生理休暇ってなに?働く女性たちの生理事情と男性たちのホンネとは
2018.07.26働く女性のみなさん、そして女性と同じ場所で仕事をしている男性のみなさん、「生理休暇」ってご存知ですか?
今回は「生理と就労」をテーマに、「生理休暇」に注目します。
生理休暇とは「生理日に就業するのが困難な女性に対する措置」のこと。
生理中は生理痛(下腹部痛や頭痛)や貧血、吐き気などのさまざまな不快症状で、ひどい場合は仕事に支障をきたすのが働く女性の悩みの種なのではないでしょうか。
仕事を休まないとどうにもならない女性もいると思います。
そんな時に休みを取ることができるのが「生理休暇」です。
生理休暇は現在の労働基準法68条に定められているれっきとした法律なので、会社によってあったりなかったりということは絶対にありません。
毎回の生理で無理をしながら仕事をしている方、生理痛がひどくて休まないとどうにもならなくて困っている方、そうでない方でも働いている女性は一度ご自身の会社の就業規則や労働条件をチェックしてみてください。
参考記事:
生理休暇とは
日本では、さかのぼると1920年代から労働組合が生理休暇を求めて動きはじめていました。
しかし、結局法制化されたのは1947年です。
当時の条文では生理休暇を、「使用者は生理日の就業が著しく困難な女子または生理に有害な業務に従事する女子が生理休暇を請求したときは、その者を就業させてはならない。」と表現していました。
その後1985年に改定され、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。」という表現に変わり現在にいたります。
これは正社員でもパートでも雇用形態に限らず、本人からの申請に基づいて認められる休暇です。
生理なら誰でも休んでよいというわけではなく、生理痛などの症状で「生理日の就業が著しく困難」な場合に限るので注意してくださいね。
そもそも「生理日の就業が著しく困難」というのは、基準や指標がなく、あいまいな表現といえます。
特に診断書などの提出は義務付けられていませんので、条文に自分があてはまっているかどうかは各々の判断にゆだねられていますが、それこそがかえって判断を難しくしています。
医師から「月経困難症」だと判断された場合はこの条文の「生理日の就業が著しく困難」に当てはまると思いますが、月経困難症というのは医師が判断する診断名です。
しかし前述したように医師からの診断書は不要なので、あえて条文に「月経困難症」という名前を入れずに、あいまいな表現に置きかえているのにはこういった背景があるからだと考えられます。
参照:
「イタリアの生理休暇 世界で初めて生理休暇を制度化した日本との違いとは?」NewSphere(2017年3月24日)
参考記事:生理痛がひどい!それってもしかしたら月経困難症かも。
生理休暇は無給?有給?
通常労働者に与えられる年次有給休暇については、労働法基準法で「通常の賃金を支払わなければならない」と定められています。
一方、生理休暇に関する労働法68条にはこのような記載がないため、有給であることまでもを保障したものではありません。
「なんだ。ガッカリ!」と思ったかもしれませんが、会社によっては有給扱いになることもあるので確認してみるといいと思います。
なお、生理休暇は「生理休暇は月に〜日間しか取れません。」という、日数に上限がないことが、ほかの休暇にはない点です。
それは、生理痛の強さは人それぞれなので定めることが難しいという背景からきていると考えられます。
生理休暇における申請の日数や、それが欠勤or出勤扱いになるのかは、会社と労働者との合意に委ねられているという点が生理休暇の大きな特徴なのでぜひ覚えておきましょう。
実際に生理休暇を使ったことのある女性はたったの4.7%!?生理休暇の現状
現在ではだいぶ生理休暇の認知度が高まってきていますが、調べによると「生理休暇を取得したことはありますか?」の問いに「はい」と答えたのがたったの4.7%だったことが分かっています。
参考:マイナビウーマン調べ(2016年2月/22〜34歳の社会人女性149名対象)
取得した理由は以下の通りです。
・つらすぎる。
・貧血で倒れそうになったから。
・生理痛がひどすぎて起き上がれなかったから。
など、かなりひどい生理痛を持っている方々であることが容易に想像できます。
「いいえ」と答えた残りの95.3%の中には、「生理休暇」というものが法制化されていることを知らないということも考えられます。
いずれにせよ、女性労働協会の調査で4分の1の女性が強い生理痛に悩まされていることが分かっているので、実に多くの働く女性たちが休みたくても無理をしながら仕事をしていることが分かります。
生理痛の強さは人によって異なることが、生理休暇を取得しづらくしている原因かもしれません。
生理で休むことに関して、男性たちはどう思うのか?
