップを使う前にやっておきたいこと①:月経カップの特徴や構造を理解する

2020.01.20

月経カップの評価やレビューをチェックすると、「人生が変わった!」「もっと早く出会いたかった!」という感動の声がたくさん見られます。

トイレに行く回数が減った、子どもと一緒にお風呂に入れる、ナプキンかぶれがなくなった、などなど、メリットがたくさんの月経カップですが、その一方で、「使いこなすまでに何度か練習や研究が必要」というデメリットがあるのも事実です。

それが理由で、カップデビューを見送っている方や、「挑戦してみたけどやっぱり難しい。。。」と、せっかく買ったカップの使用を、すでにあきらめかけている方もいるかもしれません。

月経カップを注文して手元に届いたら、とりあえず使ってみるという勢いのよさも必要ですが、カップを少しでも早く使いこなせるようになるために、「はじめて月経カップを使う前にやっておきたい3つのこと」があります。

1つ目は、「月経カップの特徴や構造と役割を理解すること」です。

カップはこれから数年間付き合っていくアイテムなので、まずはじっくりと相手(カップ)のことを観察し、理解してあげることから始めてみましょう。

 

カップをつぶしたり折り曲げたり、自由に触ってみよう

私たちは、はじめて会う異性と、その日のうちにお付き合いをスタートするということはなかなかないと思います。

この人はどんな性格なのか、どのような異性がタイプなのか、趣味や食べ物の好み、どこに住んでいるのか、自分との相性はどうなのか、などなど、相手と接しながらいろいろなことを考えますよね。

場合によっては周りの人に相談することもあるでしょう。

実は、カップを使うときも同じです。

はじめて手にするカップのことを理解しないまま、とりあえず使おうとすると、挿入や取り出しがうまくいかない原因につながります。

箱を開けてカップを取り出したら、まずは自由に指でつぶしたり、折りたたんだりして、カップの感触を体感してみてください。

初めて触れたカップは、想像していたよりもかたいと感じる人もいれば、思ったよりやわらかいと感じる人もいるでしょう。

どこまで小さく折りたためるのか試してみたり、折りたたんだあとに指をパッと離し、カップが開く弾力を確かめたり、ステム(尻尾部分)を軽く引っ張ってみたり、いろいろ試してみてください。

筆者はカップを使い始めたころは、暇さえあればカップを触っていました。

今思えば、あのときにたくさんカップに触れたことで、カップをうまく保持するための指の力や、着脱時にカップをコントロールする感覚が身についたと思っています。

カップはこれから長く付き合っていくものですので、最初の出会いはぜひ大切にしてあげてください。

月経カップ

 

カップの構造と役割を理解しよう

カップの感触を確かめたら、次は、カップの構造と役割について理解することです。

腟の中の様子はどうがんばっても見ることができませんが、この部分をきちんと予習しておくと、いざ使うときに腟の中で起こっていることがイメージしやすく、どうすれば上手くいくかを考えやすくなります。

挿入や取り出しのときに、指の力だけに頼るのではなく、カップの各部位の役割を十分に活用することができれば、効率よくカップを扱えるようになりますよ。

それではカップの各部位と役割について紹介します。

月経カップの構造

関連記事:月経カップ選びに役立つ!月経カップのデザインと機能を徹底解説

 

リム(縁)

カップの上部で、もっとも分厚くなっている部分を「リム(縁)」といいます。

リムは、経血が漏れないように腟壁と密着させる役割を果たしています。

最初にリムを見たとき、そのしっかりとした厚さにおどろかれる方もいるかもしれませんが、経血が漏れないように腟壁とピタッと密着させるには、ほどよい分厚さが必要です。

カップのブランドによっては、リムがとても分厚くてかたすぎて、折りたたみにくかったり挿入しにくいものもあります。

一方で、リムがやわらかいと挿入しやすい反面、やわらかすぎると、挿入できたとしても腟圧に負けてゆがみやすく、それが経血漏れの原因となります。

エヴァカップとスーパージェニーのリムは、かたすぎず、やわらかすぎず、ほどよい分厚さがあるため、個人的には非常に使いやすいと感じています。

リムの役割を理解すると、分厚さやかさたに不安を感じた方も、「なるほど、これが漏れを防いでくれるんだ。」という安心感に変わり、それだけでリラックスしてカップデビューできると思いますよ。

月経カップのリム

 

空気穴

リムの少し下の部分をよく見てみると、小さな穴が4つ空いています。

この小さな穴も、カップをスムーズに着脱するための大事な役割を果たしています。

空気穴は、挿入時にはカップの内部の空気を抜いて、腟壁と密着させるのをサポートし、取り出すときには穴に空気を通すことでカップと腟壁との密着を解除することができます。

