生理を早く終わらせる方法とは?布ナプキンや月経血コントロールはどうなの?
2018.12.02*2024年10月28日更新
毎月やってくる憂鬱な生理。
生理に伴う症状には個人差がありますが、お腹が痛かったり、身体がだるかったり、貧血気味になったり…なにかと大変で気分が落ちることが多いと思います。
早く終わればいいのにー!と、誰でも一度は思ったことがありますよね。
しかし、生理を早く終わらせる方法なんて実際あるのでしょうか?
生理期間について
日本産科婦人科学会が定める基準では、出血が持続する日数が3〜7日間の範囲を正常としています。
生理が始まる前に少量の出血があったり、生理の終わりかけに少量の血がダラダラと出続けたりする人もいますが、もっとも多い生理期間は4〜5日間とのことです。
一方で、出血量は意外なことに、集中して経血が出るのは3日間程度。
基礎体温計測推進研究会によると、1日目、2日目に生理期間全体の約4割の経血が排出され、3日目で約3割と減り、5日目にはほとんどなくなるそうです。
したがって、経血の8割は、2日目までに体外に排出されます。
このことからも、最初の3日間の出血量が多く、4日目からは一気に出血が少なくなる方が多いのではないでしょうか。
子宮の出入り口は、ストローの穴より細い非常に小さな穴です。
子宮内の血液はその穴を通って排出されるために、完全に血液を出し切るまでにはある程度の日数がかかってしまいます。
それでは、生理期間を少しでも早く終わらせるために何ができるかみていきましょう。
和式トイレを使う!?
現代人の生理日数は、昔の人々と比べると伸びている傾向にあると言われており、その要因のひとつにトイレの変化があるという人もいるそうです。
実は、洋式トイレに座っている姿勢というのは経血が排出しにくく、和式トイレを使うときの姿勢こそが経血を排出しやすい姿勢だというのです。
しゃがんだ状態は、経血を排出するために必要な腹圧や腟圧をかけやすいからです。
そもそも子宮というのは前傾しているので、前かがみになる姿勢のほうが経血が出しやすいのはなんとなく想像できますよね。
しゃがむのがキツいので、公共のトイレではついつい洋式を使ってしまう筆者ですが、本当に生理が早く終わるのなら積極的に使ってみようかなと思っています。
話題の月経血コントロールはどうなの?
腟トレにより骨盤底筋を鍛えて月経血コントロールができるようになれば、生理を早く終わらせることができるという話を最近よく聞きます。
体を鍛えさえすれば、本当にそのようなことができるようになるのでしょうか?
私たちは尿や便は自分の意思で溜めておいて、トイレに行ったときに排泄することが可能です。
経血でも、もしこのようなことが可能であれば、生理用品はここまで進化してないはず、と疑いつつ調べてみました。
するとやはり、尿や便が生理の血液のように勝手に出てこない理由は、尿道や肛門にそのような構造があるからで、腟はそのような構造にはなっていません。
経血コントロールはごく一部の特異体質な人が可能なもので、通常は体の構造上、不可能であるということを産婦人科の宋美玄先生が述べていました。
参考:「昔の人はできていた……のか?「月経血コントロール」を検証する」監修:産婦人科医 宋美玄先生/DRESS
布ナプキンを使うと子宮が温まる!?
月経血コントロールとともに、「布ナプキンが子宮を温める。その結果、血液がサラサラになって生理の血がスムーズに排出される」という話もオンラインメディアで見ることがあります。
産婦人科の先生に聞いたところ、布ナプキンで子宮が温まるということはないそうです。
考えてみてください。登山ではコットン素材のシャツは避けるのが常識です。
それと同様に、布ナプキンの素材のコットンは、経血がついて濡れてしまえば、たちまち冷える原因となりえることは想像できますよね。
コットン自体は肌にやさしい素材のため、肌に触れる心地よさやナプキンかぶれを予防する効果はありそうですが、生理期間を短くすることにはつながりません。
ビデを使ってみる
生理の終わりかけは、出血自体は止まっても、腟内に残っている経血が少量ずつ出てくることがあります。
ビデを使って洗い流せば、腟の中や外陰部の血が洗い流されるのですっきり感がありますよね。
ただ、腟の中にはデーデルライン桿菌という細菌などの繁殖を抑える役割をもつ、腸でいうビフィズス菌のような善玉菌の乳酸菌が存在します。
一般的なビデの成分は精製水という水です。
頻回に洗いすぎると腟内に存在する良い菌まで洗い流してしまうので、逆に腟炎などの感染症が起こりやすくなることもあります。
また、生理の血液が溜まっているのは主に子宮の中であって、腟の中に溜まっているわけではないです。
ビデはあくまでも腟のなかのものを洗い流すだけのため、生理が早く終わるということではありませんね。
生理用品を変えてみる
これまで生理を早く終わらせるといわれる方法についてみてきましたが、医学的に生理期間を短くする方法はなさそうなことが分かりました。
でもここで、興味深いことをひとつご紹介したいと思います。
それは、日本でも徐々にユーザーが増えている生理用品「月経カップ」を使うと、生理が早く終わるという人がいることです。
2017年から月経カップを使用している筆者も、生理の終わりかけの「経血ダラダラ排出期間」が短くなったと感じていており、そのことをカップユーザーの友人に話してみたところ、
「私は7日間あった生理が、5日間で終わるようになったよ!」というのです。
商品レビューを見ていても、同じような方がいらっしゃいます。
ではなぜ月経カップを使うと生理が早く終わるようになったのでしょうか。
あくまでも想像ですが、考えられる理由として、カップを取り出す際にいきむことで腟内の圧がかかり、経血の排出が促されているからかもしれません。
月経カップを使うと生理が早く終わる気分になれる!
月経カップは医療用シリコーン100%でできているため、経血の量にもよりますが最長で12時間の連続使用が可能です。
「ディーバカップ」「エヴァカップ」「スーパージェニー」は、ナプキンやタンポンの3〜4倍の容量があるため、トイレに行く回数が確実に少なくなります。
筆者の場合、経血の量が多い3日目までは1日に1〜2回のリセットが必要ですが、経血量が一気に減る4日目以降はほとんどリセットする必要がなくなります。
4日目以降はカップと通常のショーツのみで過ごせるため、その時期は生理を忘れています。
つまり、生理が3日間で終わった感覚になります。
また、もうひとつ月経カップを使って生理が早く終わる気分になる理由として考えられるのは、「漏れの心配」のストレスから解放されるからかもしれません。
なかには生理痛が軽くなった!という喜びの声もよく耳にします。
この理由は医学的には解明されていませんが、生理に伴うさまざまなストレスから解放されたことによるものかもしれません。
さいごに
私たちの「生理が早く終わってほしい!」という願いに対して、医学的には生理期間を短くすることはできません。
ですが、「月経カップ」は生理を早く終わらせる可能性があるだけでなく、生理であることを忘れるほどに快適で、多くのユーザーが「生理が短くなった感覚になる」といいます。
ブルーな生理期間をより快適に、アクティブに過ごすための工夫としても、月経カップを試す価値はありそうです。
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