女性同士だと、つい自分と比べてしまうので相手の生理痛について理解することが難しいです。
そのため、「みんなも生理痛を我慢しながら働いているのに私だけ休むなんて・・・。」と、実は同僚の女性の目を気にして生理休暇の取得を思いとどまるケースが多いような気がします。
では、一方で男性たちは生理休暇の取得についてどう思っているのか、筆者の見回りの男性たちに聞き取り調査をしてみました。
寄せられた意見としては、意外にも肯定的なものが多かったです。
詳しくみていくと、以下のような理由が挙げられました。
・休みが必要なほどの痛みってかなり痛いと思うから休むべき。
・生理痛は男子が耐えられない痛みって聞いたことがあるからかなりつらいと思う。(休んでも構わないという意見)
・どうやっても男子には理解することができないことなので、理解してあげないといけないと思う。
・生理痛がどんなものなのか分からないから何もいえないけど、理解はする。
・無理しているのを見るとこっちもつらくなるから休んでほしい。
一方で少数ですが、休みの理由が生理でもそうでなくても個人の問題なので特に気にならないという「無関心派」もいました。
今回は否定的な意見を聞くことがなかったのですが、本格的に数百人単位で調査をおこなった場合、否定派の意見も出てくると思います。
個々の考え方の違いですが、生理は個人的な問題なので「生理休暇=特別扱い」というイメージが持たれやすいのかもしれません。
生理中のストレスが減るおすすめ生理用品
生理休暇がどういった内容なのかについてご説明してきましたが、同時に生理休暇を取得したことのある方がほんの一部であることも明らかになりました。
生理痛の原因には生活習慣や食生活、ストレス、血行不良などが挙げられますが、その中の「ストレス」を減らすことのできる生理用品をご紹介します。
月経カップ
月経カップは、ナプキンやタンポンに代わる第3の生理用品として最近日本でも徐々に注目を集めています。
今回おすすめする2つの月経カップ、エヴァカップとスーパージェニーはアメリカで開発・製造された医療用シリコーン100%の体にやさしい月経カップです。
生理時に腟から出る経血をナプキンやタンポンなどで吸収していた従来品と異なり、ピンポン球くらいの大きさのカップを腟にフタをするように挿入し、腟内でカップに経血を溜めるというしくみになっています。
最初はカップを腟内に挿入することがやや難しいですが、慣れてくると日中は取り替える必要がなく、こまめにトイレに行く必要がありません。経血量にもよりますが最大12時間連続使用が可能です。
これまで使用していたナプキンは必要なくなるため、下着内の蒸れを防ぐことができ、生理独特のニオイや蒸れによる肌のかぶれも気にならず、ストレスが軽減します。
残念ながら、生理痛がなくなるという報告はまだありません。
しかし生理に関するさまざまなストレスの軽減が、生理痛緩和に関係することは大いに期待できます。
参考記事:
月経カップにはサイズがある。初めての月経カップのサイズの選び方とは?
人生で生理にかかる費用って一体どのくらいなの? 生理用品別でシミュレーションしてみた
吸収型サニタリーショーツ
月経カップがよさそうなことはわかったけど、やっぱり膣内に挿入すること自体が不安な方もいると思います。
そこで、ナプキンやタンポン、月経カップのバックアップとしておすすめするのが超吸収型サニタリーショーツの「エヴァウェア」です。
特殊な素材で作られた「エヴァウェア」は最大でタンポン2本分の経血を吸収します。
そしてただ吸収するだけではなく、通気性にも優れているため、蒸し暑い季節も、量が多い日も快適に過ごすことができます。
これもまた、月経カップと同様に生理中のストレスを軽減させるお助けアイテムなので、動きの多い仕事をしている方、長時間トイレに行くことができない環境で働いている方、一日中立ちっぱなし・座りっぱなしの方、あらゆる職種の方に適していると思います。
ショーツに関する詳細は下記の記事を参考にしてみてください。
参考記事:
まとめ
今回は「生理と就労」に注目し、生理休暇について取り上げてきました。
生理は病気ではないので、法律で認められているとは知っていてもなかなか取得しづらく、結局我慢をしながら仕事を続けている女性が多いというのが現状です。男性の多い職場だとなおさら言いにくいですよね。
しかし休みを取らずに毎月無理をしながら仕事をこなすことは、体にとって大きな負担となります。
生理による休暇を法律で認めている「生理休暇」ですが、実はこのような法律は珍しく、世界的にも注目されています。
これを機会に、ご自身の会社の就業規則や労働条件を確認し、適切な取得方法で生理休暇を活用してみてください。
ただし、ウソで休暇を取得し、休暇中の外出がバレて懲戒解雇された例も過去にはあります。
くれぐれもご注意を・・・。