【月経カップ体験談】エイジングのスペシャリストを目指して ロルファー&健康運動指導士 溝辺英子さん
2019.07.08楽しく歳を重ねていくために、「エイジング」のスペシャリストを目指して、常に身体の快適を追求している溝辺英子さん。30代半ばから子宮筋腫の影響で経血量が増えていき、生理ケアに苦労してきましたが、手術と月経カップの出会いによって夜用ナプキンを使うことがなくなり、心身ともに快適になりました。ボディワークのスペシャリストの視点からも、月経カップは、会陰や腟を含めた骨盤周りを、自分できちんと感じることができる素晴らしいアイテムだそうです。
愛用している生理用品:スーパージェニー
Her Life Style
「ロルフィング」というボディワークとの出会いを教えてください。
大学の体育学部を卒業後、地元で新しく立ち上げるスポーツクラブとご縁がありインストラクターとして12年間務めました。立ち上げということと、とても理解ある上司に恵まれてさまざまな研修にも行かせていただきましたし、ストレッチやヨガとは違うコンディショニング系のレッスンを自由にやらせていただいてました(笑)
好きなことだったので、休みの日もフェルデンクライスメソッドやアレクサンダーテクニーク、野口体操といったボディーワークのレッスンやワークショップに参加しまくっていましたね。そこで会う先生や物知りな参加者の皆様には、フィットネスの知識とはまた違った身体に関する大切なことをたくさん教えてもらったと思います。
実際に「動く」なかで気づいていくボディーワークを主として参加していたのですが、身体に直接触れるボディーワークであるロルフィングのことを知りました。実際に受けてみたところ、センセーショナルな体験と、ものすごい身体の変化におどろきました。10セッションを受けている最中に、ちょうど東京で日本初のロルファー育成トレーニング開催が決まり、すぐにそのトレーニングに申し込みました。(2011年を最後に現在は日本でのトレーニングは行っていません)
ロルフィングとはどんなものなのでしょうか?他のボディワークとの違いは何ですか?
ロルフィングの特徴としては、『筋膜に着目して術者が直接クライアントに「触れる」こと』『10回のセッションで終わること』があげられると思います。10回のセッションにはテーマが決まっていているので、ロルファーが行うタッチは「意図」を持って触れていることになります。
ここは他の「触れる」系のボディーワークとの違いになるのかもしれません。
ロルフィングの魅力はどんなところですか?
自分が受ける側としては、マッサージとも違う独特のタッチによって自分の内側が感じられるモードに変わるところが大好きです。
施術側からすると、ロルファーはセラピストと違い治療ではなくセッションの場を提供しています。治すというと一方方向な感じがしますが、セッションでは相手の身体と対話しながら進めていけるので、施術しているこちら側も一緒に元気になれるところがいいですね。
ロルフィングは主にどのような方におすすめですか?どんな効果が期待できるのですか?
慢性的な痛みや姿勢の悪さがあって、何か身体の構造を根本的に変えなければならないのではないか、と感じて受けに来てくださる方が多いです。
ロルフィングでは外側から見て整っていることではなく、内側で何を感じているかを問いているので「お手軽メソッド」的なものではないかもしれません。
古いロルファーの先生のお言葉に(ロルファーは)“「星」を変えるな「空」を変えろ”というのがあるのですが、自分自身のパラダイムシフトに興味のある方や自分の身体の探求を楽しめる方でしたらどなたでもおすすめですよ。
ロルファーや運動指導員は、いつも人の身体と心に向き合うお仕事だと思いますが、やりがいを感じることやうれしいことは何でしょうか?
その人らしさが輝く瞬間に立ち会えることでしょうか。
ロルフィング以外にも、老人施設などで介護予防運動の指導員もさせていただいているのですが、参加してくださる方が一生懸命動いてくださって笑顔で終われたときには、本当にこの仕事をやっていてよかったなぁと感じます。また、地域の介護予防担当者や地域包括支援センター、社会福祉協議会、施設の介護職やリハビリ職の皆さんと一緒に、自分も社会全体で高齢者を支える役割を担えていると感じられることも大きなやりがいですね。
あと、何よりも、自分が自分らしくいれるお仕事にいつも感謝しています!
オフの日には、かなり本格的にテニスをされていると伺いました。テニスを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
ボディーワークで十分癒されたので(笑)競技スポーツとの付き合い方も変わるかなと思い、気楽な感じで始めました。テニスを通してさまざまな年代や職業の方に出会う機会になっていますし、一緒にプレーすると仲良くなれるのも早いですね。テニスの後のアフタービールは何よりの楽しみです(笑)。
Her Period
溝辺さんが学生時代に打ち込んでいたハンドボールや、最近されているテニスなど、スポーツ時の生理の悩みはどんなものがありましたか?
タンポンは学生時代から使っていましたが、多い日はなかなか替えに行くタイミングもなくて、ナプキンと重ねたりしていたように記憶しています。
テニスもそうですが、汗をかくとムレたり臭いが気になるのは嫌ですよね・・・。
指導者やチームメイト同士で生理について情報共有することはありましたか?
女性は生理周期によってパフォーマンスも大きく影響されるので、仲間内では生理のことはわりとオープンに話していました。
生理中のパフォーマンスでいえば、監督が「相手チームのエースが生理だから、今日は調子が悪い」って試合中に言っていたのに驚いた記憶があります(笑)。
個人的には生理中より生理前のほうが身体が思うように動かない印象がありますね。
溝辺さんは子宮筋腫の影響で、経血量の多さや日数の長さに苦労されてきたとのことですが、いつごろから症状がではじめたのですか?
