新しい生理用品「生理カップ」とは?メリットとデメリット

2019.10.08

女性なら誰でも長い年月付き合っていかないといけない生理。生理が来るたびに腹痛や頭痛、気分の落ち込み、不安感など、さまざまな不調に悩まされる方が多いのではないでしょうか。

ナプキンやタンポンは、生理中の女性にとっては必要不可欠のアイテムです。しかし最近、ナプキンやタンポンに替わる新しい生理用品「生理カップ(月経カップ)」が登場してきました。

この新たな生理用品は、今後私たちの生理中の憂鬱を軽減してくれるかもしれません。

では一体生理カップとはどのようなものなのか、これまで使ってきたナプキンやタンポンとの違い、特徴、メリットやデメリットなどを整理して見ていきましょう。

 

新しい生理用品「生理カップ」とはどのようなものなのか

月経カップの構造

名称

日本語では生理カップや月経カップ、英語では「Menstrual Cup(メンストラルカップ)」と呼ばれ、主に欧米ではさまざまな種類のカップが製造•販売されています。

日本ではまだまだ認知度が低いですが、欧米ではユーザーが多く、その種類も豊富。

薬局でナプキンやタンポンと同じように気軽に手に取ることができるくらいにほぼ常識となっています。

特徴

生理カップは主に鈴型をしていて、大きさはピンポン球くらい。

素材には、医療用シリコーンや天然ゴム(ゴムアレルギーには不向き)が使用されているので、体内に挿入しても安心です。

膣内で経血をキャッチするため、ナプキンのような蒸れやかぶれが発生することはありません。さらに、悩みのひとつである「臭い」の心配もありません。

正しく使用すれば、快適に生理中を過ごすことができる新しいアイテムとして注目されています。

耐久性

生理カップの寿命は、適切に洗浄•保管をすれば最大10年間使用できるという驚きの耐久性があります。

現在広く使われている生理用品は主に使い捨てですよね。

数年前に話題となった布ナプキンは、洗って繰り返し使えるため、エコ商品として今でも多くのユーザーがいると思います。しかしその耐久性については、使用方法にもよりますが5年程度。

また、汚れるたびに洗濯するため、普通の日でも1日4〜7枚(個人差あり)は所持しておく必要があるそうです。さらに経血の汚れをしっかり取るには、通常の洗濯洗剤ではないアルカリ性の洗剤を使用したり、浸け置きをする必要があったりします。

身体と環境にはよくても、かなりの手間がかかりそうです。

その点、生理カップは水でサッと拭いたり洗ったりするだけで再使用可能ですし、生理中は1日1回低刺激性の石けんで洗浄すれば大丈夫です。お手入れも簡単ですね。

 

ナプキンとタンポンとどう違うのか

生理カップの基礎知識がわかったところで、さらに具体的に今使っているナプキンやタンポンと生理カップにはどのような違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。

ぶら下げた生理用ナプキンとタンポン

ナプキンのメリットとデメリット

ナプキンのメリットは、だれでも簡単に使用でき、使用後はすぐに捨てられる手軽さでしょうか。

これまで初めての生理のときに母親からナプキンを渡されて以来、「生理=ナプキン」ということに、何も疑いも待たない環境で育った私たちとしては、あらためてそのメリットを考えたことが少ないかもしれません。

一方、デメリットはすぐにいくつか思いつきます。

  • 経血の量や季節などによって蒸れが生じて不快である
  • 長時間蒸れることで、かぶれやかゆみが出ることもある
  • 臭いが気になる
  • 動き方によってナプキンがずれて漏れることもある
  • 量が多い日は頻繁に交換する必要がある
  • 朝起きたら漏れていて、洋服や布団を汚してしまうことがある
  • 荷物がかさばる
  • ナプキンに使われる化学物質が子宮に悪影響を与えるのではないかと心配

などなど女性は常にこれらの悩みと共に生理中を過ごしていることでしょう。

 

タンポンのメリットとデメリット

タンポンのメリットは、ナプキンよりも長時間の使用が可能なことでしょうか。膣内で経血を吸収することから、入浴や水泳時に使ったことのある方も多いと思います。

個人差はありますが最大8時間使用可能な製品が多く、看護師やキャビンアテンダントなど自分のタイミングでトイレに行けない職種やスポーツをする女性などには重宝されている製品なのではないでしょうか。

