体を温めやすい食べ物で「温活」。体の内側からつらい生理痛をやわらげよう
2018.07.19体の冷えは生理痛や生理周期に悪影響をおよぼすだけではなく、健康や美容の敵でもあることは過去の記事で紹介しました。
体を冷やす生活習慣には「運動不足」「偏った食生活」「ストレス」「睡眠不調」などが挙げられます。
その中でも今回は「食生活」に注目します。
食べ物には種類によって体を温めやすいものと体が冷えやすいものがあるのはご存知でしたか?
実は今が旬の夏の食べ物は体を冷やしやすいものが多いのです。
しかし美味しいからついつい食べてしまいますよね。
今が旬の食べ物に加えて、体を温める食べ物も意識的に取り入れて、つらい生理痛をやわらげましょう。
参考記事:
体が冷えるとどんな不調が起きるのか
そもそも体の冷えは、生理痛や生理不順のほかにもさまざまな不調を招きます。
まさに「冷えは万病の元」なのです。
では具体的にどのような不調が起こるのか、上半身・下半身・全身の3つに分けて整理してみしょう。
上半身の不調
・頭痛
・首・肩こり
・鼻炎
・喘息
・胃痛
・腹痛
・食欲不振
下半身の不調
・腰痛
・足腰の冷え
・むくみ
・下痢
・頻尿
・生理痛(下腹部痛)
・生理不順
全身の不調
・だるさ
・風邪をひきやすい
・イライラ
・神経痛
・微熱がつづく
・免疫力・新陳代謝の低下
冷えは内側から改善すべし
体が冷えると重ね着をしたりカイロを貼ったりなど、つい外側から温めがちですが、外側を温めたとしても内側が温まらなければ代謝は低いままです。
代謝が上がらなければ全身に熱を運ぶことができないため、冷えによる体の不調を改善するには内側から温めることが重要になります。
私たちは生きていくため、体を作るために、「食事」は必要不可欠ですよね。
いつもなにげなく摂っている食材ひとつひとつにさまざまな栄養素が含まれています。
今回のテーマ「食生活」なので、この機会に自分自身の「食生活」を振り返り、内側から体を温めていきましょう。
体を冷やしやすいor体を温めやすい食材の見分け方
では、実際にどれが体を冷やしやすい食材なのか、どれが体を温めやすい食材なのか、覚えるのは大変ですよね。
そこで、それらを簡単に見分けられる方法をアドバイスしますので、お買い物の際の参考にしてみてください。
しかし、これからご紹介するのはあくまでも一例です。
例外のものもあるため、必ずしも当てはまるとは限りませんのでご注意ください。
①地下で育ったのか?地上で育ったのか?
土の上(地上)で育つ食材は体を冷やし、土の下(地下)で育つ食材は体を温めると言われています。
冬に地下で育つ食材が多いのは、生き物が体を温める必要があるからです。逆のことも言えます。
旬の食材を摂るべきというのは、まさに理にかなっていますよね。
日本は四季があるため、季節によって旬の食材がたくさん楽しめます。
食材によって季節を感じることはとても幸せなことだと思います。
②どんな環境で育ったか?