もし、カップの着脱が上手くいかない場合には、この空気穴のことを思い出し、穴に空気を通すイメージをしてみてください。

ちなみに、空気穴からは経血は出てきません。

液体には表面張力という力があるので、この小さい穴から経血を出すには、外からの強い力が必要になります。

カップに水を満杯までいれて手のひらでフタをして、ひっくり返してみてください。

そして、カップを持っている方の指で思いっきりカップを潰すと、穴からピューっと水が出てきます。

そのくらいの強い力を加えないと、穴から液体は出てこないのです。

カップを使ったときに、たとえ少量の経血が漏れてしまったとしても、穴のせいではありません。

経血漏れは、カップが完全に開いていない場合や、装着位置や角度のズレによって起こることが多いです。

カップを洗うときにはこの穴に汚れがたまらないようにしっかり洗ってください。

また、使用前は穴に汚れがたまっていないか必ずチェックしましょう。

 

関連記事:月経カップが開かない!月経カップをスムーズに開かせる3つのコツ

 

目盛り

次に、カップの内側をのぞいて見ましょう。

横線と数字が見えますよね。

これは経血の量をはかる目盛りです。

カップは自分の経血量がひと目でわかるという大きなメリットがあります。

ぜひ、カップを空にするたびに記録をつけ、1日ごとの経血量や、日数による量の変化をチェックしてみてください。

自分の生理の傾向を知ることで、カップを空にするタイミングが分かるようになったり、経血量に合った生理用品の選択ができたり、生理中の自分の予定も組みやすくなりますよ。

また、経血量が非常に多い方は、婦人科を受診したときに過多月経かどうかの診断にも役立てることができます。

 

関連記事:あなたは過少月経?過多月経?ひと目で分かる経血量の違い

 

リブ

カップ本体の下部(底)は、ツルツルではなくギザギザになっています。

この部分を「リブ」といいます。

リブは日本語で「あばら」という意味です。

リブステーキのリブです。

リブのギザギザは、取り出すときの指のすべり止めの役割を果たします。

スーパージェニーのリブは星柄になっていますが、これはかわいいからという理由だけではなく、カップが取り出しやすいように加工されたものです。

取り出すときには力ずくでステムを引っ張るのではなく、このリブをギュッとつまみ、カップと膣壁との密着を解除してから、そっと引っ張るようにしましょう。

腟からカップを見たとき

 

ステム(尻尾部分)

カップの先端の部分は「ステム」といいます。

日本語で「(花の)茎」という意味です。

たしかに、カップ本体がお花だとしたら、それを支える茎みたいですよね。

ステムはカップを取り出すときに、腟内でカップがどこにあるのかを知らせてくれる役割があります。

カップは、排便をするときのようにいきむと下がってくるので、取り出すときは人差し指を膣口の近くにセットさせておきましょう。

何回かいきむと、下がってきたカップのステムが指先に触れますので、そこでカップの位置が確認できます。

ステムだけを勢いよく引っ張って取り出そうとすると、腟内が吸引されて違和感や痛みを生じるので、ステムを見つけたら、指をリブまで移動させて、リブをつまみながらそっと取り出すようにしましょう。

関連記事:月経カップの取り出しが痛い?ステム(尻尾)の役割と使い方を徹底解説

 

さいごに

カップの素材である医療用シリコーンは非常に耐久性があり、洗って繰り返し使用できるので、これから何年も付き合っていく相棒のような存在になると思います。

カップを使う前に、相手(カップ)のことをよく理解することで、いざトライしたときに上手くいかないことがあったとしても、その原因をカップのせいにすることなく、前向きな気持ちで試行錯誤できるようになります。

筆者は、モノにも心があると思っています。

カップを使うときは丁寧に、そして楽しみながら、じっくりと向き合ってみてくださいね!

 

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インテグロ株式会社  生理ケア&月経カップアドバイザー

1990年東京生まれ。筑波大学体育専門学群 卒業、中高保健体育教員免許取得。筑波大学人間総合科学研究科体育学専攻 博士前期課程 修了。

小さいときから身体を動かすことが好き。3歳から水泳を始め、約18年間競泳選手として活躍。大学院在学中は、スポーツを通じた国際協力としてNGOにてカンボジアの小学校の体育科教育の普及に携わる。また、日本では小学生から大人までの幅広い年齢層に水泳の指導を行う。

2017年月経カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わり、月経カップを通じて女性がより快適で自由に過ごせるように、社会や家庭でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになる。世界中の数十種類もの月経カップを試してきた経験から、月経カップの選び方や使い方、経血量やライフスタイルに合わせた生理ケアについて、アドバイスを行ったり、ワークショップを開催したりしている。

現在、女性の体や性教育、妊娠・出産・子育てについてより専門的な知識を身につけるため、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会(代表理事:丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄先生)主催「これだけは知っておきたい」講座を受講中。