綿の先には紐がついているので取り出しも簡単です。

しかしデメリットとしてはやはり量が多い日は4時間程度で綿の吸収量のキャパをオーバーしてしまい、紐を伝って漏れてしまうこと。

そもそも膣内に筒状のものを挿入することに抵抗がある方も多いと思います。

長時間放置することによって膣内が不衛生になり、トキシックショック症候群(次項で説明)という病気を引き起こす危険性もあります。

参照:「生理カップについて

 

トキシックショック症候群

トキシックショック症候群(以下:TSS)とは敗血症の一種でごく稀な病気ではありますが、男性、女性、子供の誰もがかかる可能性のある感染症です。

TSSは黄色ブドウ球菌によって引き起こされ、急な発熱や吐き気、失神に近い症状が出ることもあります。

ここで驚くのがTSSはごく稀な病気でありながら、発症した患者の半数がタンポン使用者であることが研究の結果から分かっています。

タンポン使用とTSSの関連性は明らかになってはいませんが、少なくとも要因があることは示唆されています。(参考:一般社団法人 日本衛生材料工業連合会(JHPIA)HPより)

普段なにげなく使用している生理用品ですが、使い方を誤ると命に関わる危険性があることを念頭においておきましょう。

参考:「TSS(トキシックショック症候群」について」 一般社団法人日本衛生材料工業連合会

関連記事:生理カップがTSS(トキシックショック症候群)を引き起こす!?

 

生理カップ使用時におけるメリット•デメリット

さてこれまで日本で馴染みがあり多くの女性が使い慣れているナプキンやタンポンについて、そのメリットやデメリットをあらためて整理してきました。ではこれから、新しい生理用品「生理カップ」のメリットとデメリットについて解説していきます。

 

メリット

(1)長時間使用可能

生理カップは個人差がありますが最大12時間まで連続使用が可能です。量が多い日はもう少し短い時間で中身をリセットする必要がありますが、ナプキンやタンポンよりもはるかに長い時間を安心して過ごすことができるため、確実にトイレに行く回数を減らすことができます。

また、生理カップによるトキシックショック症候群が発症した事例はまだ報告されていないのでその点でも安心して使用できます。

(2)蒸れたりかぶれたりせず快適

生理カップは、膣内にカップを挿入し、膣内で経血を溜める仕組みになっているため、下着の中が蒸れたりかぶれたりする心配がありません。

正しく挿入できれば普段と同じように過ごすことができます。

生理のたびに肌がかぶれてツライという方には、特におすすめです。

関連記事: 生理中のトラブル!ナプキンの「蒸れ」「かぶれ」の原因とその対策

(3)臭いが気にならない

生理中気になるのが「臭い」という方は多いのではないでしょうか。

この臭いは、経血が空気に触れて酸化することで発生します。生理カップはカップを外すまで経血が空気に触れることがないので酸化することがありません。したがって臭いを気にせず使うことができます。

関連記事:気になる生理中の臭い。その原因と対策とは?

(4)長期間使えるため、お財布にも優しく、エコ

正しく洗浄•保管すれば生理カップは最長10年間使用できるともいわれています。

毎月ナプキンやタンポン、必要によってはサニタリーショーツなどを購入し続けることを考えるとお財布にはかなり優しく、さらにゴミを出さないため地球環境にも優しくエコです。

関連記事:人生で生理にかかる費用って一体どのくらいなの? 生理用品別でシミュレーションしてみた

(5)荷物が減る

楽しみにしていた友達との温泉旅行、彼とのデート、海外旅行などなど…大事なイベントに生理が重なってしまった経験は誰もがあると思います。

ただでさえ荷物が多いのに、それに加えて生理用品を過不足なく用意しなくてはいけません。それだけでうんざりしますよね。

しかし生理カップはポーチやカバンのポケットにひとつ入れておくだけで済み、荷物がかさばりません。移動中や宿泊先で漏れの心配もなく楽しむことができるでしょう。

関連記事:楽しみにしていた旅行と生理がかぶりそう!気楽に身軽に過ごせるおすすめアイテムとは

デメリット

(1)慣れるまでは練習が必要

ピンポン球サイズのカップを膣内に挿入することは正直なところ最初は難しく、慣れるまでは少し辛抱が必要です。

取れなくなったらどうしようという心配もあると思いますが、生理カップはタンポンよりも挿入位置が手前なので怖がることはありません。

慣れた先にはこれまでにない快適さが待っていると信じ、根気強く何度かトライすることをおすすめします。

関連記事:買ったけど、入らなかった!そんなときも、生理カップをあきらめないで。リラックスしていれるための3つの工夫。

(2)手が汚れる

トイレで生理カップを取り出す際、どうしても指が汚れてしまいます。自宅ならまだしも外出先のトイレでの処理は慣れるまで難しいでしょう。心配な方はウエットティッシュを用意しておくと安心です。

自宅であればシャワーの時間にカップの洗浄とリセットを同時におこなってしまうと、汚れてもすぐに洗えるので楽チンです。

関連記事:外出先の公共トイレで生理カップはどうやって交換するの?