30代中ごろから2日目の経血量が増え始め、数年後には10日間くらい生理期間が長く、その間も大きな塊状の出血があったりと、どんどん生理は重くなっていきました。
どんな生理用品を使って対処していたのですか?
夜用のナプキンて後ろ漏れしないように長くできているじゃないですか。子宮筋腫なんかで出血の多い場合は、一回の出血量も増えるんです。なので横漏れしちゃったり・・・。
さまざまな夜用ナプキンを使った結果、エリスの夜用ナプキンが群を抜いて吸収が良かったです。エリスは量が心配な人用のクリニクス(CLINICS)という製品も出しています。
最近、筋腫を取る手術をおこなったそうですが、術後はどのような変化がありましたか?
過多月経が続くと慢性的な貧血状態になります。疲れやすくなるのはもちろんですが、抵抗力も落ちるようで、インフルエンザやノロウイルスなんかにも感染しやすくなっていたと思います。漢方や鉄剤での治療でも思いのほか効果がなかったので、5年ほど前に腹腔鏡による筋腫摘出を行いました。
術後は生理期間も7日ほどになり貧血も改善して風邪もひきにくくなりました。
溝辺さんが愛用されているスーパージェニーのラージサイズは、数ある月経カップの中でも最大容量です。不安や心配はありませんでしたか?
日本で買えるようになる前からSNS等で情報は知っていたので、待ってましたという感じでした!
最初はエヴァカップとスーパージェニーのスモールサイズから使ってみたのですが、多い日では2時間ほどで交換しなくてはいけなくて・・・やっぱり私は術後でも多い人の分類に入るのかもしれません。そこで、大容量のスーパージェニーのラージサイズを試してみることにしたんです。これでかなり楽になりましたね。出産経験がないのでミディアムサイズで慣れてからラージサイズにしたのはよかったと思います。
月経カップのメリットはどんなところにあると感じていますか?
夜用のナプキンを使わなくなったのは大きいですね!安くないですし、使用感もモサモサするし・・・。
もともと重たい生理に慣れていたので活動の制限などはしていなかったのですが、スポーツするのも快適になりました。
また、出血時の違和感を感じないことやムレ、臭いがあまり気にならないのもいいですよね。
月経カップを使うかどうか迷っている方へ、そして同じように経血量の多さで悩みを抱えている女性たちへ、アドバイスをお願いします!
経血量の多さが気になる方はまずは受診していただくことが最優先かと思います。貧血って身体にとってホントに負担になりますから。
月経カップですが、なかなかチャレンジな製品ですよね。私は使い始める前にちょうど「ちつのトリセツ」という本で紹介されている会陰マッサージに挑戦してみたところでした。骨盤底は、ロルフィングでも扱う重要なエリアで、特に女性はこのセッションがkeyになることが多いんです。予想通りマッサージの効果は脚の運びや下腹部の感覚にとても大きな影響がありました。会陰や膣を含めた骨盤底のエリアを自分できちんと感じることができるのは、女性にとって構造的にも機能的にもとても大切なことなんだと思います。
そういった気持ちで月経カップにチャレンジしてもらうと、いろんな意味での快適が手に入るのではないでしょうか。
Her Message
生理についてのメッセージをお願いします。
生理のことから自分の体調のこと、お仕事や趣味の話など振り返る機会をいただけたことに大変感謝しています。
これから訪れる更年期、老年期のことも含めて、生理のことや女性ホルモンのことをきっかけに、女性が自分自身の生き方や身体のことを振り返ったり考えたりすることはとても素晴らしいことだと思います。
「生理」のことも含めた体調のことなどが気軽にシェアできる安心で安全な場を、家庭や友人関係から地域社会へと広げていけると世の中平和になりそうですよね!
Her Dream
今後の目標を教えてください。
これからも身体の快適を追求していくつもりなのですが、「アンチエイジング」っていうのがどうもしっくりこなくて・・・。
制限の多いのは苦手なので、楽しく歳を重ねていくために、自身の身体もしっかりと感覚を持って気持ちよく動かしていければいいかなと思ってます。
また、最期に近くなってもちゃんと周りのサポートがあることをも大切だと感じているので、「介護」の勉強なども少しづつ始めました。そういったことも含めて今後は「エイジング」のスペシャリストになれるといいですね(笑)。
ロルフィングセッションは、Rolfing Space Hmf(ロルフィングスーペース ハムフ)で受けることができます。ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
プロフィール
ロルファー・健康運動指導士 溝辺英子(みぞべえいこ)さん
大学の体育学部時代はハンドボールに明け暮れる毎日。卒業後はフィットネス業界で12年間インストラクターとして勤務。自分の身体とじっくりと向き合うことに楽しみを覚え、フィットネストレーニングにはじまり、各種ボディーワークワークショップなどに積極的に参加。2002年Rolf Instituteの公認ロルファーとなり、現在はフィットネストレーニングから高齢者施設まで幅広い年齢のエクササイズ指導を行う傍ら、筋膜に着目したロルフィング®というボディワークの個人セッションを行う。楽しく歳を重ねていくために、「エイジング」のスペシャリストを目指して、常に身体の快適を追求している。