①のことをふまえると、寒い場所では体に熱を蓄える必要があるため、体を温める食材が育ちます。
一方、暑い場所では体内の熱を下げなければいけないため、体を冷やす食材が育ちます。
南国が名産のバナナやパイナップル、スイカなどは、体を冷やす食べ物なのです。
③成分
食材の水分量が少ないものや、塩分(ナトリウム)を含む食材は体を温める効果があり、水分量が多く、カリウムを含む食材は体を冷やす効果があります。
塩分を極端に控えるのは体を冷やす要因になもなるんですね。
塩分の摂りすぎは体に悪いですが、摂らなさすぎも体には良くありません。
④色
オレンジや黄色などの暖色系の野菜は体を温める、白や緑、紫などの寒色系の野菜は体を冷やすと言われています。
夏野菜と言われているナスはまさに寒色の紫なので体を冷やす効果がありますね。
ただし、トマト(地上で育つ夏食材)は暖色ですが体を冷やす食材で、同じような例外もあるので注意してください。
⑤味
夏に美味しい冷やし中華や冷麺は酢との相性がバッチリですよね。
酢などを使用した酸っぱさを感じるものや、化学調味料を使用した料理は体を冷やすことがわかっています。
一方、醤油や塩を使用した塩辛さを感じる料理は体を温めるのです。
料理をする際は、食材もですが「味付け(調味料)」の工夫次第で体を冷やすことも温めることもできます。
体を冷やしやすい食材の例
野菜:キュウリ・トマト・なす・レタス・ほうれん草・たけのこ・小松菜・白菜など
果物:バナナ・スイカ・メロン・パイナップル・梨・グレープフルーツなど
魚介類:アサリ・しじみ・タコなど
これらを見てみると、やはり夏に美味しい食材が多いですよね。
地上で育ち、色も寒色系が多く、シャキシャキと水分が多いものばかりです。
これらの食材は夏バテ気味の場合は特に欲してしまいがちですが、食べ過ぎはかえって体の不調を招きますよ。
例えば、トマトはそのまま食べると体は冷えやすいですが、加熱すると逆に脂質を燃やす(体を温める)効果が出ます。
調理方法の工夫によって、冷えやすい食材が温まりやすい食材に変化するのです。
体を温めやすい食材の例
野菜:にんじん・玉ねぎ・かぼちゃ・れんこん・ごぼう・じゃかいも・ショウガ・ネギ・ニラ・里芋など
果物:りんご・ぶどう・さくらんぼ・イチジク・プルーンなど
魚介類:サバ・イワシ・タラなど
その他:納豆・キムチなどの発酵食品
体を冷やしやすい食材には葉物が多かったですが、温めやすい食材には根菜類が多いですね。
果物を見てみると、りんごやさくらんぼやぶどうは東北地方で有名です。
韓国でよく食べられるキムチは寒い冬を乗り越えるため、韓国に住む人々のパワーフードであることがうかがえます。
イワシにはナイアシン、タラにはビタミンEが多く含まれ、この栄養素は体を温める効果抜群です。
みなさん、なんとなく違いや特徴をつかんできましたか?
食材の選択だけでなく、調理方法などの工夫が大切
ここまで、特徴別に体を冷やしやすい食材・温めやすい食材の例をみてきましたが、必ずしも体を冷やしやすい食材が悪いというわけではありません。
どの食材にも栄養があり、摂るべき理由があります。
「摂りすぎ」または「摂らなさすぎ」というのがもっとも悪いパターンです。
調味料の使い方(味付け)や調理方法の工夫(加熱)次第で、体を冷やしやすい食材も体を温める効果を発揮します。
夏野菜をサラダにして食べるだけでなく、たまには煮たり炒めたりしましょうね。
まとめ
生理痛が悪化する原因の「体の冷え」は、食生活の影響を大きく受けます。
すでにご紹介した、「夏は冷えやすい環境が整っている」ということに加えて「夏が旬の食材は体を冷やしやすい」ということが分かりました。
生理痛がつらい、最近生理痛が強くなったと感じる、生理痛以外にもなんだか体が不調だという方は、体が温まりやすい食材を意識的に摂るとこをおすすめします。
しかし温めることばかりにとらわれて、好きな食べ物・食べたい食べ物を極端に制限するのはストレスになるので逆効果です。
バランスよく食材を選択し、調理の工夫を加えることが、「体を内側から温める」ことにつながると思います。
急激に食生活を変えることは難しいかもしれません。
まずは生理前や生理期間中に意識を向け、自分自身のできる範囲で「温活」を始めてみるのはいかがですか?
参考:
「冷え性を克服するための6つの改善策冷え性の原因は血行不良」一般社団法人 日本生活習慣病予防協会(2016年1月)