(4)初期投資がかかる

生理カップは種類にもよりますが安くても3000円以上はします。数百円で手に入れられるナプキンに比べたらかなり高価な印象を持つでしょう。

しかし今後10年近く使用できると思えば十分に元は取れると思いませんか?

関連記事:人生で生理にかかる費用って一体どのくらいなの? 生理用品別でシミュレーションしてみた

 

生理カップの使用上の注意点

(1)1日1回は洗浄する

生理期間中、少なくとも1日1回は石けんで洗浄してください。石けんは低刺激性のものをおすすめします。

さらに生理前後には煮沸消毒をして殺菌することでより安全に使用できます。

水洗いする生理カップ

関連記事:生理カップの煮沸消毒って必要?カップを長く使用するためのメンテナンス方法についてご紹介

(2)無理に取ろうとしない

タンポンのように先に紐が付いていないため、取れなくなったらどうしようという心配があると思います。だからといって無理やり取ろうとしないでください。爪で膣内を傷つけたり、ステムの破損の原因となるので注意してくださいね。

腹圧を入れながら排便をするときのようにいきむと、カップのステム(尻尾)部分を指先で確認することができます。

(3)使用前後は手を洗う

カップの挿入•取り外しの際は膣内に指が触れることになります。膣には常在菌による自浄作用はありますが、安心して使用するためにも使用前後は手を洗うことをおすすめします。

 

まとめ

新たな生理用品「生理カップ」について、その特徴、従来のナプキンやタンポンとの違い、そのメリットとデメリットについて説明してきました。

日本では認知度は低く店頭で手に取れることはまだありませんが、最近ではAmazonや楽天などの通販で簡単に手に入れることができるようになりました。

輸入品がほとんどのため初期投資が思った以上にかかるかもしれませんが、長い目でみれば非常にお得だと思います。

これまで生理が憂鬱でしょうがない、特に蒸れやかぶれなどに悩んでいる方、経血量が多くていつも漏れを心配している方、いろいろなことにアクティブに活動している方はぜひトライしてみてください。

 

まずは、生理カップの特徴、使い方などについて動画をチェック!

 

生理カップ使用歴約1年の梅つま子さんの「生理が来るのが楽しみに!生理カップの特徴、サイズ、使いやすさを比較してみた使用レポ」もおすすめです。

「容量」「サイズ」をはじめ、「装着しやすさ」「漏れにくさ」「はずしやすさ」についてなど非常に詳しく書かれていますので、生理カップ選びの際にぜひ参考にしてみてください。

関連記事: 

生理カップ選びに役立つ!生理カップのデザインと機能を徹底解説

気になる生理カップの評価は?ユーザーのレビューをご紹介 ①

インテグロ株式会社  生理ケア&生理カップアドバイザー

1990年東京生まれ。筑波大学体育専門学群 卒業、中高保健体育教員免許取得。筑波大学人間総合科学研究科体育学専攻 博士前期課程 修了。

小さいときから身体を動かすことが好き。3歳から水泳を始め、約18年間競泳選手として活躍。大学院在学中は、スポーツを通じた国際協力としてNGOにてカンボジアの小学校の体育科教育の普及に携わる。また、日本では小学生から大人までの幅広い年齢層に水泳の指導を行う。

2017年生理カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わり、生理カップを通じて女性がより快適で自由に過ごせるように、社会や家庭でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになる。世界中の数十種類もの生理カップを試してきた経験から、生理カップの選び方や使い方、経血量やライフスタイルに合わせた生理ケアについて、アドバイスを行ったり、ワークショップを開催したりしている。

現在、女性の体や性教育、妊娠・出産・子育てについてより専門的な知識を身につけるため、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会(代表理事:丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄先生)主催「これだけは知っておきたい」講座を受講中。